緑の予感たち

最高の漫画が始まった予感

緑の予感たち
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
11ヶ月前

なんだこれ…。すごい。好きすぎる。 奇妙で現実的で不思議で具体的な夢を見ているような…読んでるうちに引き込まれて実際に手触りを感じられるような漫画だった。 トーチwebで始まった新連載『緑の予感たち』がちょっとスゴイです。 https://to-ti.in/product/midori-no-yokan 短編連載なので、1つ目「カッパの理髪店」を読んだ現時点での感想になる。 どこかで見覚えがありそうな、誰しも馴染みのありそうな風景。 奇妙でありながらファンタジーと呼ぶには地に足がついていて、日常の延長線上に実在するんじゃないかという感覚がしっかりとある。 唐突、だけど必然。 物語は不思議な冒頭から、リアルなバイト事情、そして煮え切らない男女の恋模様へと、主題と場面がコロコロと変わっていく。 そこがミソかもしれない。 どこが話の軸になるんだろう、誰が主役なんだろうと読んでいくと気付けば登場人物たちのギリギリ読み取れそうな関係性のリアリティに絡めとられ、読者の視点は次に何が起こるのか出来事を素直に追うだけの目になっていく。言葉の端々と表情から読みとろうと夢中になる。 それは、現実の男女の関係性に対して巡らせる思考のはずだった。だったのだが、その真っ只中へ唐突に放り込まれた非現実にかき乱されるも、不思議とこいつが妙にしっくりくる。 それは全くの無関係な非現実ではなく、まさにこの心のありようこそが核になった非現実だったからだ。でたらめだけど、そこにはきっちりと心情の筋が通っている。故に納得できてしまう。 ここに持っていくまでの腕力がすごい。 この話の転がし方、派手じゃないのに予想が付かずに最後まで分からない展開の面白さは、映画『スリービルボード』を彷彿させる。 絵も最高に良かった。 コマの中の線の情報量、線の柔らかさ、微妙な表情の変化、光と影の付け方、全てがこの話にしっくりくる。 短編連載でおそらく不定期掲載なので、単行本になるのは2024年だと思うけど、早くも単行本を買いたい。 読んだあとに、これは持っておきたい…棚に並べたい…手に持ちたい…という所有欲が溢れてくる。

スクールバック

高校生もまだ子供。でっかい用務員レディ奮闘記

スクールバック
さいろく
さいろく
10ヶ月前

用務員の伏見さんが「先生に出来ないところ」みたいなものを解決する要素が入った、少しだけ胸がすっとするようなモヤッとするような、そんなストーリー展開。 痴漢とか初めて対面したらどうするんだ?被害者が自分じゃなくても怖い、みたいな視点は言われて初めて考えた。 実際痴漢に気づいたことないけど自分の近くでも発生しててもおかしくないわけで、気づいたらどうするんだろう今。大人でもわからんもんね。 重い話ばかりではないけど、思春期ならではっぽいツボを伏見さんが彼女なりに解釈してよかれと思って適度に動く。 動く範囲が割りと現実的で、人の良さと現実味とが混ざり合っていい具合である。 あと私はデカい女性キャラ好きなのでとても良い。

光の箱

人の死に際、何が見える?

光の箱
さいろく
さいろく
11ヶ月前

おかしなコンビニでおかしな店員とおかしな客ばかりだ、と思ってたらおかしいのは自分もだったぜ…みたいな第一話から始まる、死の瀬戸際の人たちが立ち寄ってくるコンビニのお話。 闇の生き物としての謎さもさながら、色々と不思議な面もあるけど軸のある設定で描かれる衿沢世衣子作品は研ぎ澄まされていく感じがあってよいなと思う。 このまま3冊ぐらい続けてくれたらいいのになぁ

志信さんと僕の謎解きペットショップ@COMIC

実際にありそうな話だけど本当にあるのかも・・・

志信さんと僕の謎解きペットショップ@COMIC
さいろく
さいろく
10ヶ月前

本当にあったら嫌過ぎるなと思って良心の呵責というか嫌すぎて調べも出来ていません。 ペットショップの運営に関して、こんな事があるかもよっていう酷い話。 ネタバレなしだと何も具体的に書けない…でも猫の話もランチュウの話もほんとにやりそうなんだよなー田舎の人。 実際にペットボンバーという言葉があるようなので、マジであるんだろうなぁ。。。 なんというか、悪いところを見もしないで自分の倫理観が正しいとは言えないんだけど(自分はかなりペット愛好家寄り思想だと思うので)、その倫理観に基づいてしまうと「こんな事が実際あったら凄く嫌だな」と不安にさせられる内容。だからこそ多くの人にこの解決部分の知識や顛末を知っておいてもらうと良いんだろうとは思った。 しかし、絵柄が可愛いから内容とのギャップもまたすごい。

ササダはオカネで推しを抱く【単行本版】

”VTuberとファン”だからこそ生まれる複雑な関係性 #1巻応援

ササダはオカネで推しを抱く【単行本版】
sogor25
sogor25
10ヶ月前

25歳の女性・笹田夏子の推しはVTuberの天野アマオ。 「お金を見ると性的に興奮する」というアマオの配信に高額の投げ銭をすることが彼女の生きがいになっていました。 そんな彼女の行きつけの飲食店でよく顔を合わせる永塚天という男性。 彼こそが、アマオの“中の人”であり、しかも彼は夏子に好意を抱いていました。 それも2人がお店で出会うずっと前から。 実は夏子との因縁と彼女への好意をずっと抱いたまま過ごしている天と 天=アマオだと気付かぬままアマオを推し続ける夏子。 “VTuberとそのファン”という関係性が生まれてしまったからこそ天の思いは夏子に届くことなくすれ違う、 そんな複雑な関係性の中で繰り広げられるラブコメです! 1巻まで読了

東京ヒゴロ

東京ヒゴロは名作でしょう #完結応援

東京ヒゴロ
かしこ
かしこ
10ヶ月前

連載中は塩澤さんの新雑誌創刊を軸に読んでたけど、単行本では長作くんのスランプ脱出の方がグッと来たかもな。娘のルナちゃんが長作くんの漫画のキャラを友達だって言ってくれる場面には泣いちゃいます。他にも色んなことが重なってスランプ脱出に繋がったんだろうけど、一番は長作くん本人が漫画に向き合うことを諦めなかったから成し得たことですね。最終回で塩澤さんが「漫画を作る過程にこそ喜びがある」と言ってたのと、3巻の帯文「人は呼吸し漫画となる」は意味が似てるなと思いました。もっと長く読みたかったなと思ったけど、単行本で一気読みしたら文句の付けようがないくらいベストな形でまとまってたので、これからは折に触れて何度も読み返していきたいです。

獣王と薬草

王道ながら独特な世界観に惹かれる#1巻応援

獣王と薬草
六文銭
六文銭
11ヶ月前

読んでて お、名作の予感 と久しぶりに感じた作品。 王道ファンタジーなんだけど、作品ならではの独自の観点や、キャラも光っていて読んでて世界観への没入感がハンパなく純粋に先が気になりました。 さて、その内容ですが、勇者によって魔族が敗れた世界。 かつて魔族界に君臨した「六将軍」のなかでも、最強と称された獣王ガロン。 彼もまた勇者によって倒されたはずだったが一命をとりとめて、とある目的で医者として活動する。 そんな、ガロンに命を救われた冒険者の少女ティナは、彼に興味を示し一緒に旅をする・・・という流れ。 なんといっても、モンスターやダンジョンの設定が、この作品ならではのもので読んでいて面白いし、ダンジョンにあるという「龍脈」というワードや、まだ出てきていないガロンの「師匠」の存在など細かな伏線がはられて、今後出てくるのかと思うとワクワクしかない。 1話のルビードラゴンを治す話だけでも読んで欲しい。 かつて最強として君臨していた獣王が、人間に負けて、ある種生き恥をさらしながらも、モンスターの治療にかける信念にグッときます。 また個人的に、人外と少女のバディものってツボだったりするので、その点もポイント高いです。 まだ1巻ですが、個人的にはやくも名作の予感で、予感で終わらしたくないので1巻全力応援です!

身の毛がよだつゾッとした話

ちゃんと身の毛がよだつ

身の毛がよだつゾッとした話
野愛
野愛
2日前

読者投稿とか洒落怖とかそういう系のやつね〜と軽い気持ちで読んでみたらちゃんと身の毛がよだつお話でした。 幽霊が出てくるとか強烈な恨みを買うとかではなく、偶然会った人が怖い、昨日まで仲良かった人が怖い、家族や友人やご近所さんが怖い、誰の身にも起こり得ることなんだというのが怖いです。 おかしな人は最初からおかしな顔して現れるのではなく、普通の顔をして普通の生活に溶け込んでいるんだなあ……それって防ぎようがないのでは??? ストーリーも恐ろしいですが、ほっこりかわいいイラストからゾッとするタッチに切り替わるのがまた恐ろしい……。 帰りの電車とかで読まないほうがいいかもしれませんね!

ディスティニー・パラダイス・ナイト

喫茶店店主とアイドル

ディスティニー・パラダイス・ナイト
るる
るる
3ヶ月前

家族と縁が薄い、祖父の跡を継いだ喫茶店店主と 大手企業の実家から勘当されたトップアイドル。 2人が偶然出会って両思いになるまで。 芸能人に疎いチカが伶に対して最初から、知った後も素で接するのが芸能人としてではなく自分自身を見てくれているようで嬉しかったんだと思う。 伶のグループメンバーまですっかりチカと喫茶店に馴染んでしまった😅

でんぐばんぐ

徐々にじんわりくる。

でんぐばんぐ
Pom
Pom
11ヶ月前

私は、この漫画とても好きです。 夢を追いかけても、現実は厳しいものだと、思わされる、楽しく面白く読めるけど現実感たっぷりの漫画だと思いました。 自分はもう学生時代はとうに終わったけれど、二子みたいに、憧れだけでは上手く行かない壁にぶち当たる時期ってあったなぁ〜 まじまじと現実を突きつけられる二子だけど、お母さん初め、おばあちゃんが出てくるシーンは特に印象に残っていてホッコリしました。癒された。。 全体を通して、心温まるお話でした。

ウツパン―消えてしまいたくて、たまらない―

これが現実

ウツパン―消えてしまいたくて、たまらない―
野愛
野愛
11ヶ月前

鬱を治すためには日光浴びてご飯食べてよく寝てネガティブなこと考えないで……ってそんなん意識してできる人は健康でしかない。死にたくなったら助けを求めようって言うけど病院は予約でいっぱい。 皮肉みたいだけどこれが現実なんだと思い知らされた。 学生や子どもが自殺したニュースを見るたびに、大人になれば自由になれば楽しいこともあるのにと思ってしまうけど、今が辛くてどうしようもないのに先のことを考える余裕なんてあるわけないよな…。 せめて医療や行政へのアクセスがもっとスムーズになればいいのにな…と無責任に願うばかりです。

めぐってひらいて【電子限定漫画付き】

年下の幼馴染が初恋を頑張る

めぐってひらいて【電子限定漫画付き】
るる
るる
3ヶ月前

かんわいいいいい😍😍😍 アキが愁を早々に諦めてしまってちょい奔放気味 だったことだけがマイナス。 友人の仮面夫婦もちょっと不快ではあるけど、 ここはまあ奥さん公認で事情があるから マシに思える。 それでもメイン2人、愁とアキの両思いが分かって からの空気感が甘々でマイナスポイントも払拭。 愁の包容力というか度量がスゴい。 アキの過去に思うこともあるだろうけど、それを想定内としてそのままアキを溺愛できるって さすがに年季入ってる😅

あいのかさぶた

献身的な愛

あいのかさぶた
るる
るる
11ヶ月前

もー尚に対する創の愛情が献身的で涙出てくる。 尚の家庭環境は最悪だけど創がずっといてくれて良かった。 大きく道を外さずに済んだ。 創の実家も温かい。 尚みたいな家庭環境の子供のことを普通は敬遠し自分の子供とは関わらせないようにしてもおかしくないけど、創と一緒に世話焼くとか素晴らしい。 尚が創のこと好きになるのはもう必然というか。 父親とは縁切ってそれ以外のみんなと幸せになってくれ。

ずっと青春ぽいですよ

アイドルプロデュース・男の娘・オタクに優しいギャルごった煮の青春 #1巻応援

ずっと青春ぽいですよ
兎来栄寿
兎来栄寿
11ヶ月前

『ぽんこつポン子』、『おにでか!』の矢寺圭太による新作です。 高校のドルオタ研究部員である山田・杉森・河野の三人衆と、彼らがプロデュースを目論む女子を交えた春が青いコメディです。 何しろ、表紙に描かれているメインキャラクターたちが皆個性豊かなのが良いです。 部長の山田は、浪人して早稲田に入るので高校在学中は勉学よりも優先してアイドル研究部の活動(アイドルをプロデュースして学祭でライブをする)に専心すると決めているガチめのオタク。女子の些細な言動から「もしかして俺のことを好きなのか?」と勘違いできる、ある意味で幸せでピュアな男。 「女の子をプロデュースできないならかわいい顔をした男の子をプロデュースすればいいじゃない」とばかりに、無理やり女装させられる男子が杉森。彼が女装したときのかわいさに関しては特別気合を入れて描かれており注目です。クラスメイトにも「その子の名前教えて」、美形ギャルにも「顔面が強い!」と言われるほどで、本人も段々満更でもなくなっていくのがまた味がします。 坊主頭の河野は、全校の女子生徒412名をUR・SSR・SR・R・Nに格付けしその詳細をノートに克明に記録しているヤバいやつ。飽くなきスケベへの情熱を隠しません。でも、マンガを面白くするのはいつだってヤバいキャラクター。河野のような欲望と煩悩に振り切れたキャラのエネルギーが、笑いを巻き起こしていきます。 鯖戸クロエは河野ノートで全校に5人しかいないURのギャル。顔もスタイルも性格もノリも良く、オタクにも分け隔てなく接してくれる空想上の生物。すぐ写真を撮るし、すぐSNSに上げる今どきの子。派手な見た目に反して、意外と進路について堅実に考え予備校に通うなど努力しているところも高ポイント。 渡辺日香(にこ)、通称ニャコは河野ノートでSSR。ツリ目で八重歯で猫っぽい外見そのままに自由気ままでざっくばらん。しかし、料理が趣味という意外な一面があり、河野の考察によると恋愛には消極的である節も。個人的にはカラオケシーンが一押しです。 彼ら5人が中心となって織りなす物語は基本的にはドタバタコメディなのですが、周りがどんどん進んでいく中で停滞している自分に悩んだり、大人から見るとかつて持っていて今は失ってしまった輝きを持っていたり、たまに青春時代の本質を静かに突くようなシーンがあって「アオハル……」という感情を掻き立てられます。 キャラクターたちの掛け合いをずっと見ているだけで楽しいですし、その中でも少しずつ進展していくストーリーの先行きもとても楽しみです。 それにしても、略称の「ずっぽよ」がかわいくて声に出して読みたい略称2023暫定1位です。

ワイルドストロベリー

美しくも恐ろしい人花 #1巻応援

ワイルドストロベリー
Nano
Nano
11ヶ月前

1ページ目からとんでもない画力と書き込みの密度で、超惹き込まれる。初っ端グロテスクな描写があるけど、なんだか綺麗に見えてしまう…。 植物に覆われ混沌となった東京、人間を養分とする人花というものに寄生されている妹。似たような設定はあったかもしれないけど、ひたすらに絵が上手すぎてページをめくる手が止まらない。 そしてなにより、主人公キンゴと妹カヤノの絆が尊い。扉絵の「家族の絆が芽吹き出す」の煽りすごく好きです。キンゴもとてもいい奴で好感持てるし、とにかく幸せになってくれと願ってしまいます。今後の展開がすごく気になるし、絵も話も魅力的だし、もっと話題になってほしい…!

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