大きくなったら女の子(読切)

大きくなったら女の子、小さいままなら男の子 #読切応援

大きくなったら女の子(読切) 御厨稔
名無し

タイトルってそういう意味か!とわりと序盤で分かります。 ジャンルは本当に分からないんですが、身体の成長や変化を怖がる一人の人間と、誰とでもヤル大らかな子のSFヒューマンドラマでしょうか。 単純な男女逆転でもなく、女性の見た目で性の役割が身体の大きさで分化したような、我々とは違う人類の全く新しい生殖の概念を突きつけてくる話で頭クラクラしました! これをこっちの立場の人間が言うのか、というような男女あるあるもあったりしてまた混乱して面白いです! https://comic-days.com/episode/3269754496472136685 人はまず「男」として生まれてきて、思春期を経て集団の中で体が大きい1割が「女」になるという世界観。 体が大きい方が子供を産むのに適しているから、というもっともな理論。 この話で出てくる「雄性先熟」の人類ってクマノミの生態なんですね。 すごい思考実験感あって面白いし、この話を読んだときに自分がどこに違和感や気持ち悪さを感じたり、共感できるかが炙り出されてきて、凝り固まったジェンダーバイアスをほぐしてくれそうだなって思いました。 そういう社会に波紋を投じるようなジェンダーに対する意図がどの程度あるのかは分かりませんが、少なくともその混乱を楽しんでほしいという意図はあったようです。 https://twitter.com/mikuriyaminoru/status/1438314019442479106?s=20 いろいろと考えさせられて単純に面白かったのと、すごい、という感想になりました。

私の黄泉黄泉最短ルート

モーニングの月例賞のレベルの高さを見よ! #読切応援

私の黄泉黄泉最短ルート にことがめ
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

超よかったっす!!! なんで佳作?もっと高い賞あげてもよかったのでは?と思ってしまいますが、雑誌編集部なりの方向性や判断基準があるんだろうな、というところで。 https://comic-days.com/episode/3269754496432828231 寝坊した女子高生のまどかが、大急ぎで学校へ向かうがその方法が…!? 不思議な と、なんともあらすじをネタバレせずに上手く言語化して語れないような内容になってます。 一部ショッキングな内容も含まれてるかも? そこが!とにかく!すごいところでもあるのです! 目の前に分からないものが次々に差し出されたとき、人間ってなかなか飲み込めなくてその場で考えて止まってしまったり、読むのをやめてしまう人もいるかと思うんですけど、ですけど!するするっと読まされてしまうというか、分からないけど感覚で分かるような気がするというか、取り急ぎ一度読んでみてほしいです。 なんとなく言いたいことは分かるかと。 とりあえず言いたいのは、お母さんグッジョブです! いろんな意味で読み終わったらあともう一度読みたくなります。 そのとき、あー!ここで!という部分と依然として分からない何かに包まれたものがあったりなかったり。 でも、その分からなさが心地よいんですよね。妙に腑に落ちるという。 全部分からなきゃいけないわけじゃないんです。 にことがめ先生、超期待の方なので過去作で読める『天使の研修期間』も読むのオススメしておきます! https://tonarinoyj.jp/episode/3269754496427567251

エッグベネディクト

やさしさと笑いでほっこり癒されました #読切応援

エッグベネディクト 都会
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

可愛らしいキャラたちの優しさにあふれる言動やふふっと笑ってしまう状況にほっこり愛おしい気持ちになった読切です。 オチもよかったです! 朝、学校に行ってない少女のもとへ同級生の男子がやってきて、今日の給食が「エッグベネディクト」であることを告げ、登校していきます。 そこから「エッグベネディクト」を知らない少女は、それは一体どういうものだろうと考え、お母さんに聞いたり、辞書で調べたりして、空想を膨らませ…。 『なかよし×コミチショート漫画大賞』大賞作品に輝いた都会先生の『エッグベネディクト』はこちらから読めます。 https://comici.jp/articles/o/50328/ こんな賞があったことを知らなかったです。 https://comici.jp/articles/amp/56336/ これを読んだとき、実は自分自身も「エッグベネディクト」の名称は知ってるけど、食べたことないのでいまいちどういうものなのか分からない状態で読んでいたので、主人公の気持ちに非常に近いところから読んで一緒に楽しむことができました。 なんか、卵を使ったおしゃれな料理でしょ?っていう。 一緒に考えてたんですが、それでもやっぱり小学生の自由さには適わないなって気持ちになりましたし、笑っちゃいました! お母さんもいいし、友達もいいし、大好きな漫画になりました。 この漫画の読者層のターゲットって「なかよし」の賞なので小中学生の女子だと思うんですが、見事に目線をそこに合わせてて言葉選びとかのちょうどよさもすごいなって思いました。 「不登校」とか「引きこもり」っていう言葉を使っていないのが本当にありがたいなって思いました。 都会先生本人の様々な経験があってこそなんでしょうね。 いろいろあって学校に行ってないことってそこそこ重要なことだと思うんですけど、冒頭でさらっと触れてからは特に重く描いてないのがいいんですよね。 登場人物の誰もがそれを特別なこと、いけないこととして扱ってない。 同級生の少年もただ学校に来てほしいなってやさしさだけ。 ほんとやさしいなー。癒されました。 そしてそのやさしさの中に異様な姿で浮かぶ「エッグベネディクト」の図ですよね。最高でした。 こういうやさしさの中に少しの毒や異物感みたいなものがあると際立って面白いので大好きです。 全体的にいつなのか年代の分からなさもいいなーって思いました。 これで連載してほしい。