あらすじ

海の者たちの協力により遠く荒波を越え、とうとう日本へと辿り着いた夏羽ですが、安堵する暇もなく真物の襲撃を受けてしまうのです。見たこともない巨体が素早く動き、攻撃も効かぬ怪異な存在。どうしたものかと打つ手の見えぬ中、懐かしき者の声が夏羽のもとに届いたのでございます。果たして夏羽帰還の報せは反逆の狼煙となるのでございましょうか。そして、屍鬼(クーラー)としての夏羽とむくろの関係とは…。
怪物事変(1)

田舎の静かな村で、家畜が次々と変死するという奇妙な事件が起きておりました。事件解決の為に東京から呼ばれた「隠神」という派手な格好の男。調査の途中で男は、村に住む「泥田坊」と呼ばれる不思議な雰囲気の少年と出会うのでございます。数奇なる怪物物語、これより始まり始まり──。

怪物事変(2)

東京で怪物相手の探偵稼業を手伝い始めた夏羽(かばね)は、隠神の知り合いである飯生(いなり)警視のもとを訪れるのでございます。ですが、見目麗しき彼女、どうやら夏羽の持つ「命結石(めいけっせき)」にご執心の様子で…。此度の物語、はたしてなにが起こるのでございましょう――。

怪物事変(3)

不思議な同居人・ミハイ。常人ならざる力を持つとされ、不老で半不死の「吸血鬼」である彼は、どうやら一癖も二癖もあるようでございます。ミハイの謀によって依頼をこなすことになった夏羽・織・晶の3人。ですが少々、厄介な案件のようで…。

怪物事変(4)

親は子を想い、子もまた親を想う。そんな親子の記憶を辿る物語――。織の両親の手がかりを探しに幼少のころ暮らしていた場所を訪れた夏羽(かばね)たち一行。断片的な記憶を頼りに捜索を続ける中、織の叔父・昭夫が何かを隠していることを突き止めたのでございますが…。

怪物事変(5)

山奥にある雪の里に生を受けた双子の兄弟がおりました。優しく強い兄と、泣き虫の弟。里での暮らしに馴染めなかった幼き二人は、やがて里を抜けるのでございますが、その道中、離れ離れとなってしまうのです。それから幾年か経ち、二人は再会を果たすのでございます。ですが、優しかった兄は――!?

怪物事変(6)

零結石の力と引き換えに自らの命を削り続ける結。兄を救おうと、晶は零結石に手を伸ばすのですが、その刹那、結の記憶を垣間見ることになるのでございます。それは、唯一人の弟を守らんと悲しき運命を受け入れた記憶…。絆で結ばれた兄弟の物語の結末。そして怪物の結石の謎とは――!?

怪物事変(7)

かつてより狸の怪物が住まう四国の屋島を訪れた隠神・夏羽・紺の3人。狸の持つ幻結石を求めて夏羽は試練に挑むのでございますが、なかなか一筋縄ではいかない様子。片や、夏羽の持つ結石を回収する密旨を受けた紺にもなにやら変化がありそうで…。

怪物事変(8)

全国に散らばる結石を探しに、島根県の八ッ首村を訪れた夏羽と織。ですが、村人の気配はどこにもなく、村は森閑としていたのでございます。その様子を不思議に思う二人のもとに警視庁の捜査官を名乗る怪しげな者。さらには子どもを連れ、怪我をしているなにやら曰くのありそうな女子も現れて…!? どうやら此度の結石探しも一筋縄ではいかないようでございます。

怪物事変(9)

【デジタル版限定!「ジャンプSQ.」掲載時のカラーページを完全収録!!】激しい死闘の末に飯生からの刺客・赤城と花楓を撃退した夏羽たちは、大蛇一族から流結石を譲り受け、これで集めた結石は4つとなったのでございます。片や、浄結石を求めて福岡県を訪れている隠神は、「河童」の一族とどうやら相撲を取るご様子。さらには、結と旅行中の晶になぜか狐の影が忍び寄り……。

怪物事変(10)

5つもの怪物の結石を手中にした飯生が妖美な笑みを浮かべて語るは“食糧”の独占でございました。支配下の人間を食糧に、怪物をも支配せんとする彼女の目的を悟り、夏羽たちは要となる「桜牙ハム」の工場を訪れるのでございます。ところが、工場破壊と結石捜索の二手に分かれて潜入した一行を待つは、狐によって先んじられた悍ましい光景で…。

怪物事変(11)

友人、家族、恋人…きっと誰しも大切な人がいることでしょう。それ故に、時として失わぬよう必死に戦うのでございます。桜牙ハムの工場内で、結石を巡って陽たちと対峙する夏羽と隠神は、連携して攻勢をかけるのですが、思わぬ者によって、隠神が人質に取られてしまうのでございます。さて、窮地の夏羽は果たして…。

怪物事変(12)

鬼の『○熊一家』を新たに従え、怪物の結石を我先にと狙う飯生は、誠に恐ろしき存在にございます。野火丸も何やら裏で動いてる様子…。片や、桜牙ハムの工場で陽たちに勝利した夏羽は、栄結石を入手後、隠神に稽古をつけてもらうことになったのです。織と晶も加わり、4人が向かった先は群馬県の山奥。そこには隠神の旧友がいるそうで…。

怪物事変(13)

あの日、幼き狐の子にとっての“いい子”とは何だったのか――。伊予姫の父・多郎太の力によって作られた空間内で修業する夏羽たち。その間、隠神のもとを訪れた野火丸が語るは、狐の屋島襲撃と任務阻止の協力でございました。しかし、知らせよりも早く予期せぬ不穏な影が迫っておりました。それは美しくも残酷な炎で……。

怪物事変 14巻

狸たちが住まう裏屋島への襲撃者から全ての命を守るべく、ただの御一人で狐に挑まれる三代目頭領・太三郎様。その間、屋島に向かう道中で福姫との修業を終え、到着した夏羽一行が目にしたものは、連携して一体となり、巨大な炎の狐へと姿を変えた花楓と赤城にございました。以前に大切なものを託し、自分たちを助けてくれた屋島の狸の恩義に報いるべく、夏羽は合流した紺と共に、戦いへ――。

怪物事変 15巻

業火に巻かれた裏屋島で起きた二匹の狐による襲撃事件は、憧れ続けた安らぎの炎にその身を焼かれた赤城が倒れたことで終結したのでございます。辛くも屋島を守りきり、安堵する夏羽一行と四国狸にございましたが、傷ついた体以上に心は疲弊しておりました。そのような中で、捕らえた花楓の処遇や、残された結石について話し合っていたところ、さらなる悲しみの報せが屋島を包み込み…。

怪物事変 16巻

飯生の過去を調べるべく、京都の狐を探す夏羽たちは現地で怪物捜査を専門とする京都府公安警察『ゲンジ』のメンバーと会ってみることになったのでございます。ですが『ゲンジ』に所属する者は全員が人間であり、中でもリーダーの源頼電は狸について特別な心情があるようで…。京狐の棲家への潜入計画を練る『ゲンジ』は夏羽たちに手合わせを提案するのですが、人間と怪物…うまく交わるのでしょうか?

怪物事変 17巻

京狐捜索任務のリーダーを決めるべく怪物とゲンジで手合わせを行う一行。激しい戦いも3戦が終了しましたところで、1対2と負け越す夏羽たちでございましたが、次に夏羽が相手する坂田という若者。なにやら檻に入れられた花楓について物申したそうな様子…。さらに気になりますのは、大将戦を前にして隠神に姉上を殺されたと恨む頼電は、はたして今、どのような心情なのでしょう…。

怪物事変 18巻

京狐の里に潜入した夏羽たちでございましたが、狐の幻により意識を失い、分断されてしまうのです。早くに目を覚ました卜部は、庶民階級が暮らす楊梅エリアにて紺とシンと合流を果たした後、既に捕らわれていた民間人の救助に動くのですが、途中で槐と名乗る狐に襲われ、重傷を負うのです。一方で、夏羽・織・晶のもとには京狐の里長の娘・小紅羅が接触をしてきたのでございます。その目的とは里に隠された陰結石と陽結石を探す椿妃の助けとなることだったのですが…。

怪物事変 19巻

京狐の小紅羅と石鎮の血を引く紺を番わせ、藻さまの仔を生させようとする米。ですが、神儀の最中に突如として乱入した花楓により辺りは騒然。その混乱に乗じて虎視眈々と陽結石を狙っていた野火丸や、紺の救出のために頼電が動き出すのですが、神儀を妨げられた米は激しい怒りを顕にするのです。里中の信者の命を贄に力を得た米はとても恐ろしく、それは花楓たちの下へ向かう夏羽と椿妃にも向けられて…。

怪物事変 20巻

京狐の里にて陽結石を手に入れるべく頼電たちと共闘し、里長の米を討ち破った夏羽。ですが、花楓が結石を飲み込んでしまい、取り返そうと手を伸ばしたその刹那、対の陰結石と陽結石が引き寄せあって融合し、辺りが大きな光に包まれたのです。『陰結石と陽結石を近づけてはならぬ』。古くからの言い伝えの通りなのかどうか、目が覚めた夏羽は見たこともない土地にいたのでございます。さて、此処は果たして…。

怪物事変 21巻

京狐の里での戦いの後に見知らぬ土地で目を覚ました夏羽。そこでかつての敵だった炉薔薇と再会した夏羽は、なんと3年の月日が経っていた事実を知るのです。その間に日本は飯生が支配する世界に変貌し、外国とも断絶。多くの国民の意識は支配され、人ならざるものが街を闊歩する異様な景色にございました。ですが、そのような状況に置かれながらも、夏羽と絆を結んだ者たちが夏羽の無事を信じ、戦い続けていたのです。

怪物事変 22巻

海の者たちの協力により遠く荒波を越え、とうとう日本へと辿り着いた夏羽ですが、安堵する暇もなく真物の襲撃を受けてしまうのです。見たこともない巨体が素早く動き、攻撃も効かぬ怪異な存在。どうしたものかと打つ手の見えぬ中、懐かしき者の声が夏羽のもとに届いたのでございます。果たして夏羽帰還の報せは反逆の狼煙となるのでございましょうか。そして、屍鬼(クーラー)としての夏羽とむくろの関係とは…。