あらすじ

おべんとうの中身を悩んだ分だけ、久留里との家族の距離が縮まるのを実感していた温巳。だが、そんな温巳を動揺させる、久留里の父親の存在・温巳の留学話が急浮上。伝えたいのに伝えきれない家族への言葉や思いは、どこへ駆けてゆくのだろう。
高杉さん家(ち)のおべんとう 1巻

オーバードクターの温巳は、従妹で12歳の美少女、久留里を引き取る事になった。何事にも遠慮がちで自分を他人に開かない久留里と、何事にも要領の悪い温巳。ふたりは共同生活の中で、おべんとうを通じて心を通わせていく。バリエーション豊かなおべんとうのレシピと、不器用な30男と12歳少女と彼らを取り巻く人々のちょっとラブありコメディ!

高杉さん家(ち)のおべんとう 2巻

無事大学に職を得た温巳。そして最初は距離を置いていたはずの久留里が温巳に抱く恋心。大学の同僚になる小坂さんも温巳へのアタックを開始!?おべんとうを通じてそれぞれの気持ちを通い合わせ始める3人の思いの行方はどうなるのか?ますます絡まりあう複雑な気持ちが加速するハートフルおべんとうコメディ第2集登場!今回もクネクネさせます!

高杉さん家(ち)のおべんとう 3巻

どうにか大学に職を得た温巳と、少しずつ周囲に溶け込んできた久留里。ほのかな久留里の恋心をよそに、温巳は学会にフィールドワークに大忙し。そんな中、久留里の出生にまつわる重大な秘密に温巳は気付いてしまう…。はたして温巳はオトナとしての態度を取れるのか!?そして久留里の胸に秘めた想いの行方は?発売早々重版続々のハートフルおべんとうコメディ、待望と波乱の第3集です。

高杉さん家(ち)のおべんとう 4巻

久留里、今回はアリスのコスプレに挑戦!?友達との交流を深め、生徒会に挑戦したりと大躍進の久留里。親代わりの温巳はそんな久留里に安堵しつつ、同僚の小坂さんと距離を近づけるが、久留里の複雑な気持ちには気付かない…。いなり寿司の隠し味や池袋巡検と、大満足のハートフルおべんとうコメディ、待望の第4巻!!

高杉さん家(ち)のおべんとう 5巻

久留里の高校進学問題もなんとか解決…と思いきや、同級生の丸宮弟の進路や、温巳の就職問題、そして丸宮兄の卒業論文など、あらたな出発の春に向かってまだまだそれぞれに問題は抱えたまま。そんな中、ハルの思い人である小坂さんがついに一大決心。動乱の春が始まる!大人気おべんとうハートフルコメディ第5巻。

高杉さん家(ち)のおべんとう 6巻

高校生になった久留里は生活が一変。強制的に部活に入れられることになった久留里の選んだクラブは…!?そして温巳と小坂さんの仲にも変化が…。いつまでも同じではいられないから、いつまでも大事にしておきたいことがある。ちょっとラブ入りハートフルおべんとうコメディ!

高杉さん家(ち)のおべんとう 7巻

小坂さんとの別離を経て、へこむ温巳。高校生活を彼女なりに楽しみ、そして自立へと意識を向けていく久留里。いつまでも変わらないと思っていたふたりの関係も少しずつ変わろうとしている。そしてそんな中、温巳にチャンスが訪れる。その機会を運んできた意外な人物とは…!?

高杉さん家(ち)のおべんとう 8巻

久留里が温巳のもとへ来て4年。温巳に対してほのかな恋心を秘めつつも自立へと意識を向ける久留里に応えるかのように、研究者として保護者として着実に成長する温巳。しかし、2人の関係を揺るがす決断に迫られる。

高杉さん家(ち)のおべんとう 9巻

おべんとうの中身を悩んだ分だけ、久留里との家族の距離が縮まるのを実感していた温巳。だが、そんな温巳を動揺させる、久留里の父親の存在・温巳の留学話が急浮上。伝えたいのに伝えきれない家族への言葉や思いは、どこへ駆けてゆくのだろう。

高杉さん家(ち)のおべんとう 10巻

三十路の温巳と19歳下のいとこ・久留里がお弁当をとおして家族になる物語がついに完結!! 淡い恋心を告白した久留里に対する温巳の返事とは…?

高杉さん家のおべんとう メモリアル

『高杉さん家のおべんとう』シリーズ完結記念、メモリアル公式ファンブック登場!! 大量の描きおろしエピソードに加え、シリーズを振り返る久留里のカラーイラストをオールカラーで完全収録した愛蔵本!!

高杉さん家(ち)のおべんとう

おべんとうと家族のできたことやできること

高杉さん家(ち)のおべんとう 柳原望
名無し

かなり特殊な境遇の年の差の男女が 主にお弁当を通じて互いの気持ちを確認し成長し、 家族が出来ていく物語。 高杉温巳・31歳。地理学の研究者で独身。 突然の叔母の死で、姪っ子の保護者になり共同生活をする事に。 それまで存在すらはっきり知らなかった姪っ子、 高杉久留里・12歳。中学生の美少女。 学者バカ気味な温巳と、 無口で趣味が食品スーパーの特売品ゲット、の久留里。 どちらもややコミュ症気味。 「家族なんて無理かも」と思い悩む温巳に、 久留里が初めて作って持たせてくれた弁当は・・ この漫画の面白い点の一つに、 温巳のいかにも研究者なキャラがある。 お弁当漫画だが、料理研究者ではない。 地理学の研究者。 なので久留里の気持ちに配慮しようとしたり、 お弁当のレシピを考えたりする、 その思考方法がいかにも研究者的。 だが料理ではなく地理学の研究者なので、 さらに女心にはそうとうに鈍感なので、 なんだか分析や結論が正しいような間違っているような(笑)。 ときに論理的過ぎて感情が欠けていると感じそうなその思考が、 実は純粋な家族愛から生まれているのも、なんとも独特。 そしてその家族愛もお弁当作りの日々を経て、 少しづつだが色々な成長や変化が生じてくる。 久留里は久留里で、セールとか特売とかへの執着心は ケチといわざるをえないレベルではある。 だが、それは自分への厳しさであり、それが 自分を抑える性格にならざるを得ない育ちに由来することが 徐々にわかってくる。 そして二人は少しづつ互いを理解し、家族になっていく。 家族が出来たからお弁当を作ったような、 お弁当を作ったから家族が出来たような、 ハートフルなお弁当漫画。

高杉さん家(ち)のおべんとう

少女と博士の食卓風土記

高杉さん家(ち)のおべんとう 柳原望
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

母・美哉を亡くした久留里と、彼女を預かる美哉の甥・温巳。彼はかつて美哉に「捨てられた」過去があった……美哉の共通の思い出を「食」に見出しながら、毎日の弁当と食卓を積み重ねて家族になろうとする、二人の日々の営みの物語。 ----- 研究者として職を探す高杉温巳。彼の専攻は「地理学」である。 近代地理学の祖・フンボルトを引き合いに出しつつ温巳は、久留里と美哉を「全部見る」事で、二人ときちんと向き合おうとする。 それはかつて、家族として家事をしてくれていた美哉に甘え、酷い態度を取ってしまった後悔からだった。温巳の頑張りは空回りするが、久留里は彼を信頼し、二人は少しずつ、家族になっていく。 そんな日々を描く本作は、登場人物の姿勢を超えて、作品そのものが、フンボルト的「全部見る」方法論で描かれている。 この作品では ●久留里と美哉と温巳の家族物語 ●久留里の学校、友人、恋愛事情 ●温巳の属するアカデミズム界隈 ●中部地方の地理学的案内 ●高杉家の食卓→弁当のレシピ と、盛り沢山の内容を、有機的に関連させつつ纏めており、一話の内容はかなり濃い。 ほんの六年間でも、毎日の事象を結び付けつつ積み上げる事で、温巳と久留里の絆は、次第に確かなものとして描き出され、読む側は思い入れを増してゆく。 (美少女とひとつ屋根の下的な)ファンタジーなあらすじからは想像のつかない、細やかさと温もりのある「記述」の積み重ねに、強くこころを動かされる、そんな作品。 地理好き、中部地方好き、昆虫食好き、弁当や日常の食卓にアイデアが欲しい等、様々な興味からこの作品に触れて欲しい。