リウーを待ちながら

こういう漫画ほんと好き

リウーを待ちながら
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
1年以上前

じっとりと迫りくる病気パンデミックサスペンスといった感じ。 怖いのが、読み終わったあとも世界観を引きずっていて起こり得る恐怖が付きまとって離れないことだ。 生活レベルで言えば、手洗いうがいを本当に欠かさずするようになった。 ありがたい影響力だ。 架空の地域を描いてはいるが、何気ない仕草や生活をしっかりと描いているのでリアリティがすごくて、人々の反応も嘘みたいなホラーもののようなものではないのが素晴らしい。 3巻で完結なので欲を言えば、あと2冊分くらい読んでいたかったけど、きれいに終わっていて、3巻では涙腺にぐっときた。

機械人形ナナミちゃん

バイタリティー溢れる反骨の次世代型クリエイター

機械人形ナナミちゃん
mampuku
mampuku
1年以上前

 「色んな出版社で没になった」「一年間ネーム描き続けてボツになった」などの恨み節とともにWEB各所で無料掲載され、最終的にマイクロマガジン社から書籍化された作品。さぞやヤバイ内容で社会派すぎて敬遠されたのかと思いましたが、読んでみるとそこまでキツい内容というわけではなくどちらかというと、きっと自〇党が嫌いで、社会に対していきにくさを感じてるんだろうなぁとか、滲み出るルサンチマン的なフレーバーがどぎついなと感じました。  そんな読み手を選ぶ漫画ではありますが、読んでみると独特の楽しさがあり、展開はやや荒唐無稽な印象を受けますがその分息をつかせず先の気になるシーンを次々ぶっこんでくるあたりはこれがWEB漫画の醍醐味かなどとも思ったり。あとなんといってもさすがはエロ同人誌でその名を轟かせた木星在住先生、絵が素晴らしく魅力的。JK!ロボ萌え!褐色ギャル風のメカ娘とかその発想はなかったわ!  現在はアダルトからは足を洗ってしまわれたそうで惜しい気もしますが、本が売れず絵が上手いだけでは生き残れない今の時代を戦っていく新しいクリエイターとしての在り方を模索する彼の生き様は、同じクリエイターとして学ぶべきところがあるなと感じます。 http://mokusei2.blog46.fc2.com/

遺書、公開。

ありそうでなかったタイプのミステリー

遺書、公開。
名無し
1年以上前

人気者の自殺、スクールカーストとそれにまつわる歪んだ人間関係を巡る暗いミステリー。 デスゲームぽい出だしであーまたかと思ってたけど思ったよりグイグイ読ませてきて面白かったです。 表紙が紙版と電子書籍で違うみたい。個人的に電子書籍版の表紙が好きかな。ミステリー好きなら読んでみて下さい。

無限大の日々

ハードSFのエッセンスがギュッと詰まった短編集!

無限大の日々
鳥人間
鳥人間
1年以上前

著者の八木ナガハル氏がコミケやコミティアで発表していた作品をまとめた単行本とのこと。全8編。著者曰く「守備範囲が海外SF小説がメインのハードSF者」と巻末に語っているように、かなりのハードSFだった。 どのお話もSF的なアイデアを軸にしたスモールストーリーだけど、SF的エッセンスがこれでもかと詰まっていて濃密。そして全体を通して読むと宇宙や生命といった全体像への想像が膨らむ。作中に出てくる『人類圏』という何らかの情報群にはこうしたストーリーが記録として詰まっているのだろう。そんな『人類圏』ですら、データベースの片隅にひっそりと保存されているほどに進化した人類、もしくはそれに類する何らかの存在がいたりするのだろうな……といったグレッグ・イーガン的な遠い未来を想起せざるを得ない。 これほどドストレートなハードSF漫画はなかなか無いと思う。そいう要素にピンときた方々におすすめしたい。

たったひとつのことしか知らない

年月を経て変わらぬ関係性の心地良さ

たったひとつのことしか知らない
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
1年以上前

小学校の頃に出会った、転校が多い赤岩と藤ノ木の二人が会えなくなってからの奇妙な友情を描く。 それは電話越しだけでの関係だった。 会話のテンポや会話している状況、電話が一方的にかかってくるタイミングなど、少しだけの煩わしさといつかかってくるか分からない生活の楽しみになっている感じがとてもいい。 定期的に顔を合わせなくたって友達は友達なのだ。 僕自身が転勤族だったこともあり、この話は救いになるなーと思う。 というのも、基本的にはみんな転校していったやつのことなど忘れていってしまうものだから。 「手紙書くね」とか「電話するね」とかいった言葉は信用しなくなったし、今の時代のようにスマホがあれば違うのかなとも思うが、人間の本質なんてそう変わらないような気もする。 僕が忘れられていく恐怖に向き合えなかったせいで、自分からは連絡を取れなかった。 その点、この赤岩は乗り越えてちゃんとつながりをひとつだけ持っている。 これはとても素敵なことだ。 祝福したい。 親友は人生に一人いるだけで自分を取りまく世界は救われる。

ちづかマップ

その町は川の流れのように

ちづかマップ
影絵が趣味
影絵が趣味
1年以上前

明治時代の作家、国木田独歩は、その昔より、壮麗な原野として、ひろく「武蔵野」と呼ばれ、伝聞されてきた、東京とその近郊の一帯をみずからの足で練り歩き、いまや生活と自然とが一体となり、雑木林のそこここに生い茂る、その当時現在の武蔵野の地をみずからの目で再定義し、その美しさを随筆『武蔵野』に書き記しましたが、どうやら、古地図大好きガールちづかのやっていることは、独歩にずいぶんと近いのではないでしょうか。 ちづかは古地図という飛び道具を使い、みずからの目で、あの街やこの町から、些細な、でも、とっても喜ばしいちょっとした出来事を発見します。古代人のみた武蔵野も、独歩のみた武蔵野も、ちづかのみている現在の東京も、そして、これから先のあの街やこの町も、それらの風景は川の流れのように絶えず変化をして、あとには残らないけれど、それでもひとつ変わらないことがある、それはみずからの目でものをみて、そこから些細な、でも、とっても喜ばしい何かを感じとることのできる人間の心だとおもいます。

ホムンクルス

メンタルにくるこわさ

ホムンクルス
やむちゃ
やむちゃ
1年以上前

初めて読んだのはかなり昔ですが、今読み返しても新鮮で面白く、色褪せないなぁ~と思います。読み始めるとすぐに引き込まれます! 次第に様子が変わってきて最後とかほんと怖いですが、なんか作者もおかしくなってきてない?って思うような空気感が素敵なんです。 未読の人にはぜひ薦めたい一冊。

ウサギ目社畜科

ブラック可愛い

ウサギ目社畜科
mampuku
mampuku
1年以上前

月はワ○ミも裸足で逃げ出すレベルのブラック労働環境だった!? 「月ではみんなあま~い樹液を吸っていたが、自分は下っ端だったので木の皮をかじっていた」 「睡眠15分交代制で餅をついていた」 などメルヘンで可愛いオブラートにまったく包み切れてないヤバさ。にも拘わらずそれに疑問を持つどころ地球の社畜がドン引きするほどのブラック労働を押し売りしていく。可愛いやら可哀相やら、アホな動物がのたうち回る動画を見て癒される感覚? あざとい可愛いけどどこか"ブラック"ジョークの効いた味わい深い漫画。

BUTTER!!!

社交ダンス部をテーマにした青春マンガ

BUTTER!!!
無用ノスケ子
無用ノスケ子
1年以上前

快活な女子高生・夏がヒップホップダンスに憧れて入部した「ダンス部」は実は社交ダンス部だった。同時にアニヲタでネクラな男子、端場くんがイジメッコのせいで社交ダンス部に入部届けを出されてしまう。正反対の2人がこのダンス部でペアを組むことになって…という感じです。とりあえずまあ青春してます。 いつもだるい感じの女部長や、そんな部長が大好きなメガネ君など、ステキな先輩たちも見ていて幸せになります。 読み終えた後は、清清しくも少し切ない気分に。 男性漫画、少女マンガ、BLと幅広く描いてきたヤマシタトモコ先生ならではの部活もの漫画だと思います。

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