いよっおみっちゃん

うまずい!

いよっおみっちゃん
ひさぴよ
ひさぴよ
9ヶ月前

粋な女剣士おみっちゃんの時代活劇。 山田芳裕先生の作品には、必ずと言っていいほど、大柄でパワフルな女性が登場しますが、女主人公はこの作品だけではないでしょうか。 話自体は用心棒のようなストーリー構造で、対立するそれぞれの陣営にいろんなタイプの侠客が登場し、愛しいと思いながら殺し合う。その男がイイ男かどうかはおみっちゃんの考える「うまずい」という価値観を通して描かれます。この考えは山田先生の作品に共通する考え方ですね。 「あずみ」や「斬り介とジョニー四百九十九人斬り」のような一対多の戦いが好きな方は、序盤の見せ場である左文字一家との対決シーンは必見です。

…青春中!

うまくいかない!それが、青春だ

…青春中!
nyae
nyae
1年以上前

栗原まもる作品の中ではたぶん群を抜いてギャグが強くて下ネタが多いですが、同じくらいパロディ要素も多く、作者の漫画テクニックの高さを余すことなく実感でき、何回読み返したか分からないくらい大好きな作品です。 主人公はいわゆる高校デビューに失敗した地味系女子ですが、周りの強すぎるキャラたちにまったく負けてないのがいい。強いキャラの中でも、とくに姉の栄子。主人公の自己肯定感をドン底まで突き落とした張本人ですが、この人がいなければこの作品のファンにはなってないと言ってもいいくらいに大好きなキャラ。ある意味裏主人公。 そこそこ昔の漫画なので令和に読むと表現がキツイところもありますが。でも全2巻とは思えない内容の濃さと終始ハイテンションのまま進むストーリーはクセになる。これぞ栗原まもるだ!と言いたくなります。 画像は主人公(左)と親友のユカちゃん(右)。

紫色のクオリア

無限の可能性で、君を救えない

紫色のクオリア
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前

人が皆ロボットに見える少女と、彼女を受け入れる親友。遠回りな相互理解と余りにも巨大な愛の物語に、徹底的に打ちのめされる。 少女を守りたい親友が、量子力学的にあらゆる可能性を同時展開しながら「最適解」を選択する光として、一つの意思を貫く存在となる。その狂気は恐ろしい反面、一途さに感情移入してしまう。 少女を敵視する人、少女の同類として現れる人を加えた関係性は、尊さも無も全ての可能性が虚しく提示される。親友の加速する狂気がモノローグ絵巻となり、眩暈。 なかなか覆らない現実の中、自然と私は少女を求める。ほんわかと柔らかで愛される彼女が、その特殊な眼で「狂える神」たる親友を見る時、そこに産まれた「愛」なんて言葉ではとても足りない大きな概念に、ただ脱力する。 (百合作品としては、人物たちがある男性と付き合う/好きになるという描写が「可能性として」描かれるので、人によってはお勧めできないが、おそらく男性の存在は、意図的に原作小説より薄められているのではないか。重要そうなのに、ほぼ忘れられる程度の存在感だ)

にぶんのいち夫婦

完成度の高い不倫漫画

にぶんのいち夫婦
名無し
1年以上前

ドラマ化が気になり5巻まで一気に読みました。 すごく読みやすいテンポと絵です。 4巻までのストーリーがすごい!!! 不倫漫画ってドロッドロでストーリー<キャラの個性かと思ってましたがこの漫画ストーリーが面白い。 読み手の皆さんきっとうまいこと騙されます! 多くは語らずいきなり読んでおおッと思ってほしいですが、 多分この漫画「不倫」という疑惑、もしかしたら誤解、もしかしたら隠された真実をうまいこと話のコマとして配置してる気がするんですよね。 だから面白い!

まんまるポタジェ

家族って人ってやっぱりいいな

まんまるポタジェ
Pom
Pom
1年以上前

木乃原家、最高です。 元バリキャリの塔子さん、ヒロくん、娘のハナちゃんと3人はヒロくんがカフェを開く田舎へ越す。 ハナちゃん可愛いし、塔子さんとハナちゃんの距離もいつの間にか縮まっているし、何よりも家族の暖かさ、人の暖かさに読んでいて本当に本当に心温まる。 今のこのご時世だからこそ、更に心に響く物が個人的にはあったのかも知れません。 いやぁ、何かに詰まった時にまた読みたいなぁ。

きみにかわれるまえに

それでも一緒にいたいと思えたなら

きみにかわれるまえに
野愛
野愛
1年以上前

犬や猫はとてもかわいい。一緒に暮らせたら幸せだろうなあと思う。 でも安易な気持ちで動物は飼えないよなあ、という当たり前のことに改めて気づかせてくれる作品。 ずっと守ってあげなきゃいけないけれど、大それたことができるわけではない。別れは必ずやってくるし、その後も自分の人生は続く。 悲しみも寂しさもある。でも、幸せな記憶や大切な思い出もある。 決して、ペットを飼うことのデメリットばかりを描いた作品ではない。 悲しみも寂しさも無力さも煩わしさも感じるけれど、それでもペットと生きることは幸せなんだよと教えてくれる作品だった。

1ポンドの福音

「1ポンドの福音」読んでみた

1ポンドの福音
かしこ
かしこ
1年以上前

高橋留美子先生の有名な作品は地元の図書館にもあったので大体読んでるんだけど、「1ポンドの福音」は今まで読まずにいてしまっていた。子供心にちょっと大人向けだなと思っていたのかもしれない(ちなみに「めぞん一刻」はアニメから入りました)。今回初めて読んでみて面白いなと思ったのは、まず絵柄の変化です。「1ポンドの福音」はヤングサンデーでの不定期連載で、約20年かけて完結しているので、最初と最後で絵柄がだいぶ違っています。それから「あしたのジョー」のパロディが多々あって、高橋留美子先生のちばてつや先生に対するリスペクトを感じられて興奮しました。そして高橋留美子先生は小学館のあらゆる雑誌で描いててマジですごいと改めて思いました。

八百八町表裏 化粧師 【石ノ森章太郎デジタル大全】

江戸の町に化粧する

八百八町表裏 化粧師 【石ノ森章太郎デジタル大全】
かしこ
かしこ
1年以上前

最初は主人公が化粧で女の人生を激変させていく漫画なのかなと思って読んでたけど、実は化粧だけじゃなく店のプロデュースなど流行全般を取り仕切る「弘め屋(今でいう広告代理店)」の仕事をしてる話だった。なので舞台は江戸時代なのに内容がどことなくバブルっぽい。最後の方では政治にも関わりを持ち始めて「俺は江戸の町に化粧(世直し)をするんだ」がテーマになってくる。石ノ森章太郎の漫画を初めて読んだけど、絵に華があるなと思った。こういう大人向けの作品をもっと読んでみたいから、次は「HOTEL」を読んでみようと思う。

束の間の一花

死を前にした二人の力強い疾走

束の間の一花
さいろく
さいろく
1年以上前

逃避行、とは違う。しっくり来るかもと思ったけど全然逃げてない。 若くして余命宣告を受けた二人の行く末を、まさに「夜に駆ける」ような二人の疾走を描いている。 2巻を読み終わり、思わず「うー」と声が出る。 決して幸せになんかなり得ないであろうこの二人の、きっと短い物語。 なんて劇的、なんて詩的なんだ。 辛いけど幸せになって欲しい。この物語はどう締めくくられるんだろう、どう転ばされるのかわからないけど、転ぶのがわかっている物語。 3巻はきっと最終巻なのだろう。 それが出たらYOASOBI聴きながら読もう、そう思ってしまった。 最初はアンマッチな見た目してるなと思ったけど(そういえば先生何歳だかわからん)一花もポジティブで天然でアホウだけど芯があるし、死を恐れている彼女がふと我に返り歩みを停めてしまっているシーンでは読んでいるこっちまで息苦しくなってくる。 「心のほうが先にくたばってしまった」という表現は大人の男性ならではだなと思ったり、「なんなんだ人生!なんにもしなきゃいいのか!?」は死にかけてるからこそ出てくる言葉なんだろうなと思ったりしたけど、こんなにもパワフルに躍動する死にぞこないのセリフに胸を打たれる事はきっとない。いいセリフがいっぱい出てくる。 2巻までの間にバッチリ心を奪われる流れ。 正直絵というか線は上手とは言い難いけど表情や画角・コマの展開は、空気の流れるスピードが伝わってくる。 べた褒めっぽく書いてしまったけど、きっと短い二人のストーリーは読んで損はない結末になるんじゃないかと思う。

トラとミケ

トラとミケ3 ゆかしい日々

トラとミケ
名無し
1年以上前

大好きな「トラとミケ」最新刊が発売になりました。①巻②巻のほのぼのしたシーンと違う、曼珠沙華の儚げなカバーを見て、もう涙が出そうになりました。そうなんです。ハマっています。③巻は泣ける話がこれまで以上に多い印象。もちろんほっこりもしました。トラちゃんが倒れたシーンなんて、え!?最終回?と思ってハラハラしました。 ねこまきさんといえば、「ねことじいちゃん」の印象が強いですが、トラとミケは物語要素が強くてかなり読ませます。とても対照的なので、ねこまきファンのかた、ぜひこちらもどうぞ。

さよならジュリエッタ

超次元的・未完の片想い

さよならジュリエッタ
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
7ヶ月前

「銀河皇国」に加入し宇宙に進出した地球人類は、とある宙域を巡り二カ国間で戦争状態に突入。皇国の技術を導入した超生体兵器「翔姫」を纏い、少女達は戦場に駆り出される。 訓練中の襲撃で全滅した訓練部隊。ただ二人残された少女達の、存在と恋の物語はスケールの大きさと残酷さ、そして愛らしさに魅了される。 少女の姿を巨大化させただけの「翔姫」が武装して出撃する美しさ。気弱な主人公の成長譚とそれを遥かに超えて行く何者かの思惑。そして今の人類では遥か及ばない技術を辛うじて私達に繋ぎ止める量子力学用語。てんこ盛りの世界観は熱い。 そして、残された二人の訓練兵の「百合」関係性もまた、独特だ。 生き残ったのは、気弱な主人公を支えて来た親友。彼女は第1話で主人公に愛を告げるも、振られている。離れ離れになる二人。秘されたもう一人の自分、更に親友にそっくりな人の登場に混乱する主人公。 この関係性と物語の根幹を知る時、彼女達の思いもよらない過去と恋、そして途方もない存在理由の物語に、物凄い衝撃を感じるだろう。 これだけの大きな枠組みの物語を、3巻で収めるのは無理がある。第3巻はかなり駆け足で、正直物足りない。どこかの並行世界で30巻位の大作として出版されていて欲しい、そんな快作で、問題作だ。

#プロジェクトAC

承認欲求を承認しよう

#プロジェクトAC
野愛
野愛
1年以上前

何はともあれ絵がかわいい。ピンク髪コルセット制服巨乳裏垢絵師がこの世にいるかどうかは別として、絵がとってもかわいい。 絵がかわいいことがストーリーにも作用して説得力与えてるのがいい。 承認欲求って誰にでもあるのになんとなく恥ずかしいものとされがちだから、ストレートに「褒められたい!」と言い切るヒロインいい。かわいい。

リィンカーネーションの花弁

才能が憑依する「廻り者」たちの偉人バトル

リィンカーネーションの花弁
さいろく
さいろく
1年以上前

これは終末のワルキューレがブレイクしてきた今でこそ流行るべきなのでは、と思うのだけどどうだろう。 先を行き過ぎたのか、それとも「運」という才能に差があるのか こういう能力者バトルものっぽいのはジャンルはなんていうんだろう? 文豪ストレイドッグスみたいにきれいにまとまったのもあれば、終末のワルキューレみたいに直球だけで勝負するものもあるけど、近しいものを感じる作品。 バトルがメインでもあり、主人公が無能力なところからスタートする感じは今でこそよくあるけど、これが連載開始時はそんなに多くはなかったと思う。 サイコっぽいダークな雰囲気もあって好き。

シティな俺がオチるまで

この社会人ラブコメ、推せる!

シティな俺がオチるまで
兎来栄寿
兎来栄寿
1年以上前

皆さんは都会と田舎、どちらが好きでしょうか。私は都会で生まれ都会で育ちましたし、都会の便利さを享受してもいますが、魂は常に奈良の吉野山にあり還ることを求めています。空の狭いビル群の中で呼吸を潜めているより、緑と花に囲まれた広くて雄大な景色の中にいる方が落ち着きます。田舎にいる温かな人たちも大好きです。 しかし、本作の主人公は私とは逆で田舎者が大嫌いな27歳シティボーイ。社のホープで仕事もバリバリできて女性社員からの人気も高いものの、好きなものは美女・嫌いなものはブスと田舎者というちょっとイヤなヤツ。 ……なんですが、1巻の後半ではなぜ主人公がそんなに田舎者を嫌いなのかという理由となるエピソードが描かれ、なるほどそれは嫌いになってしまっても仕方ないな、と納得感が生まれます。 そんな田舎者嫌いの主人公の下に社長命令で超弩級に田舎者な部下の女の子がつくことになり、凸凹な関係性によるラブコメが繰り広げられます。 『のだめカンタービレ』の千秋とのだめのような、エリート系男子と破天荒純粋無垢系ヒロインの関係性が好きな方には無条件でお薦めできます。 個人的に好きなシーンが、ヒロインが差し入れてくれたふかし芋に対して主人公が「こんな田舎臭い食べ物なんぞ」と思いながら食べ無意識にほっこりしてしまい、そんな自分を追い払うために「高級スーパーで買ったヒマラヤ岩塩かけて食ってやる!フハハ思い知ったか田舎者め!」と高笑うところ。主人公のアホ可愛いところ、愛せます。 主人公とヒロインのみならずキャラクターの立たせ方が良く、全体的に古き良き少女マンガ感もあります。ただ絵柄的には男性でも読み易いタイプでしょう。 続きはもちろんのこと、やまとかなさんの今後の作品も絶対に追いかけたいと思わせてくれる秀逸さでした。

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