kaiko

「VTuberの中の人」は本当の自分?

kaiko
名無し
8ヶ月前

暗め?重め?かなと思ったけど予想以上に清々しいラストの漫画で、すごく好きでした。VTuberに限らすですが、誰かにプロデュースされて輝く人としんどくなるひと、設けに繋がらないから本当にやりたいことができてない人など、この世には溢れていますね。そのなかで「本当の自分」をさらけ出すことは正しいのか。答えのない問いのような気もします。どんな媒体でも、夢を売る仕事って、裏側はごちゃごちゃしているんだろうな。それがおもしろいところでもありますが。

アルキメデスの大戦

「架空戦記」でもあり「歴史」でもある

アルキメデスの大戦
mampuku
mampuku
8ヶ月前

極上の「負」のカタルシスだった。 日本が第二次大戦に突入しそして敗戦するまでを描いた戦記モノで、架空の天才軍人・櫂直(かいただし)が明晰な頭脳と冷静な分析によって開戦を、ひいては敗戦を回避すべく孤軍奮闘する話。 犠牲を払いながら手を尽くしても戦争へ突き進む軍部を止められず、事態は坂を転がり落ちるように悪化の一途をたどっていく。巻数にして30巻を超える長い長い無力感と喪失感を味わいながら、物語終盤ミッドウェー海戦で惨敗、櫂は軍を離れ、そのまま終戦、東京裁判を経て完結へ。 勝利も復讐も俺TUEEEも、およそ快感と呼べるものを与えられないまま、ずっとしんどい思いをしながら読み続けることになるものの、読後感は不思議と悪くない。むしろ心地よいまである。なぜか。 「いわんこっちゃない!」と叫びたくなるような負の感情のカタルシスの連続、喪失感、破壊(と再生)、櫂の決意と忠誠、わずかな希望……。一言であらわすなら、「大人の味すぎる娯楽」って感じ。

だいすろーる!

女子高生も仲間とすなるTRPG #1巻応援

だいすろーる!
兎来栄寿
兎来栄寿
8ヶ月前

TRPG、良いですよね。 自分ではないキャラクターになり切って演じる面白さ。 1%のダイスロールを成功させて大逆転を果たす快楽。 非日常が詰まったセッションは格別です。 ただ、たくさんの時間と仲間が必要なので、なかなか社会人になると遊べなくなってしまいます。今はスマホやタブレットで諸々のパラメーター管理からBGMや効果音、映像などまでまかなえてしまうので良い時代になったものだなぁと思います。それでも、ダイスは電子ではなくアナログのものを転がしたいですけどね。 何なら、デジタル的な繋がりが増えた現代においては人と人とが触れ合えるアナログゲームの価値というのはますます増していると思います。どこまで行っても、人はオフラインでの対面の交流に大きな価値を感じ続けるのではないかと。人狼や各種ボードゲームやマーダーミステリーやポーカーやポケカやワンピースカードゲームなどが流行るのもそういう側面もある気がしています。ようやくコロナも落ち着きましたし、TRPGもまた再評価されて盛り上がる日が来るかもしれません。 そうなったときに、盛り上がりを助けることになりそうな作品がこちら。 不幸体質でTRPGをやっても失敗判定続きになる赤井千幸(ちさち)。 冒険ギルド部部長でお金持ちのお嬢様である黒音美歩(くろねみほ)。 父親がTRPGを嗜んでいる千幸のクラスメイト黄ノ瀬りねん。 アウトドア系の部活と勘違いして冒険ギルド部にやってきた黒髪ロングストレートの蒼崎依理(あおざきえり)。 彼女たち4人を中心に、冒険ギルド部の活動であるTRPGを中心とした活動が描かれます。何も知らない千幸が初めて遊ぶところから始まるので、元々TRPGが好きな人はもちろん、これから知って好きになる人にも良いと思います。 TRPGのセッションシーンはもちろんですが、ダイスなどのアイテムを皆で買い物に行くシーンにも楽しさが溢れています。初めてイエローサブマリンのような専門店に行ったときに見る、あのカラフルに輝く普段は触れない8面・10面・20面ダイスは蠱惑的なんですよね。コンポーネントは見ているだけでも楽しいです。マイダイス、良い響きです。 お泊まり会をして夜更かししながら行うTRPGなんて最高に楽しいですからね。それに付き合ってくれる仲間がいるというのは本当に幸せなことだと思いますよ。大切にしてあげてくださいね(鑑定団の中島さんの面持ちで)。

放課後帰宅びより

夢破れた先で歩む道から見える景色 #1巻応援

放課後帰宅びより
兎来栄寿
兎来栄寿
8ヶ月前

惜しまれながら終わってしまった『ひかるイン・ザ・ライト!』の松田舞さんによる最新作です。 『錦糸町ナイトサバイブ』はローカルかつニッチな面白さがあり、『ひかるイン・ザ・ライト!』はまっすぐな情熱にあてられるのが気持ち良い作品でしたが、本作はそれらともまた違った雰囲気をまとっています。 主人公の佐藤瞬は、中学時代はサッカーの県大会でMVPに輝き将来を期待されていたものの、足のケガにより運動全般ができなくなってしまった少年。そんな瞬が、「直帰ちゃん」と渾名される佐藤直希の「ハイパー帰宅部」に強引に誘われていく物語です。 私も中学までは運動部だったのですが肺を患ってしまい、高校では本気で運動をして上を目指すことができなくなってしまっていたので、運動は諦め文化系活動を極めようと方向転換しました。その結果、今があるので人生万事塞翁が馬です。ともあれ瞬くんの気持ちは多少なりとも解ります。 本当に夢を叶えられる人というのはほんの一握りで、多くの人の人生には挫折や諦念をする瞬間が訪れます。それでも、その先に人生は続いていきます。そこで何を見て、何を為していくのか。その分岐の先でしか見られなかった景色も、案外悪くなかったりします。そういった意味で、この物語が響く人は少なくないでしょう。 学校の帰り道にある何気ないものからもロマンを感じられる直希の影響により、瞬が少しずつ変わっていく様子に心が解れます。明けても暮れてもサッカーに打ち込んでいて夕陽に染まる町並みを見る瞬間もなかなかなかったであろう瞬が、高校生になって初めて味わうゆっくりと過ごす時間に人生の機微や大切なものが詰まっています。 瞬と直希の何とも言えない関係性、ラブのコメり具合もとても良いです。5話や6話を経て8話で見せる瞬の表情など堪りません。3話のエピソードも好きですが、その最後に出てくる直希のセリフから滲み出る感性が本当に良いし、瞬が絆されるのも解ります。 余談ですが、文化祭の出し物が「赤ずきんオブ・ザ・デッド」だったり、「サイバーパンクメイド喫茶」だったりする自由な校風も、私が通っていた学校に近いものがあり親近感が湧きました。

なかからとかして愛してあげる

遅くきた春は。スピンオフ

なかからとかして愛してあげる
るる
るる
3ヶ月前

前作の志島先生の担当者酒井くんがメイン。 他の担当作家、界外先生の買い物をするアダルトショップの店員、石神くんは酒井くんが好き。 付き合うには思い切りが必要だったけど、いざ両思いになったらラブラブで良き。 狭い世界ではあるけど偏見無し。 同棲開始したし、石神くん兄も酒井くん母も公認で円満☺️

スカッと!芹沢くん

もうちょっとスカッとに浸りたい!

スカッと!芹沢くん
野愛
野愛
8ヶ月前

以前もコメントで書いたんですが、スカッとまでに時間がかかる!でもクズはすぐ来る! いや読み進めていけばスカッとするんです、芹沢くんのどストレートな正論にもどんどん強い人になっていく桜井さんにもスカッとするんです。 でもそれを上回るくらいのクズたちが次から次へと登場します。 スカッとに浸る時間しっかり取ってくれ〜!たっぷり浸ってから次の人現れて〜!と言いたくなってしまいます。 強キャラがどんどん出てきた方がストーリーとしては面白いし、現実はひとこと言い返してまるっと解決なんてことはないし、これでいいんだとは思います。 ちょっと休ませて、なんて甘えたこと言ってたら芹沢くんにも桜井さんにも置いてかれちゃうだろうし……いやでもスカッとのターンも長めに取ってくれるとうれしいな〜なんて思う自分もいます。

もやしもん

進学を考えるときに読んでいたら、農大を第一希望にしていただろう

もやしもん
ゆゆゆ
ゆゆゆ
8ヶ月前

わちゃわちゃしているのが主人公と先生まわりだけかと思ったら、学校としてわちゃわちゃしている。 そのわちゃわちゃ、もとい多様性がとても楽しそう。 その道に進まなければ、出会えないだろう授業、オリエンテーション、余暇。 菌も農業系の学校が専門とするものなのかと、勉強になった。 流行っていたときによく聞いた「かもすぞ」。 そういうときに使うのかと理解した頃合いに現れた「かもして ころすぞ」。 すごくこわいと思ったら、ほんとに怖いやつだった。 ブームになったときに見損ねていたけど、読んでみたらすごくおもしろい。 欄外に菌の説明があるので、電子版を読む場合は大きい画面が良いと思います

ひとりでしにたい

あっけらかんと、現実を突きつけられる。

ひとりでしにたい
ゆゆゆ
ゆゆゆ
8ヶ月前

現実、将来、老後。 どの言葉がよりふさわしいんだろう。 あっけらかんと、つきつけられる。 持たざるものからしたら、主人公が珍獣のように見える理由はとてもよくわかる。 しかし、主人公は少しずつ、知らなかった生活環境を送る人たちの存在に気づいていき、変わっていく。 すべてのきっかけが孤独死というあたり、なんだか都会っぽい。 孤独死しないために婚活して結婚? 結婚したからといって、大丈夫と思うなよと言わんばかりに突きつけられる、親の介護、何もしない夫、子がなにかしてくれると思うなよの嵐。 気にしたら見えなかったものがどんどん見えてくる。 ただ、耳をふさぎたくなるような話題も、主人公の百面相のようにコロコロ変わる表情や、油断したら出てくる猫もしくは猫オマージュ、あと不思議な人・ナスダくんで大変読みやすい。 我々の将来は、一体どんなかんじになっているんだろう。 今日が明日も続いて、親が過ごしていたような老後を我々も?と思っていたけど、昨今の情勢を考えると、それはなさそうだなという気がしてきた。

アスミカケル

格闘も良いけど、家族愛も良い

アスミカケル
六文銭
六文銭
8ヶ月前

格闘マンガは正直あんまりな自分でしたが、本作は格闘シーンだけでなく主人公の家族愛が良くて、一気に読んでしまいました。 というのも、父親は事故で他界。 子供5人を母親が女手1つで育てる。 祖父は認知症。 そんな環境でも、主人公はそこその生活を維持するため学校でも家でも何かと穏便にすますよう、色々と耐えている状況。 認知症の祖父の介護を率先してみたり、学校でいじめられていても笑ってすます。 主人公の不憫さと家族思いの姿にグッときます。 ところがどっこい、実は、認知症の祖父はかつて「明日見流総合武術」をうみだした最強の格闘家だったようで、そんな祖父に密かに毎日稽古をつけられていた主人公。 最初はクラストメイトに誘われ見学しただけだった「MMA」のジムで火がつき、格闘家としてのセンスを開化していくという流れ。 そこから、同じく祖父に格闘技を教わるも、より強さに取り憑かれ家を出ていった兄と再会し、兄弟対決が行われる。 兄はプロの格闘家。しかもトッププロ。 2人の熾烈なバトルが描かれる、一方でそれは子供がやる兄弟喧嘩のようにもみえ、根底には兄、そして家族への思いがビンビン伝わってきて泣けます。(画像参照) 認知症の祖父を見限って、家を出たと思っている主人公。 兄は兄で、少しずつ壊れていく祖父に耐えられなかった様子は圧巻でした。 ただの格闘技マンガにはない兄弟愛・家族愛があって、そこがすごく魅力的な作品でした。 兄も主人公のことを思っている様子が随所にあって、悪いやつなんて1人もいなっかたんです。

もっとみる