青木雄二物語

デザイン会社経営とマルクス主義

青木雄二物語
hysysk
hysysk
1年以上前

『ナニワ金融道』の名前はもちろん知っていたが、基本的にお洒落なマンガしか読まない私は完全にスルーしていた。 ある時誰かのツイートで、青木先生がデザイン会社を営んでいて、書体の指定について話をしているコマを見て、「これ読まなあかんやつやん!」となって読んだのだが、めちゃくちゃ面白く、強烈な思想が反映されていて背筋が伸びる作品だった。 仕事に対する姿勢、資本主義に対する態度、逆境での振る舞いなど、ここまでやれるし(やりたくないけど)泥臭くやり抜こうとする人間を決して人は見放さない。世の中の理不尽なルールに対して、そのルールで戦って勝った上で物申せるのは本当にかっこいい。 私も自分の会社がどうにかなってしまったら資本論を読んでマンガを描こうと思います。

LEGEND HOLE

伝説のTENGAを求めて…

LEGEND HOLE
名無し
1年以上前

イカれた読切載ってると思ったらマジでTENGAとのコラボ企画だったんですね。 https://yj40comicaward.jp/40/pub/ TENGAに選ばれしものTENGAマスターがTENGAへの愛を具現化した像でバトルして伝説のTENGA「レジェンドホール」のパーツを奪い合う戦いが開催されているみたいです。人生で一番TENGAって入力しました。 主人公の変田くんのブレないスタンスや力に目覚める展開はかなりアツいです。TENGAでなければコロコロコミックとかに載ってても違和感なさそう。でもTENGA大賞なのでこれでいいんですよね。 ちなみにレジェンドホールのパーツはごく稀にパッケージに混入してるらしいです(不良品では?)。

青い花

恋の舞台裏は、みっともない。

青い花
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
4ヶ月前

『青い花』の中で一番印象的な人、と問われると、私は実のところ、主人公の奥平あきら(あーちゃん)や幼馴染の万城目ふみ(ふみちゃん)よりも、ふみちゃんの先輩の杉本恭己を思ってしまう。 杉本先輩は所謂「王子様」。あらゆる女子の好意を一身に浴びる彼女は、ひと時ふみちゃんと付き合うものの、すぐに破局する。 彼女を印象付けるのは、完璧な仮面の裏に潜ませた、どうしようもなく幼い片想い。そのみっともなさは、美しい外面と落差がありすぎる……まるで派手な舞台と、その舞台裏の埃臭さのような。 舞台裏は暴かれてしまえば、表の煌びやかさを失わせる。しかしそれを観る事もまた、興味深い。舞台裏の必死さとツギハギな工夫、人間ドラマは、飾った美しさとはまた別な良さがある。 ◉◉◉◉◉ 演劇部の活動を通じて、しっかり者だがどこか幼いあーちゃんは、裏方からメインキャスト、部長として大きく成長し、幼さを捨てて変貌していく。一方ふみちゃんは、自分を振った先輩を叱り、あーちゃんに対する恋心から逃げないと覚悟する強さを得る。 しかしそんな二人の裏には、やはり美しくない物が隠される。 成長したあーちゃんだが依然恋心が分からず、それでもふみちゃんを傷つけたくなくて付き合う事に苦しむ。そしてふみちゃんは、この恋で傷ついてもいいと思いながら、いざ傷つくと泣いて執着する。 真摯で優しい二人の物語だが、決して美しい所ばかりでは無い。こうありたいと願う美しさの裏に、ままならなさと必死さを隠して、それはある時、ふと見えてしまう。しかしそんな彼女達の覚束なさを見る時、私は演劇公演の舞台裏を覗く様にドキドキし、剥き出しの心に同調する。うん、そういうこともあるよね、と。 心は不可解で、美しいのにみっともない。そう『青い花』は繰り返し描く。私はそんな美しさもみっともなさも、どうしようもなく好きなので、何度でも『青い花』を手にするのだ。

DEATH NOTE 特別読切

【話題】デスノ14年半ぶり新刊『DEATH NOTE短編集』が2月4日発売!!

DEATH NOTE 特別読切
名無し
1年以上前

短編集は、2008年以来約12年ぶりとなる新作として「ジャンプSQ.(スクエア)」(同)2020年3月号に掲載され話題となった“日本一頭のいい”中学生・田中実の物語「aキラ編」のほか、2003~20年に発表された読み切り、人気キャラクター・Lの短編、4コママンガなどが収録される。価格は540円(税抜き)。 https://mantan-web.jp/article/20210127dog00m200014000c.html

トリリオンゲーム

最強タッグが描く最強の2人

トリリオンゲーム
六文銭
六文銭
1年以上前

端的に言ってすごく好きです。 GAFAに代表される世界的IT企業(それに付随する大金持ちの創始者)は米国ばかりですが、日本でもやれるんだ!という夢と希望がつまってます。 池上遼一が描くとんでも主人公好きなんですよね。 これと、「Dr.STONE」「アイシールド21」の原作稲垣理一郎の予測のつかない展開があわさって、 疾走感あり、ド派手な描写ありで、読んでいて気持ちいいです。 また、生き馬の目を抜くIT業界の速度とマッチしてていいですね。 まだ、話数少ないのですが、経済・政治・業界などがからみ、大人の極上エンタメとしておすすめしたい作品です。

生きやすい

アドバイスはしてくれない

生きやすい
ポコニャン
ポコニャン
9日前

これ読んで気が楽になる人もいると思いますけど、生きづらさを抱える作者がだんだん生きやすくなっていく様子を描いているわけではないですし、読者にむかってなにかアドバイスをしてくれるわけでもないです。「生きづらい」ってひとことで言っても内容は人によって違いますからね。とりあえず1巻だけ読みましたけど、私は共感できないものばかりでした。でもその分、「私も!」って思うところでは心のなかで首がもげるほど頷いた。 なのでこの記事にある、「手本」ではなく「サンプル」にして、って言葉はかなり腑に落ちます。 https://withnews.jp/article/f0201016001qq000000000000000W0bx11001qq000021935A でももしかすると、過去作読んでからのほうが良かったかもしれない。この方がどういう家庭で育ってきたかとか、知った上で読むとまた受け取り方が変わるんじゃないかと思う。 だけど「酔うと化け物になる父がつらい」ってタイトルがもうつらすぎて読めないんだよ…………。

だから死ぬ気で旅に出た

「運び屋」片岡恭子の話

だから死ぬ気で旅に出た
名無し
1年以上前

タイトルから自殺志願者の旅行エッセイ漫画かな?と思いあらすじを読んだらまさかの運び屋の話でなんだそりゃと購入。読んでみたら予想外の内容で面白かった。 ・運び屋(ハンドキャリー)とは、製造業者の部品などを貨物ではなく一般旅客の荷物として運ぶバイク便的な仕事 ・マイレージは200万でイモトと同じプレミア1Kカードを持っている ・スペインの路上で首締め強盗に遭い失神して失禁 いかにもエッセイ漫画ですっていう可愛らしいシンプルな絵柄で描かれてるのが違和感あるほど内容がハード…。かわぐちかいじに作画してほしい。 エッセイ漫画っぽいのに三人称の表現が多くて何でだろうと思ったら作画担当と主人公(原作者)が別だった。 単話で1話を読んでこの片岡さんのことが気になってTwitter見たけどすごく苦手な感じで後悔……著者の人格と著作物は別物とはわかってるけど…やめときゃ良かった。 単行本になる頃に覚えてたら買って読もうかな。

狂人関係

諸行無常の響きあり

狂人関係
野愛
野愛
1年以上前

天才浮世絵師・葛飾北斎という圧倒的な存在を軸に、弟子・捨八や娘・お栄らの生活を描いた作品。 捨八と彼を取り巻く女達の姿が艶っぽく、移ろいゆく四季と相まって心を掻き乱されるのです。 捨八への想いを内に秘めたまま彼を見守るお栄と、派手好きで大胆なお七、正反対のような女2人がなんとも魅力的。 どちらも激しくて悲しくて、どうしようもないくらいに「女」として描かれています。 個人的に一番感嘆したのはお栄の手の描写です。冬は北斎や捨八の世話を焼く手があかぎれだらけになり、だんだん暖かくなるにつれてもとの白い手に戻っていく。綺麗になった頃にはまた厳しい冬がやってくる。 季節の移り変わりとともに、お栄という女の強さと儚さがこの描写に凝縮されているように思います。 手が綺麗になっても、男と女が関係を持っても、浮世絵が完成しても、終わりに向かっているだけである。失われていくだけである。 激情に満ちていながらも、根底に流れる諦念のようなものが美しく儚い作品でした。純文学に出会えました。 決して理想的ではないけれど捨八に惹かれてしまうのは女の性だし女の業ですね。狂おしいほど好きです、捨八。

若ハゲの絶望

幸せになってほしい

若ハゲの絶望
名無し
1年以上前

絵柄で「あ、この人青野くんの人だ!」とわかりました!しかも扉絵のパターン一緒w もう絶対に幸せになってもらわないと困るカップル。前作同様、魅力的な女子を描くのが上手い方だなと思いました。りんごちゃんを傷つけるやつは何人たりとも許さねぇって感じです。主人公もりんごちゃんを好きな気持ちとプライドを保ちたい気持ちがぐちゃぐちゃになってるのが見てて切なくて笑えました。

櫻の園

女の国、男は頭上を舞うばかり。

櫻の園
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前

桜が覆う丘の上の女子高では、桜舞う頃、演劇部がチェーホフの『櫻の園』を上演するのが習わし。部員達は練習に励みながら、それぞれの恋の季節を過ごす。そんな青春模様を描いた四編のオムニバス。 ◉◉◉◉◉ 女子校に通う彼女達だが、お付き合いするのは周囲の高校の男子。描かれる恋は多様だ。 彼氏と体を重ねる事を躊躇う子も、彼氏を放って悪い遊び方をする子も、大切な人に何かを教わり、友達と会話を重ねながら、自分の心と体を大切にする事を覚えていく。心の解放に向かう様子に安堵する。 百合読者としては、後半の二編が気になるところ。自分の中の〈女性〉と折り合いをつけられない二人の女子は、片や男性らしさを身に纏いながら男性に恋し、片や男性を嫌悪しつつその女子に恋する。 二人は最後、互いの気持ちを知りながら、ただ分かり合い、慰め合う。そんな様子を見ていると、女性同士というのは恋をする以前に「分り合う」関係性なのだ、と思い知らされる。そういう意味では、実はこの作品は最初から最後まで〈百合〉的だ。 桜の精って男なんだって……という台詞(p113)とその前後の「男の気持ち悪さ」の遣り取りを読むと、どんなに愛し合い番ったとしても、男は女を解れないのだから、せめて彼女達の冠として咲いてろよ、という気持ちになる、男の私でさえ。

花と星

ケンカ百合、いつ卓球する?

花と星
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前

卓球の有望選手だった花井さんは、中学時代ずっと勝てなかった相手を気に病んで、卓球を辞めてしまう。高校では違うことをするつもりだったのに、入学初日にその因縁の相手、星野さんと出会ってしまう。星野さんもまた、卓球を辞めていた。 ★★★ ムッツリ何を考えているか分からない星野さんに、強く突っかかる花井さん、そこに星野さんの幼馴染を挟む物語。基本花井さんと星野さんがアホなので、何処かおかしな展開とエキセントリックな雰囲気になる。 それでも花井さんの劣等感、表現下手な星野さんのもどかしさにジリジリする。 さらに初めての感情に戸惑う花井さんと、恋愛上手に見えて心が御せない星野さんの幼馴染が衝突する、幾つかのシーンが胸にくる。 長年抱えたライバルへの想いと、そこから始まる激しい感情が、とにかくエモいとしか言えない。ようやく最後、二人が卓球台を挟んで対峙するシーンを、見逃すな! (卓球漫画としての専門性はあまりないので、そこには期待しないで、ケンカ百合の極地を目撃せよ!)

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