あらすじ

停戦から3年。永きにわたる共和国との戦争は、帝国に深い傷跡を残した。飢餓・疫病・兵隊の野盗化…。それは“戦災”という名の、もう一つの戦争だった。これを憂慮した帝国陸軍は情報部内に第3課を設立し、戦災復興任務に当たらせた。その実、軍部の予算獲得のための方便であり、臣民の不満を抑制する“言い訳”でしかない彼ら。だが、社会を覆う欺瞞のブ厚い皮を切り裂き、内部の腐敗を暴くことを真に実践する彼らは、自らを『パンプキン・シザーズ』と呼び、任務達成に向けて今日も邁進する! 電信を通じた『抗・帝国軍』に対しての訴えを終え、剣隊長『蠍の剣』を死闘の末に倒したアリス少尉。帝国の反撃が進む中、現れた巨大陸上戦艦『蠍の王冠』は圧倒的な火力で、帝都を蹂躙する。一方、陸情1課の強襲制圧部隊『第1の大剣』は、人質にされた各国要人を救うために『言語の塔』に突入を始めた。人質となった一部の要人を救出し、国家の存亡に関わる交渉を開始したケルビム中佐。砲弾が飛び交う戦場の中、特許違反を盾に各国の大使達と“密約”を結ぶべく舌戦を繰り広げる。瀕死の帝国を救う道は!?
Pumpkin Scissors 1巻

それは、戦災という名の“もうひとつの戦争”!!帝国陸軍情報部第3課、“復興”を担うモノたち。通称――PumpkinScissors(パンプキン・シザーズ)!!永き戦乱により荒廃しきった帝国各地。停戦後の3年間を奔走(ほんそう)するパンプキン・シザーズだが、なかなか成果は挙がらぬまま……。しかしある日突然現れた、大重量の単発拳銃を片手で操る“巨漢の復員兵”が、この国の《運命》を変えていく――!!!!

Pumpkin Scissors 2巻

立ちはだかる障壁、ことごとく斬り刻まん!!はびこる“人為戦災”を駆逐(くちく)せよ!「901ATT」――それはあらゆる公式文書から存在を抹消された部隊、「不可視の9番」!!晴れてパンプキン・シザーズの隊員となったランデル・オーランド伍長だが、彼こそ「9番」の……すなわち“存在してはならない人間”なのではないか?まだ新しき仲間たちの間で、薄靄(うすもや)のような疑念と恐怖が、静かに揺れ始める……!!

Pumpkin Scissors 3巻

絡みし綾(あや)を断て、双剣「Mahne(メーネ)」!!ドラマティックな“戦災復興”を描きだす、超・重量級アクション!!「なんで、こんなにあちこちで銃声が鳴りっぱなしなんだ……」“帝都地下大水道”をステージに繰り広げられる、陸情3課(パンプキン・シザーズ)と民営水道管理局との麻薬密売をめぐるイタチごっこは、新たな――そして深刻な局面を迎えようとしていた!!

Pumpkin Scissors(4)

こいつらが許せないのは――「不公平な世の中」そのものだ。“戦災復興”を描きだす、超・重量級アクション!!――それは冷たき雪の降りしきる日……。食糧配給を求める貧しき平民の《絶望》は、恋とダンスに興じる帝国貴族に凶器を突きつける《激怒》になった!!彼ら平民たちのオモテ向きの大義は、「汚職長官・パウロ侯爵への制裁」。しかしそのウラには……!?貴族たるアリス少尉は、事態を収拾せんと壮絶な挙に出るが――!?

Pumpkin Scissors(5)

そんなキミだからこそ、ここで彼らを許すわけにはいかない!!“戦災復興”を描きだす、超・重量級アクション!!――激怒にかられた貧しき民衆が、貴族たちの舞踏会を襲撃――。自分たちが処刑されることは覚悟のうえで、それでも貴族を殺そうとする憎悪の渦。これでは「死者の出ないはずがない」――。しかし舞踏会場には、“悪に公平”な彼女がいた。気高き貴族にして「陸情3課実動隊長」である、アリス・L・マルヴィンが――!!

Pumpkin Scissors(6)

あの男は、いずれ貴様の知らないどこかで――。“戦災復興”を描きだす、超・重量級アクション!!――秘匿されたはずの「舞踏会事件」。しかし噂は広まり、過激な反政府運動が高まっていた。そして、「赤帽子(レッド・キャップ)」による銀行襲撃事件が発生――。民衆が、昨日までとは違う明日を夢見はじめたその“舞踏会”で、ランデル・オーランドもまた、陸情3課(パンプキン・シザーズ)における役割を見つけ出していた……!!

Pumpkin Scissors(7)

鉄路の檻に君臨する「国境警備隊」と「装甲列車」!辺境都市カルッセルで陸情3課(パンプキン・シザーズ)を待ち受ける“戦災”とは!?心アツくする、超・重量級アクション!!――陸情2課の暗号文書を発見してしまった3課。「72時間の拘束・監視」を言い渡される!文面を知らないアリス少尉とオーランド伍長は拘束をまぬがれたが、監視の一環として、2課との合同任務、すなわち“囮(おとり)作戦”を強制され……!?

Pumpkin Scissors(8)

息絶えるまで踊り続けるしかない輪舞(ロンド)――。重量級ドラマ「カルッセル編」中編!3年間、同じ所をぐるぐる回るしかなかったんだ……。――平穏なる国境の街・カルッセル。あの戦乱をきっかけに、哀しく激変した街――。停戦後3年が過ぎた現在もなお、国境警備隊の支配は終わらない。環状線を走る装甲列車の轟音。“終わり”を免れるための規則(ルール)。ペンキの剥げた回転木馬(カルッセル)が、ひからびた諦念を乗せて回り続ける――!!

Pumpkin Scissors(9)

ひとりきりの世界で、絆のはしを掻き抱く――。《資格なき支配者》への反撃に出る陸情3課(パンプキン・シザーズ)。そして、或る男と女の物語が……!?重量級ドラマ、円環の内を回る街「カルッセル編」完結!!抑圧支配の象徴、「装甲列車」。街を存続させるための「人身売買」――。それは街ぐるみのトップ・シークレット。諦念の吹き荒れる街のなか、アリスとオーランドのまいた小さな種が、確実に芽吹こうとしていた……!

Pumpkin Scissors(10)

食え!働け!生きろ!!オーランド伍長、帰郷――。しおれない雑草のような“家族”のもとへ!重量級ドラマ、新シリーズ「0番地区編」開幕!!東方強国に対抗する運命共同体「西方諸国連盟(ネビュロ)」。その合同会議を控えたある日、オーランド伍長は病院から姿を消した……。彼が向かったのは、“帝国法の及ばぬ魔窟”「0番地区」ではないか?情報を得たアリス少尉は、《もう一つの目的》を胸に歩みだし……!?

Pumpkin Scissors(11)

揺るがぬ信念の男・ロンダリオが抱える真摯な怒りは、国家に変革を強いる精緻な計画を生み落とした。法の及ばぬ魔窟『0番地区』における抗争誘発……。だが、事態に巻きこまれた小さな住民たちが計画を阻む!そしてその姿に、求めていた“答え”を見出したアリスもまた……。一方ランデルは、己を搦め捕る想念の淵に沈みつつあった。父との約束を破り、多くの人を――。足掻く幽霊(ゲシュペンスト)が、たどり着ける“答え”は……!?

Pumpkin Scissors(12)

実業家・ロンダリオが引き起こした『0番地区』での抗争騒ぎは、街を牛耳るボス達との秘密取引によって収束しつつあった。ロンダリオがその剛毅を以てなお恐れた『西方諸国(ネビュロ)連盟合同会議』の開催は、もう目前だ。帝国が持つ技術特許の開放をめぐり、『西方諸国連盟合同会議』は紛糾必至!迫り来る“冷たい戦争”へ向けて、無数の人影が入り乱れ、踊り始めた……!!

Pumpkin Scissors(13)

政治という魔術が甲冑の内をおかす。国家の未来を決する『西方諸国連盟(ネビュロ)合同会議』開幕!虚飾で鎧われた帝都に、無数の思惑が渦を巻く――『合同会議編』本格始動!!遂に開幕した合同会議。帝都は今、浮ついた祝祭のただ中にあった。その一隅で、名もなき労働者の死体が発見される。それは、国家的騒動の脇にあっては、特に注視されることもない事件のはずだったが……!?

Pumpkin Scissors(14)

いよいよ『西方諸国連盟(ネビュロ)合同会議』の各会が一斉に始まった。衆目が注がれたのはやはり本会議。最大の焦点である特許問題をめぐり、数十か国の代表団が開放派と維持派とに分かれ、虚々実々の駆け引きを繰り広げるその成り行きは、西方諸国全ての未来に直結していた。そしてそのとき、巨塔の中で国権と国運を熱心に弄ぶ人々ごと、仇敵(帝国)の命脈を刺し貫こうと、地下で蠢いていた蠍(アンチ・アレス)が遂に尾をもたげた!

Pumpkin Scissors(15)

帝都、燃ゆ――『抗・帝国軍(アンチ・アレス)』蜂起!西方諸国の耳目が集まる中、蹂躙されゆく帝都市街……国家存亡の危機に帝国陸軍情報部は!?――会議場『言語の塔』内部に群がり出た蠍どもは、瞬く間に儀典局の警備部隊を排除して塔を占拠。各国要人を人質とする一方、市街に向けて高々機動戦術装甲車『蠍の類型(グラフィアス)』を解き放った……!!とある特殊な国際交流を描いた問題作「IntervalSpecial」も収録!

Pumpkin Scissors(16)

『抗・帝国軍(アンチ・アレス)』が帝都に放った高機動装甲車に立ち向かい、傷つき倒れたランデル・オーランド。生死の淵を彷徨う彼が見る夢は……?そして遂に、その“被験体”を見下ろすミュゼ・カウプランの口から、『不可視の9番(インヴィジブル・ナイン)』の真実が語られる!!

Pumpkin Scissors(17)

合同会議5日目を迎えた夜半の帝都──。臓腑の澱となった帝国人への宿怨を、最終的な行動へと出ることで遂に解き放つ『抗・帝国軍(アンチ・アレス)』!だが、ただひたすらに殴られ続けながらも、帝国の全てが打ちひしがれたわけではなかった。吹き荒れるテロルの嵐に抗い、顔を上げる者達――重量級ドラマ[合同会議編]緊迫のターニングポイント!ここからだ……ここから劣勢全て、くつがえす!!

Pumpkin Scissors(18)

西方諸国連盟合同会議の期間中に勃発したテロ事変。武装集団『抗・帝国軍(アンチ・アレス)』に蹂躙されるがままの帝都にあって、人々は己の為しうる何事かを求め、もがいていた。陸情3課は、焼け出された避難民の救出・移送に奔走。一定の成果を収めつつあったが、抗・帝国軍の擁する高々機動戦術装甲車『蠍の類型』8輌の襲撃を受け、それぞれに対決を余儀なくされる。絶望的な状況下にありながら、それでもなお敢行する“反撃”の行方は!?

Pumpkin Scissors(19)

帝都各所で市民の虐殺を続ける抗・帝国軍の高機動装甲車『蠍の類型』8輌に対し、それぞれ対決を余儀なくされた陸情3課。火焔放射兵装を以て1輌を撃破したオーランド伍長だが、その代償に彼の肉体と精神は軋みゆく。同じ頃、アリス少尉は目立つ馬上にある自らを囮とし、避難所に乱入してきた1輌を市民から引き剥がしたものの、手にする武器は双剣メーネのみ。その『帝国の騎士』が、鋼鉄で覆われた敵に抗する術は…!?

Pumpkin Scissors(20)

帝都を蹂躙する抗・帝国軍(アンチ・アレス)の高機動装甲車『蠍の類型(グラフィアス)』3輌を撃破した陸情3課。ミュゼ・カウプランの卓絶した医術で一命を取り留めたランデル・オーランド伍長は、だが休むこともなく立ち上がり次の敵を求め彷徨う。その左腕には、奇怪な形の901ATT装備『大百足(センティピード)』が喰らいついていた。一方、残る敵装甲車5輌の覆滅を期し、陸軍情報部の極秘兵装『ジャガーノート』戦車隊も進撃を開始し……。

Pumpkin Scissors(21)

帝国軍の反撃により装甲戦力が壊滅し、抗・帝国軍は頽勢に転じた。既に目的を達成したことを知るテロリスト達は、自決の道を辿ろうとするが、その胸中に渦巻く実感への渇きは、倦むことを知らずのたうつ。帝国人を殴りつけたい。彼らが泣き喚き、許しを請う様を見たい──。そこに入った帝国軍人からの通信。電信回線で西方諸国中の人々が聞くそのアリス・L・マルヴィン少尉の声は、謝罪ではなく、三つの要求を突きつけていた…

Pumpkin Scissors(22)

電信回線が運ぶアリス少尉とオーランド伍長の声。その途絶は、『言語の塔』への強襲制圧部隊『第1の大剣』による突入を意味していた。もっとも、計画を完遂した充足感のうちに生を終えようとする『抗・帝国軍』にしてみれば、要求に対する帝国の回答が銃弾であろうと構いはしない。刻限の日没が迫るなか、さらなる死と破壊に身を浸しゆく彼ら。その魂魄は陸上戦艦と呼ぶべき巨獣『蠍の王冠』となって、最期の咆吼を放つ…!

Pumpkin Scissors(23)

停戦から3年。永きにわたる共和国との戦争は、帝国に深い傷跡を残した。飢餓・疫病・兵隊の野盗化…。それは“戦災”という名の、もう一つの戦争だった。これを憂慮した帝国陸軍は情報部内に第3課を設立し、戦災復興任務に当たらせた。その実、軍部の予算獲得のための方便であり、臣民の不満を抑制する“言い訳”でしかない彼ら。だが、社会を覆う欺瞞のブ厚い皮を切り裂き、内部の腐敗を暴くことを真に実践する彼らは、自らを『パンプキン・シザーズ』と呼び、任務達成に向けて今日も邁進する!

Pumpkin Scissors 24巻

停戦から3年。永きにわたる共和国との戦争は、帝国に深い傷跡を残した。飢餓・疫病・兵隊の野盗化…。それは“戦災”という名の、もう一つの戦争だった。これを憂慮した帝国陸軍は情報部内に第3課を設立し、戦災復興任務に当たらせた。その実、軍部の予算獲得のための方便であり、臣民の不満を抑制する“言い訳”でしかない彼ら。だが、社会を覆う欺瞞のブ厚い皮を切り裂き、内部の腐敗を暴くことを真に実践する彼らは、自らを『パンプキン・シザーズ』と呼び、任務達成に向けて今日も邁進する! 電信を通じた『抗・帝国軍』に対しての訴えを終え、剣隊長『蠍の剣』を死闘の末に倒したアリス少尉。帝国の反撃が進む中、現れた巨大陸上戦艦『蠍の王冠』は圧倒的な火力で、帝都を蹂躙する。一方、陸情1課の強襲制圧部隊『第1の大剣』は、人質にされた各国要人を救うために『言語の塔』に突入を始めた。人質となった一部の要人を救出し、国家の存亡に関わる交渉を開始したケルビム中佐。砲弾が飛び交う戦場の中、特許違反を盾に各国の大使達と“密約”を結ぶべく舌戦を繰り広げる。瀕死の帝国を救う道は!?