あらすじ

ウィシャの生き残りはもう一人いる。しかも女だ!──動揺するレッドをよそに、人が人の死を望む無限回廊で、史上最大の銃撃戦が始まる!巡回牧師(サーキットライダー)グレイと組んだレッド達が相対するのは、ブルー小隊の狙撃手3人と百人超の無法者連合。二重に張られた必殺の罠の中、最後に轟くのは果たして復讐者の慟哭か、策士の哄笑か──。漫画界、唯一無二のハードコア・ウエスタン、第10巻!!
RED(1)

19世紀末、アメリカ西部。日本を逃げ出した肥後士族のサムライ・伊東伊衛郎(いえろう)は、1人のインディアンと出会う。彼の名は、レッド。夕焼け空の赤色をさすという……。そして、街の保安官・バーンズの持つ合衆国騎兵隊の階級章をレッドが見た夜、慟哭と共に大殺戮が始まる――。勝者の歴史に牙を剥く、叛骨の崖っぷちウエスタン、ここに開幕!!

RED(2)

19世紀末、アメリカ。その輝かしき開拓神話の裏には、生贄達の怨嗟が渦巻いていた。抹消された歴史の闇と根絶された血族の呪詛を纏う、悲しき殺戮者・レッド。しかし、ひょんなことから始まった、日本から逃亡して来たサムライ・伊衛郎(いえろう)、白人娼婦・アンジーとの旅路は、インディアンであるレッドの凍てついた心を少しずつ溶かし始めていき――!?

RED(3)

彼は叫ぶ、他人の歴史に消されぬ為に――。彼は哭く、自分の消された未来の為に――。測り知れない憎しみの歌という名の銃を手に、脇目も振らず復讐の道をひた疾る男、インディアンのレッド。行き着く先が破滅だとしても、彼は叛骨の牙を研ぎ続けるのだろうか……!?19世紀末、アメリカ。荒野に赤い風の咆哮、止まず!凶暴で繊細なストーリーが心を鷲掴みにする、第3巻!!

RED(4)

19世紀末、アメリカ。時代の歪みが白人社会に孕ませた、2つの鬼塊──。一つは、神を試し続ける神の御子、純粋故のニヒリスト・グレイ。そして、もう一つは悪の愉悦に酔い痴れる獣、美しき魔性・グリーンウェル。血と銃弾で語り合うしかない、合わせ鏡の堕天使2人の結末が、無垢なるインディアンの少女・スカーレットの運命を決める!!掟破りの崖っぷちウエスタン、手に汗握るシーン目白押しの第4巻!

RED(5)

漆黒の憎悪に身を焦がし、鏖殺の怨念で心を充たすインディアンのレッド。復讐の旅路が図らずも育んだ友情の萌芽すら置き去りに、彼は黒鉄の爪牙を磨き、幾多の死線をもくぐり抜けて、冷血の猛禽へと変貌するのか……。19世紀末、アメリカ。時代の奔流に抗う、叛骨の挽歌!鬼才・村枝賢一が骨太に描き出す、赤き血が滾る本格ウエスタン!多種多様な人間の思惑が絡み合う、第5巻!!

RED(6)

ウィシャ・インディアンを根絶やしにした第七騎兵隊ブルー小隊――。その元指揮官・ブルー大尉から逃れ、グレイとスカーレット一行はNYを離れる。そして、ブルーの部下たちも、彼の命を受けNYを発つ。大男オーエン、そして双子のコッパー兄弟。共に西を目指す2組を、宿命の糸が“泉の街(スプリングスシティ)”での邂逅へと導く。さらに、レッドを追って街に現れたイエローとアンジーを巻き込み、命懸けのゲームが始まる!

RED(7)

ミズーリ川を豪華客船でゆくレッド達を狙い、元ブルー小隊・指揮官のブルー大尉は、副官テレンスに精鋭「A分隊」による襲撃を下命。ルーカス、ビショップ、クイン…手練れの伍長たちがレッドを襲う!一方、スカーレットは先住部族マザスカ・スーの居留区・パインヒルへ。そこはウィシャ虐殺の舞台“白い川(ホワイトリバー)”が流れる地でもあった。ここが彼女の「帰るべき場所」なのか?宿因に律された2つの奔流の行方は?

RED(8)

ウィシャ虐殺……紅き復讐者の誕生と時を同じくして、緋色の少女がこの世に生まれ落ちた。「平原の兄弟」である先住民族マザスカの居留区で、スカーレットは自らの出生と部族の悲劇を知る。同じウィシャの生き残りであるレッドは、いかにして紅蓮の復讐者となったのか……?偉大なるマザスカの長・シルバーリングの問いかけに、スカーレットは──。過去の英雄が築いた平穏か、未来を棄てた男の戦場か。今、選択の時!

RED(9)

レッドの涙を止める──。ホワイトリバーで啓示(ヴィジョン)を受け、己の道標を見つけたスカーレットは、マザスカの「兄弟」たちと、「父」と呼んできた男に背を向け、狼を供に荒野へと旅立つ。老いた聖者である「父」の贖罪の終わり、その最期の時も知らずに……。そして、スカーレットは新たな友に出会う。それは、キッズギャング「イナズマ団」のボス、チリカ。剛腕作家が異端のテーマを描く、大いなる挑発作、第9巻!

RED(10)

ウィシャの生き残りはもう一人いる。しかも女だ!──動揺するレッドをよそに、人が人の死を望む無限回廊で、史上最大の銃撃戦が始まる!巡回牧師(サーキットライダー)グレイと組んだレッド達が相対するのは、ブルー小隊の狙撃手3人と百人超の無法者連合。二重に張られた必殺の罠の中、最後に轟くのは果たして復讐者の慟哭か、策士の哄笑か──。漫画界、唯一無二のハードコア・ウエスタン、第10巻!!

RED(11)

親友、死す?宿敵、現る!?“D”分隊の襲撃に、なすすべもなく翻弄されたレッドたち。イエローを撃ち落とした宿敵ブルーは「君たちには私の屋敷へ来てもらわねば」と言い残して去る。屋敷の場所は、グレイが大統領から聞いているはずだとの捨て台詞に、レッドたちは……?一方、スカーレットは、伊衛郎の幼なじみ・村崎と出会う!巻末からは、長編外伝『Yellow』が幕を開ける!怒りのウエスタン、第11巻!

RED(12)

明治サムライの血がたぎる!長編外伝『Yellow』編の第12巻。──熊本南部・葦北(あしきた)。肥後藩の鉄砲衆・御郡筒(おごおりづつ)の家系に長男として生をうけた伊衛郎(イエロー)と、天草から渡った「隠れ切支丹(キリシタン)」の家に生まれた村崎(ムラサキ)。親友同士の二人は、長じて有明一刀流門下の二枚看板となった!伊衛郎と丸山遊女との恋、そして日本最後の内戦「西南の役」!──激動の青春!!

RED(13)

山に屍(しかばね)、河に血流れる……西南戦争・田原坂の戦い、凄惨な幕切れ!生き延びてしまった伊衛郎(イエロー)と、親友・村崎(ムラサキ)は!?長編外伝『Yellow』編、閉幕!そして物語は、ブルーの狙撃による死の淵より生還した伊衛郎と、スカーレット、村崎との再開へ引き継がれる──。一族根絶やしの復讐に燃えるレッドの他にもう一人、ウィシャの生き残りの少女がいるという事実を知った伊衛郎は!?

RED(14)

過去の確執から、親友・村崎と開襟を開けぬ伊衛郎(イエロー)。だが、思わぬところで屈託なく「ブルー様」と口にする村崎に、伊衛郎は驚愕する。ブルーは、村崎を、幼い子供らを手懐けていた。そして今、その魔手はスカーレットへ!?一方、D分隊、テレンス、そしてブルーの皆殺しを目論むレッドたち。襲撃を前に、レッドは同行するアンジー、グレイ、ゴールドスミスの三人へ、ウィシャ族の戦前の儀式だと、杯を差し出す!

RED(15)

断崖にそびえるブルーの屋敷で、激闘の末、ブルー小隊・副官テレンスを葬ったレッド。燃え堕ちる屋敷を飛び出した彼を迎えたのは、親友・伊衛郎(イエロー)生存の情報だった!一方、残されたアンジ―達は、大統領のエージェント・ブラウンから、ブルーの正体を明かされる。ブルーは陸軍最深部に常に存在し、合衆国を裏で支える「将軍」でもあった!?遠大濃密に紡がれてきた物語と物語がついに交錯!大西部劇、最終章へ!

RED(16)

親友・伊衛郎(イエロー)と、そして惚れた女・アンジ―との再会を果たしたレッド!物語は、荒野の白薔薇・アンジーの生い立ちを紡ぐ外伝『White』へ。女には女の戦いがある。そして、男には男の……。ふたつの魂がひとつの夜を共にし、そして物語は再び本流へ!大統領の私設捜査官が、ブルーの企みを明かす。軍の編制権をほぼ掌握するブルーの軍事計画とは!?重厚緻密な人間ドラマが胸を貫く大西部劇、第16巻!

RED(17)

ブルーの軍事計画最終実験場、ダコタ州「ブラックヒルズ」──。ブルーが百人を超える陸軍の精鋭“青の猟兵”を集結させた地は、ブラックヒルズの農場の他に、もうひとつあった。それはワシントンD.C.大統領官邸(ホワイトハウス)!一方、レッドの襲撃を待つブルーは、手の内にあるスカーレットに衝撃の過去を語る。「私は…移民船で生まれ、捨てられ、さまよい……そしてウィシャという部族に拾われ施しを受けた……」!?

RED(18)

ついに激突、ブルーvs.レッド!!最終決戦地は、ダコタ準州ブラックヒルズの山岳要塞、マウント・ラッシュモア!敵は、陸軍少将ブルーによって秘密裡に養成された米国初の特殊部隊“青の猟兵”。一方、ブルーの指示により、“青の猟兵”別働隊が大統領官邸を取り囲む!この国を戦いの狂気に引きずり込もうとする巨悪・ブルーを止める一筋の希望、それが……レッド!勝者の歴史に牙を剥く大西部劇、クライマックス突入!

RED(19)

勝者の歴史に牙を剥く、反骨の崖っぷちウエスタン、大完結!血を流し、倒れ伏し、涙も枯れて……それでも望むものがある。憎悪、友情、虚無感、嫉妬、そして愛。様々な感情が心をえぐる、戦士たちの壮絶な最期……!大地を真紅に染め上げて、壮絶な夕日が今、沈む!!──時代の奔流に抗い、闘い続けた者たちの一大群像劇を、著者渾身の筆が描き切る。不屈の精神が心に残る、暗く熱い復讐譚、ついに終幕!