あらすじ

ニューヨークでコースケの事件に関わったことで忘れていた記憶が呼び起こされたおっこは、過去に不良グループ【千刃鶴】の一員として活動していた罰を受けずにいたことへの自責の念に支配されていた。他のメンバー同様に自分も罰を受けなければいけないと、誰にも別れを告げずに地元へ帰ってしまい、そこで昔の仲間と出会い、不良に絡まれてしまう。唯里は理恵と乙女と共に日本へ駆け付け、健太とも偶然落ち合った。そして四人はおっこが向かったであろう千刃鶴の元アジトの廃工場へ向かうのであった。
天色ダイアリー -crisis of the Ordinary Days- 1巻

かつて姉とその娘の「唯里」と暮らしていた弟「健太」は、姉が失踪したことで家を出た。数年後、健太と唯里はニューヨークにある姉の母校の高校で再会することになる。未だ姉の失踪の真相を探り続けている健太と姉が大好きだった学校で前向きに生きようとする唯里、それぞれ過去に縛られた二人が様々な人と出会い、衝突し、巻き起こるトラブルや非日常に抗いながら平穏な日々と青春を取り戻そうとする物語。二人は次第に姉の母校を巡る大きな物語に巻き込まれていく。1巻ではそのほんの序章の途中までを唯里の視点で描く。

天色ダイアリー -crisis of the Ordinary Days- 2巻

かつて共に暮らしていた母の弟「健太」と再会した唯里は、未だ行方の知れない母がかつて薦めていたニューヨークにある日本人学校で「サイコーな日々」を送ることを求める。唯里は、過去に絶交した健太との関係に頭を悩ませつつも、まずは転校初日にすれ違ってしまったままのルームメイト「おっこ」との関係改善を図ろうと行動を起こす。2巻ではそんなルームメイトとの衝突を経て遂に健太と衝突。その中で健太は家を出て行った理由を語るのだった。

天色ダイアリー -crisis of the Ordinary Days- 3巻

かつて絶交した母の弟「健太」と和解するための勝負は遂に終局を迎える。唯里はその決着をもって過去のしこりと決別をするが、一方の健太は何一つ自分の抱える問題を解決できないでいた。3巻では唯里視点で語られた第1章は閉幕し、未だ姉の失踪の真相を探り続けている健太の視点で語られる第2章が始まる。平穏で平和な学園生活に不釣り合いな目的を胸に秘めた健太は、そんな学園生活を送る後輩の相談から新たなトラブルに巻き込まれていく。

天色ダイアリー -crisis of the Ordinary Days- 4巻

健太が1年前から何故か慕われるようになった後輩「康介」からの恋愛相談の対応という平和な日常から一転、康介の異変により事態は緊迫する。健太は所詮他人事である康介の抱える問題に関わることを躊躇するも、共にトラブルに巻き込まれたどこまでも前向きな心を持つ友人「おっこ」の言葉により深く関わることを選択する。しかし、康介の抱える心の傷は想像を絶する衝撃的な恐怖の記憶だった…

天色ダイアリー -crisis of the Ordinary Days- 5巻

健太を慕う後輩「康介」がかつて心に負った深い傷との戦いは今もまだ続いていた。健太をはじめ関わりをもった面々は、懸命に抗う康介の背中を押し、事件は一旦の解決を見る。しかし、その中で健太の取った行動が原因で、健太は一人日本の実家へと一時帰国することになってしまう。そこは姉の失踪の真相を知るという父が待つ伏魔殿。健太は許嫁の「雛乃」と再会し、失踪した姉「笑美里」のことを語り始める。舞台は11年前、笑美里の視点で語られる第3章が開幕する。

天色ダイアリー -crisis of the Ordinary Days- 6巻

舞台は健太がまだ幼かった頃、健太の姉「笑美里」が大学生の時分。笑美里は弟の健太と二人で東京の伯母のアパートで暮らすことになり、ひょんなことから隣人のフリーター「修治」を助けることになる。笑美里と修治の歩みは次第に交差して行き、東京での生活も2年が過ぎた頃、笑美里の前に伯母の孫にあたる「唯里」が最悪の形で姿を現す。笑美里は唯里と共に暮らすことを切望し、一時的に面倒を見ることになるのだが…

天色ダイアリー -crisis of the Ordinary Days- 7巻

ようやく唯里と家族になれる兆しが見えた刹那、笑美里のもとに訪れた実家からの使者によって、笑美里は唯里と引き離されてしまう。笑美里は自分の無力さを痛感し打ちひしがれるが… そんな笑美里のもとに現れたのは1年間部屋を留守にしていた隣人のフリーター「修治」だった。笑美里は修治の言葉に励まされ、誰もが捨てがたいと感じるものを投げうってでも唯里を連れ戻す決意をし、修治と健太と共に実家へ乗り込むのだった。

天色ダイアリー -crisis of the Ordinary Days- 8巻

唯里を取り戻すため実家へ乗り込んだ笑美里。その想いを受け取った唯里は自分にできる精一杯の抵抗を試みた。命の危険すらあったその行動で遂に笑美里と唯里は真の再会を果たし、唯里がどのようにして笑美里の娘となったのか、最後の物語が語られる。長い笑美里の物語の終幕と共に時間が現在へ戻ると、健太のもとにあり得ない事を告げる一本の電話がかかってくる。停学中の日本にいる健太にしかできない人助けをするため、健太は恩人である「おっこ」のもとへ向かうのだった。

天色ダイアリー -crisis of the Ordinary Days- 9巻

何かを思い出して人が変わってしまった恩人のおっこ。健太は何とか話をするため接触を試みるが、おっこはそれに応じようとはしなかった。そんな時健太はその場にいる筈のない面々と出会い、おっこに何があったのかを聞くことになる。一方のおっこは、かつて自分が居場所として身を寄せていた場所へと向かい、かつての友人、「遊人」と再会する。そこでおっこは中学生の頃に自分の身に起きた事件、その始まりの記憶を辿るのだった。

天色ダイアリー -crisis of the Ordinary Days- 10巻

失っていた記憶が戻ったことで自責の念に囚われてしまったおっこは、その記憶を思い出す。時は中学時代、おっこは「千刃鶴」と呼ばれたグループのアジトを突き止め、その一員として迎えられることに成功した。悪名高い不良学校の人間が進学校の生徒から巻き上げたお金を無償で回収する千刃鶴、その行動に対して何故そんな馬鹿なことをするのかと問うと、返って来たのは彼らが皆「バカだから」という不可解な答えだった。おっこは千刃鶴の活動にのめり込み、大きく心を傷つけることになって行く。

天色ダイアリー -crisis of the Ordinary Days- 11巻

ニューヨークでコースケの事件に関わったことで忘れていた記憶が呼び起こされたおっこは、過去に不良グループ【千刃鶴】の一員として活動していた罰を受けずにいたことへの自責の念に支配されていた。他のメンバー同様に自分も罰を受けなければいけないと、誰にも別れを告げずに地元へ帰ってしまい、そこで昔の仲間と出会い、不良に絡まれてしまう。唯里は理恵と乙女と共に日本へ駆け付け、健太とも偶然落ち合った。そして四人はおっこが向かったであろう千刃鶴の元アジトの廃工場へ向かうのであった。

天色ダイアリー -crisis of the Ordinary Days- 12巻

過去の辛い記憶を取り戻しニューヨーク校を去ろうと日本へ帰ってしまったおっこ。その後を追った唯里、理恵、乙女の三人は途中偶然にも健太と合流し、四人でおっこを連れ戻しに向かい、無事説得することに成功した。健太はおっことニューヨーク校を一緒に卒業する約束をし、おっこの気持ちも聞いてしまう。その後おっこは無事ニューヨークへと帰りつき、迎え入れられた。健太は一人実家に戻り、未来に思いを馳せながら因縁に決着を付けようと父親と対峙するのだった。

天色ダイアリー -crisis of the Ordinary Days- 13巻

心の奥底に押し込めていた記憶を取り戻したおっこが学校を去り、一時は平穏が崩れかけたニューヨーク校だったが、唯里と健太達の尽力により再び平穏を取り戻していた。しかし間もなく迎えた冬休み、健太は実家へ戻るとあられもない姿にされている父親の姿を目撃することになる。それをやったのは鬼ヶ原京平太、かつて姉の笑美里の許婚だった男だった。健太は底知れぬ恐怖を抱え一人稽古に打ち込んでいると、自らの許婚の母の優乃さんから鬼ヶ原という家のことについて話を聞かされることになったのだが…

天色ダイアリー -crisis of the Ordinary Days- 14巻

父が対峙している鬼ヶ原という底知れぬ悪を知った健太は、何等かの意図をもってニューヨーク校に送り込まれたかもしれない八人の生徒がいることを知り学校へと戻った。しかしその内の一人の天草千代に接触してみるも鬼ヶ原の影を感じることはできず、徒労に終わる。優乃により事情を共有された寮監達の支援を取り付けた健太は、八人の内の一人、恩人であり特別なパートナーでもあるおっこに二人きりで話を聞くべく出かける約束をするのだが…そこに波乱を呼ぶ一人の少女の影が近づいて来ているのだった。

天色ダイアリー -crisis of the Ordinary Days- 15巻

冬休みが明け二学期となったニューヨーク校にかつておっこの知り合いだった綾が転校生として訪れ、理恵と離れ離れになっていた父が研修生として訪れるなど、新たな面々が顔を出す中、遂には死んだ筈だった唯里の姉を名乗る柳瀬優樹子までが突如として現れた。ある日置き去りにされた唯里を保護したという認識を持つ健太と真っ向から対立し拳を交える優樹子と健太。そしてそれを仲裁しようと割って入って来る事務員、エレナ。どこまでが仕組まれたことなのか、健太と唯里の運命の歯車が動き出していた。

天色ダイアリー -crisis of the Ordinary Days- 16巻

京平太によるバースデーパーティーの前座が予告される中、死んだと思われていた唯里の姉が訪れるなど、加速する非日常の中で健太は少しでも不測の事態に対処できるよう鍛錬の日々を送っていた。一方で唯里とおっこは理恵が経験した辛い過去の出来事を共有することになり、かつて心が壊れてしまった理恵の父親がもしかしたら新たに研修生として赴任してきた間宮先生かもしれないということを知る。壮絶な過去を知った二人は理恵が未来へ進むために間宮先生の素性を確認するべく美術室へ向かうのだった。

天色ダイアリー -crisis of the Ordinary Days- 17巻

優樹子は自分が今までどのような人生を歩んで来たかを健太に語り始めた。柳瀬家が唯里を置き去りにした直後、優樹子もまた異世界に迷い込んだような遠くの地で目を覚まし、苦しんでいたという。唯里の存在を頑なに認めない両親に憎しみを抱くようになった優樹子は一人家を飛び出し、遭難の末に浅羽という夫婦の下に辿り着く。浅羽の夫婦は優樹子のことを行方不明になっていた娘と勘違いし、優樹子も真実を言えずに日々を過ごしていた。しかしそんな日々は長く続かず、優樹子の前に両親が現れたのであった。

天色ダイアリー -crisis of the Ordinary Days- 18巻

健太の義理の兄になる予定だった男、京平太。何を企んでいるか分からない不気味なその男のバースデーパーティーの前座のゲームが行われると言われ、会場に案内された先で出会ったのは京平太が意図してニューヨーク校に通わせたと思しき生徒達だった。偶然ではあり得ない状況に警戒する健太を尻目に、マミワイフと名乗る間宮先生の配偶者は自分達と遊んで欲しいのだと趣旨を語る。かくして、その名とは裏腹な思惑が潜んでいそうな「幸せHAPPYゲーム」の開催が宣言されたのだった。全194ページ