魔法なんて信じない。でも君は信じる。完全版

魔法なんて信じない。でも西島先生は信じる。 #1巻応援

魔法なんて信じない。でも君は信じる。完全版 西島大介 大谷能生
野愛
野愛

世界の終わりの魔法使いⅢの原稿が魔法のように消えてしまったという事件のドキュメンタリー漫画。 トラブルをおもしろおかしく描いたものでもなければ、原稿を紛失してしまった出版社を告発するようなものでもない。 原稿紛失事故をきっかけに、漫画ってなんだろうという根源的な問い、消えたことによって新たに生み出されることとなったせかまほⅢ、ゆるやかな人と人との繋がり、それらすべてがどことなく世界の終わりの魔法使いとリンクしている。 失われたせかまほⅢは影の世界みたいにどこかで完璧に世界を繰り返しているのだろうか。それも読んでみたかったように思うけど、今読むことのできるせかまほⅢが好きだからこれでよかったのかな。 具体的な保証金額など生々しいお話も出てくるし、実際にはここに描かれた以上の悲しみや怒りがあったはず。それでもこの困難を乗り越えて世界の終わりの魔法使いⅢが出版されたことに感謝しかない。 魔法なんて信じないけど、サン・フェアリー・アンの愛の魔法なのかもしれない。プー。 これ読んだらとりあえず世界の終わりの魔法使い読みましょう。読む前でもよいです!!

クワトロバッテリー

2組のバッテリー、4通りの可能性 #1巻応援

クワトロバッテリー 高嶋栄充
sogor25
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野球マンガにおいて、投手と捕手の一組・"バッテリー"は絶対のパートナーとして描かれることが多い。野球というスポーツの特性上、攻撃は全員参加なのに対し守備は投手の占める比重が異常に高く、投手及びサインを出して投球をコントロールする捕手は、個々の能力以上に2人の間に強い信頼関係がないと成り立たないからだ。では、そのバッテリーが1チームに"2組"いるとしたら、果たしてどうなるのか。 幼馴染で中学からバッテリーを組む投手の夏速一汰と捕手の虹村優多郎、そして2人とは別の中学で天才バッテリーとして名を馳せる投手の天宮地大と捕手の氷波蓮。この4人が同じ高校に進む所から物語が始まる。当然中学時代は個々のバッテリーしか知らなかった4人は、高校でそれぞれの人間性や才能に触れるうちに徐々に心境が変化していく。 夏速はコントロール度外視で誰よりも速い球を投げることに全てを懸けていて、それに幼い頃から付き合ってくれていた虹村に全面の信頼を置いている。 虹村は夏速に対して絶対の友情を感じてはいるが、抜群のコントロールを持つ天宮の球を受け、"配球"という捕手としての醍醐味を初めて感じる。 天宮は自分への絶対的な自信から中学の頃から氷波と対立していたが、氷波の能力を最大限に認めていて、自分と組むのは彼しかいないと思っている。 氷波も同じ思いではいたが、ノーコンの夏速の投球を自身の指導で劇的に改善させられたことから、夏速を教育して成長させることの楽しさを感じ始めている。 というように、元々が別々の2組のバッテリーだった4人が同じチームになることにより、いつのまにか一方通行の4人片思いのような状態となってしまっている。しかも、それぞれの気持ちのベクトルの原点が元々の信頼関係や選手としての能力、もしくは自己実現の楽しさのような感情であったりと様々。 この"一方通行の四角関係"が、本来投手も捕手も1人しか試合に出られない高校野球という舞台においてどういう化学反応を引き起こすのか、これまでの野球マンガでは見られなかったものが見られそうでとても楽しみな作品。 1巻まで読了。

人間のいない国

無機質のなかに"やさしさ"が感じられる物語 #1巻応援

人間のいない国 岩飛猫
sogor25
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その国には400年の間、人間がいなかった。そこには自律式人形(ゴーレム)のみが活動しているだけ。そんな国に現れた1人の少女・シイ。彼女には昨日までの記憶がなく、なぜか三角頭のゴーレムに追われている。追われる中で駆け込んだ電車の中で、同じく電車に乗っていたゴーレム・バルブに助けてもらったことから物語が始まる。 シイの出自はほとんど謎に包まれており、物語が進むにつれて本当に少しずつ明らかになっていく。そしてその中で、賢いながらも年相応の感受性を持ち合わせているシイと会話機能すらなく心を持たないはずのバルブとが交流を深めていく様に素直に心を打たれる。表情豊かなシイと本来無機質であるはずのバルブの交流の中に不思議と"やさしさ"が感じられる。ちなみにバルブには違法改造を施されていることを示唆する描写があり、もしかしたらバルブのほうも何か秘密を抱えているのかもしれない。 また、舞台となる国は人間がいないにも関わらず荒廃しているわけではなく、多くのゴーレムたちによりあたかも社会活動が保たれてるかのような雰囲気を見せる。それは人間がいなくなった後も"人間への奉仕"という指示をゴーレムが守り続けているためで、形だけの国が保たれているからこそもしかしたら本当の意味での"ポストアポカリプス"を描いているのかもしれない。その雰囲気だけでも是非感じて頂きたい作品でもある。 1巻まで読了

魔女のマリーは魔女じゃない

史上最もコミカルな"魔女狩り"の物語 #1巻応援

魔女のマリーは魔女じゃない 小林安曇
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時は16世紀。神聖ローマ帝国は"魔女狩り"の最盛期である。勿論処刑される者の中に魔女はほとんどおらず、本物の魔女は密かに身を隠したり上手く人間社会に溶け込みながら生き永らえていた。 主人公の魔女・マリーも森の中の小屋に1人で済みながら薬草を提供するなどして人間社会との関わりを保っていた。この作品はそんなマリーと彼女の身に迫る魔女狩りの危機の物語 …を限りなくコミカルに描いた"スラップスティック魔女ライフコメディ"である! そもそもマリーは自身のことを魔女だと思っていない。ただちょっと箒で飛べたり悪魔を召喚できたりするだけである。ちなみに彼女の言動にツッコミを入れてくれる相棒のナハトは"カラス"である。 その上でマリーは人間社会との関わりを極力保とうとする。一応身を隠すために礼拝に参列したりはするのだが、魔女の使いと言われる黒猫を助けたり箒を武器にしたりして自ら墓穴を掘っていく。 その軽いノリとキレのいいボケツッコミを繰り広げながら、魔女狩りなどのシリアスな設定はしっかりと守られていてそのギャップが楽しい不思議な雰囲気がある。果たしてマリーは魔女狩りを避けながら平穏な日常生活を守ることができるのか。乞うご期待! 1巻まで読了

サメガール

強がり戦闘少女meets正直少年 #1巻応援

サメガール 雪本愁二
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

転入生の深田一花は、巨大魚の脅威と闘うヒロインだった!彼女は転入早々「私に近づくな!」と宣言する。しかし、隣の席の海月夏蔵は見てしまった。勇敢に巨大魚に立ち向かう一方で、闘いを恐れて泣いている一花の姿を……。 「彼女を守る!」と側にいようとする夏蔵と、彼にツンツンしながらも助けられる一花の、ドタバタバトル&ラブコメディ、面白カワイく進行中! ★★★★★ 「国家公安 対巨大海洋生物治安総局所属、サメガール!」と名乗りを上げて闘う一花は、一瞬、カッコいいのだが、それまでがどうも締まらない。 敵の巨大魚は、様々な魚種の性質が意外と面倒臭く、何処か抜けている一花は簡単に翻弄されてしまう。 それをサポートする夏蔵だが、特別な能力もない彼は、攻略法を見つけるまでに二人で翻弄されながら、いつもエッチなハプニングを起こしてしまう。 日常でもバトルでも、何とも締まらない二人が起こす笑いと、思春期的ドキドキ感が、可愛らしくて面白い! しかし要所で機転と漢気を見せる夏蔵と、それに応えて決める一花のコンビは、何となくいい感じ。そして馬鹿正直に、真っ直ぐに一花に接する夏蔵に、一花は困り、照れ、怒りながらも、彼を信頼し始め……。 このツンデレ、最高やで! 例えば『事情を知らない転校生がグイグイくる。』の川村拓先生や、山本崇一朗先生、または「ツイ4」に見られる様なラブコメを好まれる方には、「こういう先生方がバトル物を描かれたら、こんなかなぁ」という感じで是非読んでみていただきたい。 世界観的には、あらゐけいいち先生や、『不思議なゆうなぎ』の大庭直仁先生が好きな方にもおすすめ! サメのぬいぐるみを装着して繰り出す「サメパンチ」の決め絵が、凝ってて可愛くてすごくいい!

蠱毒の家【合本版】

ホラー?サスペンス?予想外の方向に進む"奇妙な同居生活" #1巻応援

蠱毒の家【合本版】 iwo
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電子書籍の新刊をチェックしていた時に見つけて、表紙に惹かれて購入。出版社も「コミディア」という聞いたことないけどちょっと引っかかる名前だったので調べてみると、「モッシュ!」という昨年できたレーベルの作品らしい。 https://mosh-comic.com/ なのであまり期待せずに読み始めたんだけど、これがとんでもなく面白い。 昆虫標本の収集が趣味の青年・蝶野が火事でその標本を自宅もろとも失ってしまい途方に暮れていると、そこに手を差し伸べてきた一人の男、昆虫学者の草薙出雲。草薙の厚意で彼が一人娘の當子と住まう洋館に宿泊させてもらえることになった蝶野だが、そこで蝶野は當子のある"秘密"を知ってしまう。 そこまでの展開はホラーっぽいんだけど、娘の秘密を知られた草薙は、加藤に危害を加えようとはせず、"共に暮らす"ことを提案する。こうして"秘密"を共有した3人の"奇妙な同居生活"が始まる。 まず、當子の正体の"秘密"が斬新で面白くて、ともすればこの設定だけで短編のホラーにできるんじゃないかと思う。さらにそこから、草薙のことをしつこく嗅ぎまわる警察官、草薙の助手をしていたが行方不明になった姉を探す少女と、サスペンスじみた人間関係が徐々に見えてきて、當子の"秘密"自体は1巻途中で明かされているのにどんどん謎が深まっていく感覚を覚える。加えて蝶野を始末せずに"共に暮らす"ことを選んだ草薙の真意という謎。おそらくそれらが全て複雑に絡んで結末の1点に収束するであろうと思うと、早く続きが読みたくて仕方ない。 1巻まで読了

能力 主人公補正

安心してください!鬱展開は(今のところ)ありません! #1巻応援

能力 主人公補正 鬼頭莫宏 当麻
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見るからにモブキャラな高校生、その名も加藤凡(ぼん)。そんな彼が通学中に助けた妖精からお礼として"能力 主人公補正"をもらった所から始まる物語。 (通学中に妖精と出会ってる時点でもう主人公属性アリなんじゃないの?)と思う人もいるかもしれませんが、実際に読んでみると、"能力 主人公補正"を授かる前と後で明確に(具体的に言えば1話22ページから)加藤が主人公補正の恩恵にあずかって変わっていることがわかります。 そこから加藤の身に訪れるまるでマンガのような展開。こうして彼が主人公の学園ラブコメストーリーが始まる…と思ったら、さすがにそこまで旨い話ではなくて。だって一口に"主人公"と言ってもいろいろありますよね…? ただ安心してください!恋愛要素はちゃんとありますし、1巻の最後までドタバタで楽しい展開がずっと続きます!「原作 鬼頭莫宏」の名前に怯える必要はありません! 鬼頭さんが"主人公補正"という言葉を最大限に拡大解釈して紡いでいるストーリー、そこに緩急自在でクオリティの高い当麻さんの作画が加わり、誰にでも薦められるエンタメ作品に仕上がってます。 ※ なおこのクチコミは1巻発売時点のものです。2巻以降の展開については保証しかねますのでご了承下さい。

女だって時間停止できるんだからっ!

女が時間停止したらエロいラブコメが誕生した #1巻応援

女だって時間停止できるんだからっ! さんりようこ
名無し

時間停止モノってAVなり漫画なりいっぱいありますよね…。とはいえ女側が時間を止める話ってそういえば読んだことなかったなって、これを読むまで気づきませんでした。作者がベテランのさんりようこ先生なのも気になりました!先生といえば自分はB型H系のイメージがあったので絵柄が違うことに驚きましたが、まったくノリがそのままなので安心しました。 主人公は生徒にもナメられるくらい気が弱い24歳の女教師の吉野貴和子。今まで恋愛をしたことも性経験もなかったが、時間を静止できる不思議な砂時計を拾ってからエロに対する好奇心が抑えられなくなっちゃった…!というストーリー。まあ、結論から言うと時間停止してすることは男も女も変わりない!!ですね。 エロ知識がゼロだった貴和子先生がまさかここまでやっちゃうとは!という驚きの連続ですが、いつも態度が悪かった不良の教え子が急に優しくなったりするトキメキ要素もちゃんとあるんです。実は砂時計の存在を知っている奴が他にいて狙われてたり、ラストでタイトル変えなきゃダメじゃない?くらいの衝撃的な展開があったり、盛りだくさんの1巻だったので2巻もめちゃくちゃ楽しみにしてます。

モンスターバンケット

ハオチー!最強のフードファイター饕餮(とうてつ) #1巻応援

モンスターバンケット 吉永龍太
ひさぴよ
ひさぴよ

18世紀の清朝を舞台にした、科挙ならぬ”食挙”に挑む奇想天外な中国怪異譚マンガ。 先祖代々伝わる家宝「饕餮の干物」を食べてしまった主人公・乾貴道。科挙試験に落ちた後、異常に腹が減り出し、食べても食べても腹が減るからさあ大変。そこへ謎の少女・暗娘が現れ、紫禁城の中で人知れず行われている"食挙"(大食いトーナメントのようなもの)に招かれるところから話は始まります。 「で、饕餮(とうてつ)って何なの?」という方のために簡単に説明すると、饕餮とは、中国神話に登場する伝説の妖怪で、何もかも食い尽くす悪神としても知られている存在です。作品の世界観としては、古代中国からの道教の思想が反映されており、中国怪異小説を彷彿とさせる雰囲気と、日本漫画が見事に融合しています。   饕餮を取り込んでしまった主人公ですが、次から次へと規格外の大食い試験に挑まされては、人間離れした食欲でクリアしていきます。その姿はまさにモンスターのごとく、読んでいて怖くなるほどの迫力です。 単なるフードバトル漫画というわけでもなく、物語は摩訶不思議な謎に満ちています。あとはもう、絵そのものを見てもらわないコトには伝わらないでしょう。 まずは1話だけでも試し読みしてみてください。非常にアクの強い作品ですが、ハマる人は必ずハマると思いますよ。