あらすじ

悩みを深める若女将が、夜中に酒を飲んでいるのを見て、見習いの乙部が蒼太に相談する。さつきを元気づけ、やる気を取り戻させることはできないだろうか。以前は旭山動物園の飼育係で、学生時代は生物部だった乙部は、さつきを蒼太に誘い出してもらい、サプライズの演出を計画する。それはなんと、隅田川の川辺に、ホタルの光を現出させることだった…!!
銀座・板前修業日記 蒼太の包丁 1巻

料理には人生を変える力がある――。北丘蒼太(きたおかそうた)、20歳。銀座の名店“富み久”で、厳しいけれど情に厚い親方のもと、板前目指して奮闘中。いつの日か、人の心に届く料理を作るために……。そんなある日、高校の同級生・加賀美がアルマーニのスーツに身を固め“富み久”を訪れる。ブランド品を輸入する会社を立ち上げ成功し、追加出資を申し出た久米社長の接待に使いたいと言うのだが……。

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(2)

銀座の名店“富み久”で修行中の北丘蒼太。親方や先輩、後輩との関わりの中で時には衝突しながらも、料理人として大事な「技」、そして「心」を身につけて行く。追い回し(板前見習い)から、焼き方に出世した青柳は、念願の焼き方になったことと初めて客に出す料理を作ることもあり、気合いが空回りしてしまう。“このまま見ていては、板場全体が噛み合わなくなる”そう判断した親方・富田久五郎は一計を案じるが……。板前は、ひと皿の料理に命を懸ける!!

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(3)

一人前の板前を目指し、厳しい修行に明け暮れる北丘蒼太。そんなある日、同じ追い回し(板前見習い)として、苦労を共にした先輩・青柳に引き抜きの話が持ち上がる。はたして兄弟子は“富み久”を去ってしまうのか!?複雑な心境の蒼太だが……。青柳の動向を描いた「旅立ちの日」の他、蒼太にとって終世のライバルとなる花ノ井清一の登場エピソード「西から来た天才」など10編を収録。

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(4)

技を身に付け心を磨く、包丁修行に終わりなし!!板前を目指す北岡蒼太は、銀座の名店“富み久”で数多くの人と出会い、和食の奥深さを学んでいく。和食のノウハウを金を出してでも知りたいという人間に情報を売って稼ごうとした男・魚見は、蒼太に祖父が癌で余命いくばくもない、という話をし、“富み久”の味の秘訣を盗もうとする。コツや秘訣は店の財産であることを脇板である山村から聞かされた蒼太は、悩んだ末に魚見に何かを告げる。

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(5)

包丁ひとつで素材の力を引き出す━━それが“和”の料理人。厳しい修行のなかで、着実に板前への階段を登る北岡蒼太。刺身を引けるようになったら一人前。その日を目指して、代用品のカマボコやコンニャクで練習する。そして、ついに蒼太は“富み久”に修行に出る前に父から贈られた柳刃包丁を手に、マグロの赤身を引くことに挑戦するが……。親方のひとり娘・富田さつきへの恋心と修行の身である自分との葛藤を描きこんだ、若き料理人の瑞々しい青春模様!!

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(6)

北丘蒼太を慕って、幼馴染みの吉屋純子が北海道から上京してきた。“富み久”で仲居として働き始めたが、仕事に不慣れなため失敗の連続。常連客の近藤が忘れていった携帯電話に気づきながら、用事が立て込んでいたこともあって、そのまま物入れの陰に置いてしまっていたのだ。「接客サービスは女将の責任」と、近藤への携帯の返却を買って出る“富み久”の女将・富田キクヨ。純子も同行を志願し、その帰りにキクヨからあんみつをご馳走になる。が、あんみつが苦手な純子は……?

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(7)

マスコミで“若き天才”と、もてはやされる料理人・月野洋次郎が“富み久”を訪れた。月野に焼き物と天ぷらを出した蒼太はその感想を月野に聞くが、月野の回答は素っ気ないものだった。月野のことが気になる蒼太は、数日後、月野が花板を務める“つき野”を訪ねる。自分の作った料理の味が気になる蒼太は、どうしても再び会って話がしたいと思い、彼の自宅を訪れるが……。悩み、もがきながらも料理の世界で生きていこうとする若者達の青春グラフィティ!!

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(8)

蒼太の先輩・青柳のところに、結婚を控えた女友達が訪ねてきた。料理を習いたいという彼女に青柳は「ブリ鍋」を伝授しようとするが、なぜか上手くいかない。はたして、その理由とは……?“富み久”の親方・富田久五郎が包丁を置く日の出来事を綴った「新しい朝」の他、「温かいカツオのタタキ」をめぐる「黒潮の贈り物」など10編を収録。和食の世界で板前を目指し、修行に励む若者達!!

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(9)

「温かいカツオのタタキ」「トロより美味なマグロの部位」――。日々の仕事の中で、常識を覆す和食の奥深さに触れる北丘蒼太。しかし、それは同時に職人として、やりたいことと出来ることの違いを知ることでもあった。一方、思いを寄せる親方のひとり娘・富田さつきとの関係は……。夢に向かって己の道を切り拓いていく若者達の修行の日々!!

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(10)

厳しい修行の中、着実に板前への階段を踏む北丘蒼太。ところが、父の口から思いも寄らない話を聞かされる。それは、実家の料亭“きたおか”を売却する――というものだった!!この話を聞いた“富み久”の常連客・実日堂が、“きたおか”を支援してくれる可能性のある若宮グループを紹介してくれ、若宮の経営陣に料理を振る舞うことになるが……。

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(11)

“富み久”の板場を引退し、花板を山村に継いだ富田久五郎。その気持ちを察し、女将を継ぎたいと思っている富田キクヨは、休日、吉屋純子を芝居に誘い、その胸の内を告げる。そんなキクヨの気持ちを知ってか知らずか、サンデー法律事務所のアルバイトとして世の中のいろいろな人と出会うようになり、“富み久”があらゆる人から賞賛されていることを知り、家業の重みを再確認した富田さつき。久五郎の元に届いたマツタケを食べる内輪の席で、その決心を“富み久”の面々に告げる。

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(12)

吉屋純子の弟・健太郎が上京して来たのは、姉を北海道へ連れ戻すためだった。「仲居の仕事なんて、タダのお運びじゃないですか」――。そう主張する健太郎に、富田さつきは“富み久”の仕事を一度、手伝ってみるよう提案するが……。そして、母であり“富み久”の女将であるキクヨと娘・さつきのギクシャクした関係は改善されないまま年を越し、“富み久”は新年を迎える。

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(13)

助っ人として日本橋の老舗料亭“神かわ”へやってきた北丘蒼太。そこでは、三代目になるはずだった親方の息子・章介が交通事故に遭ったときの後遺症から料理人になる道を断念していた。“神かわ”のご意見番である桜田から、経営は章介に、料理は蒼太にと“神かわ”の存続についての話を聞かされる。ちょうどその頃、かつて“神かわ”で修行した松浦が戻ってきて後継者候補を名乗りでるが……。

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(14)

ついに煮方としての仕事を任され始めた蒼太。しかし、親方と山村が出した課題「タイのアラ炊き」は、蒼太に“煮る”ということの難しさを改めて認識させるものだった。コツやセオリーの通じない修行の前に、蒼太は何を感じ、何を思うか!?

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(15)

追い回しとして精進を続ける須貝に、雑誌やテレビでよく取り上げられる嵐田伸一から、スカウトの話が持ち上がる。腕を余している須貝を、嵐田が見抜き、嵐田のもとでより実戦的な修行をさせてみては、と言うのだ。仕事が認められてうれしい反面、純子に対する想いから“富み久”を離れたくないと悩む須貝だが……。また、板前修業に入るにあたって“もう親でも子でもない”と親子の縁を切られた“富み久”の花板・山村が、父親との和解を果たす感動のエピソード「父子邂逅」を含む10編を収録。

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(16)

素朴で傷つきやすい吉屋純子は、北丘蒼太への想いに胸を焦がす。そんな颯太に、“神かわ”から“富み久”へ移ってきた料理人・赤瀬雅美も淡い感情を抱いていた。しかし、蒼太の心は、そんな二人ではなく富田さつきに向いていて……。はたして揺れ動く女心に、蒼太はどう応えるのだろうか?

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(17)

結婚し、いきなり一児の父親となった青柳は、“団地デビュー”に失敗し、早速、ほかの親子と問題を起こしてしまう。名誉挽回に妻・ゆかりが、マンションの春祭りの催しものに、食べ物の屋台を出したいが苦労しているという話を聞き、ヤキトリ作りの責任者になることを勧めるが……。そして、蒼太の元には北海道から父・北丘謙三が突然上京してくる!!

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(18)

たったひとりの家族、父・北丘謙三が危篤に……!!しかし、その時、蒼太には人生を賭けた大仕事が待っていた。アメリカ・ナイト国務長官の来日に合わせ、敷島寛二郎代議士が箱根のホテル「燦日館」に料理人を集めて、和食づくしで接待する。その席に、蒼太も料理人の一人として呼ばれたのだった。果たして蒼太は家族を取るのか、仕事を取るのか!?

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(19)

東都ジャガーズの投手・池本は、北丘蒼太(きたおか・そうた)の包丁さばきに感心し、スランプ脱出のために包丁使いを教えてほしいと願い出る。しかし、蒼太はその願いを断って……。そんななか、“富み久”の若女将・富田さつき(とみた・さつき)の元に持ち込まれたのは、降ってわいたような縁談話。“富み久”の将来を考えれば避けて通れない問題だが、密かに想いを寄せる蒼太は気が気でない。そんな様子を見かねた花ノ井清一が一計を案じる。蒼太はさつきの元へ向かうが……。揺れるさつきの心に蒼太はどう応える!?

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(20)

その男は、北丘蒼太(きたおか・そうた)の何かを確かめるためにやって来た……!!12月に入り、忙しさを増した「富み久」へ、閉店間際にふらりとやって来た男、勝俣育夫(かつまた・いくお)。蒼太の亡き父・北丘謙三(きたおか・けんぞう)のおとうと弟子だった勝俣は、亡くなる少し前に会いに来た謙三から、ある大切な約束を託されていたのだった。今、一番おいしい素材を使って渾身の料理を作り上げた蒼太に対して、それを食べた勝俣が言った言葉は……!?一方、嵐田軍団に入った須貝宏哉(すがい・ひろや)も新たな試練に立ち向かっていた。一人前の料理人を目指す板前達の青春群像!!

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(21)

「僕は北海道料理を東京に伝えたいんじゃない」――。『富み久』で一人前の料理人を目指す北丘蒼太(きたおか・そうた)は、急な献立変更などの窮地を地元・北海道で覚えた料理で救われてきた。しかし、お客様の記憶に残るのはその料理だけで、他にどんな料理を作っても霞んでしまう…。思い悩む蒼太はある決意をして故郷へ旅立つのだが……!?一方、食通の作家・福岡(ふくおか)に酷評された雅美(まさみ)と、娘・真由(まゆ)の様子がおかしい事を気に病んでいる青柳(あおやぎ)は、そろって元気がなく……!?

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(22)

一人前の料理人を目指す北丘蒼太(きたおか・そうた)は、名店『富み久』で修行中。期せずして知ってしまった親方・富田久五郎(とみた・きゅうごろう)の本心は、蒼太にとって思いもよらない「現実」だった……!!さらに、蒼太のライバル花ノ井清一(はなのい・せいいち)から久五郎に仰天の申し入れが……!?

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(23)

花ノ井の店に、板前として来てほしいと誘われ、迷う蒼太。故郷にも戻り、いろいろな人に相談してみるのだが…はたして彼の下した結論は!?一方、実家の問題から、花板の山村が『富み久』を去る可能性が出てきた!波乱万丈の季節が訪れるのか!!

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(24)

フグの調理師免許試験を、須貝と一緒に受けることになった蒼太。親方に「失敗があったら何が起こるかわかってるのか」と言われ、蒼太は「二度目はないつもり」と大見得を切ってしまうが…?一方、一足早く自分の店を開業した花ノ井にも試練が!!

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(25)

料亭にとっては、かき入れどきの年末に、神楽坂の『花ノ井』へ助(すけ)に行くよう、親方から命じられた蒼太。『富み久』での自分の存在に、疑問が芽生える蒼太だったが…。そして、激戦区・神楽坂で奮闘する花ノ井の店は、どうなってゆくのか…!?

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(26)

神楽坂の『花ノ井』に、不自然な時期に「助」として入った理由を富田の親方から聞かされた蒼太。動揺、そして葛藤。しかし、立ち止まってはいられない!故郷の北海道へ飛び、魚が溢れる海に潜り、人の情けの温かさに泣き…目が離せない料理人伝説!

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(27)

北海道から蒼太が戻り、神楽坂の『花ノ井』が、いよいよ「一握会」の来訪を受ける日が来た。一世一代の料理に、カリスマ美食集団の評価は!?そして、『花ノ井』での助を終えた蒼太は、『富み久』に戻ってくるのだが…。親方の富田はどう応える?

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(28)

常連の御意見番・実日堂とともに、『富み久』を訪れた初老の客。しかし、その男性は…?『富み久』開店時の秘話、そして現在直面している大きな問題が、明らかになる!蒼太、さつきたちをめぐる運命の歯車が、いま大きく動き出そうとしていた…!!

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(29)

近辺一帯に、再開発の話が持ち上がった『富み久』。蒼太は…?さつきは…?雅美は…?青柳は…?そして、親方の決意は…?それぞれの想いが、未来へとつながってゆく!!がんばる人を応援したい、涙と汗と、そして笑顔の人情料理漫画!!

銀座・板前修業日記 蒼太の包丁(30)

『富み久』の周辺再開発で、親方・久五郎が出した結論、それは…!?板長となった蒼太は、住み慣れた部屋から、新居へと引っ越す。そこで会った、妙に面白いオバちゃんは、自分で立ち呑み屋をやっていた!新たな出逢いと別れ…新展開の第30巻!!