「超高校級」の女子高生・大久保ヨリは、高校最後のインターハイ地区予選の決勝で敗退した後も、日本女子バレーの名門・国舞リップスに入団するためにバレーを続けていた。しかし国舞どころか、その他企業からの誘いも来ない日々にヨリの焦りは募るばかりで…。
武田先生の後輩・高崎のもと沢田(リカコ)や阿久津(アケミ)らと共に、オグリ製菓バレー部の一員としてヨリの新たな生活が始まった。そんな矢先、体育館のこけら落としに行われる試合の話が舞い込んできた。対戦相手は「国舞リップス」。因縁の相手に燃えるヨリだったが…。
ヨリの活躍によって国舞相手に善戦する第1セットだったが、セット終了間際、全日本のスーパーエース・梶容子(ヒロコ)の本気のスパイクで倒れてしまうヨリ。ヨリが抜けたオグリは国舞のBチーム相手にまったく歯が立たない!はやく目を覚ませ、ヨリ!!
全日本ユニバのセンター・観音寺忍(ユニバ)が加わり合宿に突入するオグリバレー部。しかし高崎監督は不安を抱いていた…。高崎はその不安を解消するため、リカコにある提案を持ちかけるのだが…。
「スーパーセンター」ヨリのデビュー戦、相手のノエル石油にはヨリの同級生・今井美津子(ミツコ)がいた。スーパーエース・ミツコと高いチームワークでまとまったノエルに苦戦するオグリ。このピンチを打開できるのは、ヨリのスパイクだけだ!!
ついに実業団リーグが開幕!!初戦の相手はアケミの因縁の相手・鳴海蘭が率いるモンテル・ジャパン。圧倒的人気の鳴海蘭への応援団による大声援に、いつものプレーができない…!!
鳴海ユリはヨリに対し、憧れにも似た感情を抱き、強く意識していた。その想いをぶつけるかのように何度もスパイクを打ち込むが、リカコとユニバの2枚ブロックをなかなか破ることが出来ない!!そんなユリに対し、ヨリは……。
フルセットの末にモンテルを下したオグリバレー部。その前に現れたのは次の相手で強豪の明和生命のメンバー、「日本女子バレー界の宝」(自称)の門野真理(かどのまり)。彼女はヨリに劣らぬ問題児だった……!そして、オグリvs明和生命の戦いが始まった!!
明和の選手兼監督・福沢花子(プクちゃん)の策により、ヨリのスパイクが封じられてしまった……!!ワケもわからず焦るばかりのヨリは、このピンチをどう切り抜けるのか――!?
オグリ製菓vsアベノ引越社の試合。アベノには190cmを超える長身ウクライナ人ガリーナ・チーホノワ(チーボー)とアレクサンドラ・ポドゴルナヤ(ドラ)の二人がいた!!この圧倒的な高さの攻守を前に、手も足も出ないオグリの奇策とは…?
元・全日本の藤木明日香は憧れのヒロコの一言によってどこの誰かも知らない「ヨリ」という選手を倒す約束をする。「ヨリ」の正体がわからないまま、明日香の所属する兼通レイニーズはオグリとの試合を迎えることになった!!
拾われても拾われても、また何度も全力で打ち込んでくるヨリのスパイクを受けているうちに、全身でバレーの楽しさを感じた明日香。オグリvs兼通の激闘についに終止符が…。
リカコを欠いたまま明和戦に挑むオグリ。リーグ戦初出場となる明和の「坊さんバレーボーラー」内藤ひかるの繰り出す必殺技の連続に、オグリは試合の流れをなかなか引き寄せることが出来ないのであった…。
モンテルvs兼通の2回戦。ヨリとの対戦からバレーの価値観が一変した明日香。バレーの全てが「簡単」な今の彼女に怖いものは無かった。このまま憧れのヒロコに近づけるはずだった…。
ついに始まったオグリvsモンテルのVリーグ昇格を懸けた決戦!!ユリにボールを集めるモンテルに対し、オグリもヨリにボールを集め、迎え撃つ!!ヨリとユリ、壮絶な「力」対「力」の戦い!!
Vリーグ昇格を決めたオグリバレー部に穏やかな日常が戻ってきた。ヨリとユニバも正式に入社し、さらにコーチとして高崎の大学の後輩・相原邦彦も加わり、オグリバレー部の新たな挑戦が始まる――!!
「怪物」ヒロコのいる国舞に勝つために、「ヒロコより速いスパイクを打てる男」藤崎裕二を打ち屋として招くべく、アケミ・相原・ヨリの三人は藤崎のもとを訪れる。しかし、こいつがとんでもない男だった…!!
新センターに元アメリカ代表のカトリーナ・マーシャルを加え、Vリーグ開幕が近づく中、オグリ製菓社内でバレー部のニックネーム募集が行われた。採用されたら賞金30万円と聞いたヨリは、さっそくあれこれ考えるのだが…。
橋口監督が日本全国から探し出した4人。橋口の考えで、日本の無能な指導者の手垢がつく前にと、中学生の時点でブラジルの知人に託す。17歳までそこで基礎を身につけさせた後、南米、ヨーロッパのクラブチームやプロリーグで実戦の力を磨かせた。ヒロコを核にした世界最強のチーム橋口構想のための4人だ。
すべてはヒロコに勝つために。ヒロコを超えるために。いつも全力で真っ直ぐなヨリが跳ぶ!!バレーボールと出会って、今の私がある!堂々完結!!
ヒラマツ・ミノルさんの作品は基本ギャグが多目のストーリーで安心して読めるんですが、時折挿入されるシリアスな描写の印象もまた、この作者の「真実」なんだろうなあと思います。 この「ヨリが跳ぶ」も、物語の8割くらいはギャグでコーティングされています。ただそのギャグというのは、懸命な生き方の人間が全力でぶつかる結果であり、小賢しい生き方とは無縁の痛快さがあります。 物語の中盤に、あるシリアスなシーンがあります。そこまでのギャグまみれの物語とは異なる、ある女性のラスト・ダンス。アスリートが死に場所を迎えた時に笑顔を浮かべて、それを観ている人間が納得出来るというのは、その物語の語り手の企みが成功したと言えるのではないかと思います。 全20巻というのはちょっと長いかもしれませんし、序盤と終盤で物語のテイストも多少変わってきます。とはいえ面白い作品ではあるので、もし良ければ。
ヒラマツ・ミノルさんの作品は基本ギャグが多目のストーリーで安心して読めるんですが、時折挿入されるシリアスな描写の印象もまた、この作者の「真実」なんだろうなあと思います。 この「ヨリが跳ぶ」も、物語の8割くらいはギャグでコーティングされています。ただそのギャグというのは、懸命な生き方の人間が全力でぶつかる結果であり、小賢しい生き方とは無縁の痛快さがあります。 物語の中盤に、あるシリアスなシーンがあります。そこまでのギャグまみれの物語とは異なる、ある女性のラスト・ダンス。アスリートが死に場所を迎えた時に笑顔を浮かべて、それを観ている人間が納得出来るというのは、その物語の語り手の企みが成功したと言えるのではないかと思います。 全20巻というのはちょっと長いかもしれませんし、序盤と終盤で物語のテイストも多少変わってきます。とはいえ面白い作品ではあるので、もし良ければ。