あらすじオグリ製菓vsアベノ引越社の試合。アベノには190cmを超える長身ウクライナ人ガリーナ・チーホノワ(チーボー)とアレクサンドラ・ポドゴルナヤ(ドラ)の二人がいた!!この圧倒的な高さの攻守を前に、手も足も出ないオグリの奇策とは…?
ヒラマツ・ミノルさんの作品は基本ギャグが多目のストーリーで安心して読めるんですが、時折挿入されるシリアスな描写の印象もまた、この作者の「真実」なんだろうなあと思います。 この「ヨリが跳ぶ」も、物語の8割くらいはギャグでコーティングされています。ただそのギャグというのは、懸命な生き方の人間が全力でぶつかる結果であり、小賢しい生き方とは無縁の痛快さがあります。 物語の中盤に、あるシリアスなシーンがあります。そこまでのギャグまみれの物語とは異なる、ある女性のラスト・ダンス。アスリートが死に場所を迎えた時に笑顔を浮かべて、それを観ている人間が納得出来るというのは、その物語の語り手の企みが成功したと言えるのではないかと思います。 全20巻というのはちょっと長いかもしれませんし、序盤と終盤で物語のテイストも多少変わってきます。とはいえ面白い作品ではあるので、もし良ければ。