覚の駒

将棋を通して心を覗く、妖怪・歴史ファンタジー

覚の駒
mampuku
mampuku
1年以上前

 読んで字のごとく将棋マンガなんですが、これは本当に将棋マンガなのか?なんかよくわからないけどめっちゃ面白い(笑)  京都の愛宕山に棲む妖怪「さとり」が、死の淵に立つかつての偉人たちの前に現れては将棋の勝負を仕掛ける。魂で殴り合うような対局の果てに彼らは心の奥底をさらけ出され、なんやかんやでハッピーエンドになる…と。  藤田和日郎先生のもとで長年アシスタントをしていたとのこと。絵を見れば一目瞭然レベルでいろいろ受け継がれてるなって感じ

おいしいロシア

題名通りすごいうまそうな料理ばかりだった

おいしいロシア
マンガトリツカレ男
マンガトリツカレ男
1年以上前

ロシア人と結婚した女性が一年間ロシアで過ごした生活を料理を中心に、ロシアでの生活、ロシアの文化を紹介する漫画。甘党の俺が好きそうな料理ばかりだ。スメタナというヨーグルトみたいなのがうまそう 特に良かったのが、知り合いの結婚式をやるレストランが急に変更になった話。理由がその日にプーチンが予約したので、そのレストランを使うのが無理になった。

肉女のススメ

肉萌えな食リアクション漫画

肉女のススメ
mampuku
mampuku
1年以上前

 グルメ漫画ブームも落ち着いてきた頃合いでしょうか。「肉女のススメ」は珍しい拘りのグルメとかそういうのではなく、仕事に疲れた女子がとにかく肉を美味しそうに食べるだけの漫画です。  動物の肉に含まれる必須脂肪酸には、向精神作用があるそうで、鬱の予防などにてきめんの効果があると言われています。 https://www.ebarafoods.com/sp/meat/health/c24.html  そう、つまり仕事のストレスには肉!とくに脂ののった牛や豚!つまり人目を憚らず泣きながら肉をむさぼるこの人たちは生物的に圧倒的に正しいわけです。肉 is 人生!!  そして余談ですが主人公こと表紙のお姉さん、三白眼なんですね。一見して何考えてるかよくわかんない感じの顔の記号ではあると思うんですけど(人相悪いですからね)それでいて逆に単純思考のキャラクターにも見えるというか、本能に忠実?「だがしかし」のほたるさんなんかも何考えてるかよくわからないですけどふたを開けてみたら駄菓子のこととか俗っぽいこと考えてたり…そんなギャップな魅力を感じます、「三白眼」。リアクション系の食マンガですから、やっぱりキャラの魅力・萌え度は大事です。  あと、「ハンチョウ」などは飯テロ漫画を自称してますが、こういうリアクション漫画こそが一番の飯テロなのではないかと最近思うのです。漫画って色も音声もないので、料理の絵や説明だけではパンチが弱いんですよね。

フロイトシュテインの双子

掲載雑誌も含めて最高だった

フロイトシュテインの双子
マンガトリツカレ男
マンガトリツカレ男
1年以上前

週刊ヤングジャンプの増刊 『アオハル』で掲載されていたフロイトシュテインの双子 + 他の1つの短編で構成された短編集 うぐいす祥子のギャグとホラーを楽しめる短編で大好きなのですが『アオハル』は「青春とヒロイン」をテーマにした爽やかな雑誌だったので、苦情や批判が多く寄せられたとあとがきに書いてあり、その辺も含めて面白かった。 アオハルは全号もっているが、ちょこちょこ「青春とヒロイン」の要素が少ない漫画をねじ込んできて、挑戦的な感じが好きだった。ヒロインが全く出てこない宮下あきらの自伝 「魁!!俺の青春塾」はいつかどっかの短編集で収録してほしいもんだ

傘寿まり子

いつだって頑張れるし新しいことができると励まされた

傘寿まり子
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
1年以上前

息子夫婦、孫夫婦と同居し、終の棲家と決めていた家も険悪な雰囲気に居心地が悪くなり飛び出した傘寿(80歳)作家のまり子。 体力的にも衰え、連載のページ数も年々目減りしていくなか、家出したことで今まで見えていなかった新しいものに触れ、80にして触発されギュンギュンに創作意欲が湧いて新しいものが書けるようになる。 そして、同時に80という年齢の肉体的な衰え、亡くなっていく同年代、認知症なども描かれ、全体的に凄く新鮮。 最近言われる元気なおじいちゃんおばあちゃんが描かれ、恋愛だってするし、ゲームだってする姿になんだかワクワクする。 こんなおじいちゃんにだったらなりたいかもと思わせてくれる。 肉体や老化による制限はあれど、積み上げた人脈や経験値、スキルは生きているわけで、制限を乗りこなす気持ちさえあればこんなにも自由なのだと思うと頑張るのに年齢なんて関係ないんだなと、まだまだ若造の自分を励ましてくれるようでありがたかった。 まだまだ。 まだ頑張れる。

神様がうそをつく。

泣けるアフタヌーン

神様がうそをつく。
mampuku
mampuku
1年以上前

 アフタヌーンで「金のひつじ」を連載中の尾崎かおり先生による過去の傑作。大人には相談できない秘密を抱えて、誰にも内緒の初恋をした11歳の夏。強烈なノスタルジーに加え、逃避行のドキドキと背徳感、爽やかさと切なさが心地よい1冊です。 こんな象徴的な台詞がありました。 「どんな理由があっても…悪いことだとわかってても それしかできないときって」 「他にどうしたら──どうしたらよかったんだよ!?」  周りより大人びて見えていても少女はどうしようもなくまだ子供で、その「重荷」は小さな肩に背負うにはあまりにも大きくて、そんな彼女の力になりたいと願う少年もまた何もできない子供でしかなくて…  幼い彼らは大人の力を借りなければ生きていけないけれど、彼らの中にはたしかに守りたい世界があって、でもそれって紛れもない「愛」そのものなんですよね。愛という確かな意思によって突き動かされた物語であるからこそ、彼らの努力も涙も旅の結末も、儚くも美しく感動的なのではないでしょうか。それがたとえ子供故に浅はかで、拙い足取りだったとしても。  小学校高学年のこの時期ってなかなか自分の素直な気持ちが自覚できなかったり、思ってても言えなかったりしたものでした。けれど勇気をもって一歩踏み越えて行動した先にはまったく違う世界が広がっていて、そこから得られる高揚と不安それこそがまさしく冒険のワクワクに他ならないわけです。異世界ファンタジーでも得られないほどのドキドキで感情を揺さぶられる、少年少女たちが精いっぱいの冒険をする話がたまらなく大好きなのです。  「四月は君の嘘」とか好きな人にも薦めたいですね。

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