主人公・ゆう子の生活はたしかに雑ではあるんですが、個人的には親しみがわきます。自分が快適に暮らすためにたどり着いた結果だと思えば、雑でも彼女が幸せならそれでいいんじゃない?という気持ちに。 友人の佐々木(雑じゃない)も、ゆう子の雑さに文句を言ったりもするけど、楽しそうに雑な生活を送るゆう子を全否定したりしないし、それなりに尊重しているバランスの良い関係が読んでいてほっこり。 ハロウィンの仮装で、何かしらのキャラになるだろうといってパーカーを雑に重ね着するアイデアは、普通にいいなと思いました。
ジャケ買いして大当たりでした。表紙と帯を見た感じだとグルメ漫画なのかな?と思ったのですが、オカルトもあったり全員メガネキャラだったり色んな要素があって面白かったです。この作者さんの他の作品も読まなきゃ!と思いました。 今のところの大筋は主人公の家の裏に越してきた小説家のお姉さんが夜食を作ってくれて一緒に食べるというストーリーなのですが、どれも簡単に作れる料理ばかりなのもすごくいいです。おそらく作者自身がいつも作ってるのを描いてるんじゃないかな?ホットサンドって専用の道具がなくてもラップで作れちゃうんですね。真似してみようと思います。オカルト要素がより濃くなっていきそうな2巻が楽しみで仕方ないです! ちなみに巻末に収録されてる短編「思春期♡はじめて占い」はがっつりエロだったので、本編とのギャップにびっくりしました。ファンの方なら慣れてるのかな?この短編も主要キャラの二人がメガネだったのでこだわりの強さに感服しました。
まひるちゃんかわいすぎる育てたい!! 小学生くらいの女の子に見えるけど血を吸う口元がなかなかにグロいまひるちゃん。超ハードなパンチやキックで気持ちをあらわすまひるちゃん。 でも読めばわかる、まひるちゃん超かわE。超かわF…♡ 髪の毛を梳かす仕草やドールハウスを欲しがる姿を見たら八郎じゃなくても育てたい、幸せにしてあげたいと思うこと間違いなし。 怖がられてしまうのも仕方ないけど、お外に連れ出してあげたいしお友達できるといいよね…なんて思うと少し切なくなってしまう。UMAから学ぶ母性…。 チスイザルを最初チズザイルと読んでしまいました。LDH。
金髪縦ロールお嬢様界にまた素晴らしい逸材が現れましてよ。 ひょんなことから学園を仕切るザ・お嬢さま北条さんのために恋愛小説を書くことになった隠れWEB小説家の野上くん。 ビビりながら断るつもりが恐ろしいことになぜかふたりはお付き合いすることになるのです(本当になんで???) まぁ詳しくはあらすじを読んでくださいな。最高の設定なので…。 北条さんの高飛車っぷりは、見ててヒヤヒヤするほどですがそれらは全て照れと緊張の裏返し。自宅でメイドの吉田に喝と叱責を入れられる「吉田パート」でのギャップがかわいさを倍増させてます。もうずっと見ていたい。 アンジャッシュみたいなスレ違いが起きながらも徐々に距離が近づいていくふたりの関係に悶絶必至ですわよ!
世界の終わりの魔法使いⅢの原稿が魔法のように消えてしまったという事件のドキュメンタリー漫画。 トラブルをおもしろおかしく描いたものでもなければ、原稿を紛失してしまった出版社を告発するようなものでもない。 原稿紛失事故をきっかけに、漫画ってなんだろうという根源的な問い、消えたことによって新たに生み出されることとなったせかまほⅢ、ゆるやかな人と人との繋がり、それらすべてがどことなく世界の終わりの魔法使いとリンクしている。 失われたせかまほⅢは影の世界みたいにどこかで完璧に世界を繰り返しているのだろうか。それも読んでみたかったように思うけど、今読むことのできるせかまほⅢが好きだからこれでよかったのかな。 具体的な保証金額など生々しいお話も出てくるし、実際にはここに描かれた以上の悲しみや怒りがあったはず。それでもこの困難を乗り越えて世界の終わりの魔法使いⅢが出版されたことに感謝しかない。 魔法なんて信じないけど、サン・フェアリー・アンの愛の魔法なのかもしれない。プー。 これ読んだらとりあえず世界の終わりの魔法使い読みましょう。読む前でもよいです!!
根本に愛があるからこそ、憎たらしく思ってしまうんだろうな。 知的障害のある妹、知恵と東京でマンガ家を目指す兄、知幸。 物凄い生憎劇を想像していましたが、そこまでではなく、知幸の知恵への愛情が詰まった作品だなと思った。 大人になって変わった部分もあったのかな。 今後、二人がこれからもっと心を交わしていっていって彼らなりの家族、兄弟の形を作ってほしいなって思う。
野球マンガにおいて、投手と捕手の一組・"バッテリー"は絶対のパートナーとして描かれることが多い。野球というスポーツの特性上、攻撃は全員参加なのに対し守備は投手の占める比重が異常に高く、投手及びサインを出して投球をコントロールする捕手は、個々の能力以上に2人の間に強い信頼関係がないと成り立たないからだ。では、そのバッテリーが1チームに"2組"いるとしたら、果たしてどうなるのか。 幼馴染で中学からバッテリーを組む投手の夏速一汰と捕手の虹村優多郎、そして2人とは別の中学で天才バッテリーとして名を馳せる投手の天宮地大と捕手の氷波蓮。この4人が同じ高校に進む所から物語が始まる。当然中学時代は個々のバッテリーしか知らなかった4人は、高校でそれぞれの人間性や才能に触れるうちに徐々に心境が変化していく。 夏速はコントロール度外視で誰よりも速い球を投げることに全てを懸けていて、それに幼い頃から付き合ってくれていた虹村に全面の信頼を置いている。 虹村は夏速に対して絶対の友情を感じてはいるが、抜群のコントロールを持つ天宮の球を受け、"配球"という捕手としての醍醐味を初めて感じる。 天宮は自分への絶対的な自信から中学の頃から氷波と対立していたが、氷波の能力を最大限に認めていて、自分と組むのは彼しかいないと思っている。 氷波も同じ思いではいたが、ノーコンの夏速の投球を自身の指導で劇的に改善させられたことから、夏速を教育して成長させることの楽しさを感じ始めている。 というように、元々が別々の2組のバッテリーだった4人が同じチームになることにより、いつのまにか一方通行の4人片思いのような状態となってしまっている。しかも、それぞれの気持ちのベクトルの原点が元々の信頼関係や選手としての能力、もしくは自己実現の楽しさのような感情であったりと様々。 この"一方通行の四角関係"が、本来投手も捕手も1人しか試合に出られない高校野球という舞台においてどういう化学反応を引き起こすのか、これまでの野球マンガでは見られなかったものが見られそうでとても楽しみな作品。 1巻まで読了。
その国には400年の間、人間がいなかった。そこには自律式人形(ゴーレム)のみが活動しているだけ。そんな国に現れた1人の少女・シイ。彼女には昨日までの記憶がなく、なぜか三角頭のゴーレムに追われている。追われる中で駆け込んだ電車の中で、同じく電車に乗っていたゴーレム・バルブに助けてもらったことから物語が始まる。 シイの出自はほとんど謎に包まれており、物語が進むにつれて本当に少しずつ明らかになっていく。そしてその中で、賢いながらも年相応の感受性を持ち合わせているシイと会話機能すらなく心を持たないはずのバルブとが交流を深めていく様に素直に心を打たれる。表情豊かなシイと本来無機質であるはずのバルブの交流の中に不思議と"やさしさ"が感じられる。ちなみにバルブには違法改造を施されていることを示唆する描写があり、もしかしたらバルブのほうも何か秘密を抱えているのかもしれない。 また、舞台となる国は人間がいないにも関わらず荒廃しているわけではなく、多くのゴーレムたちによりあたかも社会活動が保たれてるかのような雰囲気を見せる。それは人間がいなくなった後も"人間への奉仕"という指示をゴーレムが守り続けているためで、形だけの国が保たれているからこそもしかしたら本当の意味での"ポストアポカリプス"を描いているのかもしれない。その雰囲気だけでも是非感じて頂きたい作品でもある。 1巻まで読了
時は16世紀。神聖ローマ帝国は"魔女狩り"の最盛期である。勿論処刑される者の中に魔女はほとんどおらず、本物の魔女は密かに身を隠したり上手く人間社会に溶け込みながら生き永らえていた。 主人公の魔女・マリーも森の中の小屋に1人で済みながら薬草を提供するなどして人間社会との関わりを保っていた。この作品はそんなマリーと彼女の身に迫る魔女狩りの危機の物語 …を限りなくコミカルに描いた"スラップスティック魔女ライフコメディ"である! そもそもマリーは自身のことを魔女だと思っていない。ただちょっと箒で飛べたり悪魔を召喚できたりするだけである。ちなみに彼女の言動にツッコミを入れてくれる相棒のナハトは"カラス"である。 その上でマリーは人間社会との関わりを極力保とうとする。一応身を隠すために礼拝に参列したりはするのだが、魔女の使いと言われる黒猫を助けたり箒を武器にしたりして自ら墓穴を掘っていく。 その軽いノリとキレのいいボケツッコミを繰り広げながら、魔女狩りなどのシリアスな設定はしっかりと守られていてそのギャップが楽しい不思議な雰囲気がある。果たしてマリーは魔女狩りを避けながら平穏な日常生活を守ることができるのか。乞うご期待! 1巻まで読了
転入生の深田一花は、巨大魚の脅威と闘うヒロインだった!彼女は転入早々「私に近づくな!」と宣言する。しかし、隣の席の海月夏蔵は見てしまった。勇敢に巨大魚に立ち向かう一方で、闘いを恐れて泣いている一花の姿を……。 「彼女を守る!」と側にいようとする夏蔵と、彼にツンツンしながらも助けられる一花の、ドタバタバトル&ラブコメディ、面白カワイく進行中! ★★★★★ 「国家公安 対巨大海洋生物治安総局所属、サメガール!」と名乗りを上げて闘う一花は、一瞬、カッコいいのだが、それまでがどうも締まらない。 敵の巨大魚は、様々な魚種の性質が意外と面倒臭く、何処か抜けている一花は簡単に翻弄されてしまう。 それをサポートする夏蔵だが、特別な能力もない彼は、攻略法を見つけるまでに二人で翻弄されながら、いつもエッチなハプニングを起こしてしまう。 日常でもバトルでも、何とも締まらない二人が起こす笑いと、思春期的ドキドキ感が、可愛らしくて面白い! しかし要所で機転と漢気を見せる夏蔵と、それに応えて決める一花のコンビは、何となくいい感じ。そして馬鹿正直に、真っ直ぐに一花に接する夏蔵に、一花は困り、照れ、怒りながらも、彼を信頼し始め……。 このツンデレ、最高やで! 例えば『事情を知らない転校生がグイグイくる。』の川村拓先生や、山本崇一朗先生、または「ツイ4」に見られる様なラブコメを好まれる方には、「こういう先生方がバトル物を描かれたら、こんなかなぁ」という感じで是非読んでみていただきたい。 世界観的には、あらゐけいいち先生や、『不思議なゆうなぎ』の大庭直仁先生が好きな方にもおすすめ! サメのぬいぐるみを装着して繰り出す「サメパンチ」の決め絵が、凝ってて可愛くてすごくいい!
家出状態の18歳無職、エリート営業マン、夜の仕事のスカウト、ミステリー作家という4人の男、そして作家の小学生の娘の5人で暮らすシェアハウス。いろんなドタバタが巻き起こるアットホームなコメディ。…かと思いきや、登場人物の不穏な動きが少しずつ見えてくる。シェアハウスで暮らしているといえども人間である以上は何かしら人には言えない秘密を抱えているものだとは思う。だけど、どうも彼らの抱えている秘密は普通とは違うようである。 この一筋縄ではいかない物語を、硬軟自在の巧みな画力で描かれている作品。どのキャラも表情豊かで、コメディな場面では画面全体から明るさが感じられ、逆にシリアスな雰囲気のときはキャラの表情に一気に引き込まれる。個人的にはハルタ系の作品が好きな人には刺さりそうな気がしてる。 ちなみにタイトルには"シェアハウスの物語"という以外にちゃんと意味があって、実はヒントが表紙に隠されていたりする。表紙の上のほう、よく見てみると…
電子書籍の新刊をチェックしていた時に見つけて、表紙に惹かれて購入。出版社も「コミディア」という聞いたことないけどちょっと引っかかる名前だったので調べてみると、「モッシュ!」という昨年できたレーベルの作品らしい。 https://mosh-comic.com/ なのであまり期待せずに読み始めたんだけど、これがとんでもなく面白い。 昆虫標本の収集が趣味の青年・蝶野が火事でその標本を自宅もろとも失ってしまい途方に暮れていると、そこに手を差し伸べてきた一人の男、昆虫学者の草薙出雲。草薙の厚意で彼が一人娘の當子と住まう洋館に宿泊させてもらえることになった蝶野だが、そこで蝶野は當子のある"秘密"を知ってしまう。 そこまでの展開はホラーっぽいんだけど、娘の秘密を知られた草薙は、加藤に危害を加えようとはせず、"共に暮らす"ことを提案する。こうして"秘密"を共有した3人の"奇妙な同居生活"が始まる。 まず、當子の正体の"秘密"が斬新で面白くて、ともすればこの設定だけで短編のホラーにできるんじゃないかと思う。さらにそこから、草薙のことをしつこく嗅ぎまわる警察官、草薙の助手をしていたが行方不明になった姉を探す少女と、サスペンスじみた人間関係が徐々に見えてきて、當子の"秘密"自体は1巻途中で明かされているのにどんどん謎が深まっていく感覚を覚える。加えて蝶野を始末せずに"共に暮らす"ことを選んだ草薙の真意という謎。おそらくそれらが全て複雑に絡んで結末の1点に収束するであろうと思うと、早く続きが読みたくて仕方ない。 1巻まで読了
見るからにモブキャラな高校生、その名も加藤凡(ぼん)。そんな彼が通学中に助けた妖精からお礼として"能力 主人公補正"をもらった所から始まる物語。 (通学中に妖精と出会ってる時点でもう主人公属性アリなんじゃないの?)と思う人もいるかもしれませんが、実際に読んでみると、"能力 主人公補正"を授かる前と後で明確に(具体的に言えば1話22ページから)加藤が主人公補正の恩恵にあずかって変わっていることがわかります。 そこから加藤の身に訪れるまるでマンガのような展開。こうして彼が主人公の学園ラブコメストーリーが始まる…と思ったら、さすがにそこまで旨い話ではなくて。だって一口に"主人公"と言ってもいろいろありますよね…? ただ安心してください!恋愛要素はちゃんとありますし、1巻の最後までドタバタで楽しい展開がずっと続きます!「原作 鬼頭莫宏」の名前に怯える必要はありません! 鬼頭さんが"主人公補正"という言葉を最大限に拡大解釈して紡いでいるストーリー、そこに緩急自在でクオリティの高い当麻さんの作画が加わり、誰にでも薦められるエンタメ作品に仕上がってます。 ※ なおこのクチコミは1巻発売時点のものです。2巻以降の展開については保証しかねますのでご了承下さい。
#1巻応援 4コマで自己肯定感の高い人と低い人が比較されながら描かれていたので分かりやすかったし、最後の最後に自分が何故、この四コマを読んだのか納得できた。スッキリした! 自己肯定感って言葉はどこから出てきたのだろう。高い低いも、うーん。謎。って思う。 私はこのマンガを読んで自分のそのまま、ありのままを受け止めるってことが大事なのかなと思いました。
日本が終戦を迎えた一年を描いていく漫画です。原作は作家の山田風太郎が23歳の医大生だった頃の日記「戦中派不戦日記」ですが、こちらの漫画は勝田文先生の絵柄が可愛いのでとても読みやすくなっています。他の漫画や映画でも見たことはありましたが、普通の人々の戦時中の生活ってこんな感じだったんだろうなって感触が今までで一番リアルにありました。日記なのでこれは事実だという強みがあるのと、風太郎が捉える日々のディティールが本当に豊かなんですよね。終戦の半年前でも銭湯に通っていたり、空襲が来たから無試験で進級できて喜んだり、世の中がどんなに混乱してても日常は当たり前にあるんだなって思うところは現代の状況にも通じますね。芸術に心惹かれながらも親が医者だったからという理由で医大生になった風太郎は少しひねくれたところが魅力なのですが、戦況が酷くなって打ちのめされていくと時代にのまれた心境になったりするのが悲しくて怖かった。今この漫画が連載されていることが自分にとっては心強いです。
※ネタバレを含むクチコミです。
時間停止モノってAVなり漫画なりいっぱいありますよね…。とはいえ女側が時間を止める話ってそういえば読んだことなかったなって、これを読むまで気づきませんでした。作者がベテランのさんりようこ先生なのも気になりました!先生といえば自分はB型H系のイメージがあったので絵柄が違うことに驚きましたが、まったくノリがそのままなので安心しました。 主人公は生徒にもナメられるくらい気が弱い24歳の女教師の吉野貴和子。今まで恋愛をしたことも性経験もなかったが、時間を静止できる不思議な砂時計を拾ってからエロに対する好奇心が抑えられなくなっちゃった…!というストーリー。まあ、結論から言うと時間停止してすることは男も女も変わりない!!ですね。 エロ知識がゼロだった貴和子先生がまさかここまでやっちゃうとは!という驚きの連続ですが、いつも態度が悪かった不良の教え子が急に優しくなったりするトキメキ要素もちゃんとあるんです。実は砂時計の存在を知っている奴が他にいて狙われてたり、ラストでタイトル変えなきゃダメじゃない?くらいの衝撃的な展開があったり、盛りだくさんの1巻だったので2巻もめちゃくちゃ楽しみにしてます。
恋愛より重い愛。 何かに長けて、何かが欠けた者どもの 生首ブッ飛び殺し「愛」。 愛を識るなら辞書引くよりこれ読んだ方が早い。 ルビ芸が好きな人 プリキュ◯が好きな人 描き手の全力の「これが描きたい」圧に殴られたい人 外連味に飢えた人 には特に超絶ブッ刺さる。賭けてもいい。 そうでなくても全人類におすすめしたい気持ちと こんなド深ェものを気安く他人に勧めて その後その人の人生に与える影響に責任が持てるのか…?という気持ちがせめぎ合うほど本当(マジ)におすすめです。 誇張でなく一生分の愛と生首を摂取できること請け合い、むしろ請け愛。 ①巻発売にあたり以前とは違い直感的にレビューを書いたのですが、特に伝えたいのは巻末おまけページの圧に本気でゾッとしたということ。 私はなんてものを愛してしまったんだろう?これもまた愛。表1表4も愛。悲しいくらいに愛しかない。生首ブッ飛び、殺し愛。 愛はここにある。
狛犬といっても見た目も中身も幼児なので、欲望にまっすぐ突き進んでは、巫女のいぶきに叱られる。 狛犬は、神様のお供え物のお下がりを食べるというしきたり上、毎日和食ばかり。しかし絵本やテレビでは、おいしそ〜〜〜うな外国の食べ物がたくさん。 そんなある日、どうしても和食以外が食べたいという2匹の切なるお願いに、いぶきも根負けして「米粉のピザ」を作ってあげたところ… こんなおいしそうに食べる生きものいる…?と思ってしまうほど一生懸命頬張る。もうこんな顔されたらなんでもあげたくなっちゃうじゃんよ…! 神社に関する基礎知識もしっかり解説してくれる親切な漫画です。 狛犬の他、お稲荷さんも2匹出てきますが、もれなく可愛いです。 癒やし漫画でもあり、グルメ漫画でもあり、親子でクッキングにチャレンジしてみたい人にも役立つかもしれません。
魔導士が生きていくすべを学ぶための私塾を営むレオンは多くの教え子を排出してきましたが、彼の最大のコンプレックスは彼自身には魔導の才能がないこと。 そこに連れてこられたのが天賦の才を持ちながら人と交わろうとせず厄介払いされてきた少年ゼクスです。 とにかく絵の力がスゴくて、キャラクターの感情がズシンと響く実にいい表情が毎シーン繰り出されてきます。自分が望んでも手に入らなかったものを持った教え子を前にしたレオンと、誰からも理解されず全てを拒もうとするゼクスの心の機微がぐわんぐわん押し寄せてくるんですよね…。 「師匠と弟子」の関係から始まる彼らふたりの心の交流がどう実を結ぶのか、じっくりと魅せてほしい作品です。
歴史上の人物が、何故か現代に来て、活躍する内容は時代感のギャップもあって面白い。 正直、そんなに歴史に詳しくないですが、、詳しくなくても楽しめた! 歌手目指す女の子のマネージャーになったかと思いきや、仕事できるし気遣いもできる敏腕マネージャー。 もはや馴染んで孔明の服装ですら個性として受け取られている。持ってる知恵もさすがのもので。 時代は変わっても、人間って生き物に関しては変わってないのかもしれない。なんて、深く考えてみたりもしました。笑 気軽に読める作品でした。
いつもツンツンしている先輩が、根は優しいのにそれが周囲に伝わらず、時々みせる可愛らしい面にドキッとする感じ。 ツンデレ?ともちょっと違う感じがする。 本作は、あざとい感じをあまり受けないんですよね。 いわゆる露骨にデレデレせず、例えば顔真っ赤にしたハニカミの表情ですべてを物語るとか。これが良いんです。 目だけ彩色されているのも新しいですね。気持ちがグッと伝わります。 基本は、優秀な先輩なんでしょうけど、随所に背伸びしてポンコツになる具合もまた良し。焦ると方言も出るという可愛いおまけつきです。 2巻は後輩と沖縄旅行に行くらしいですが、どう暴走するのか気になります。
こんなにもひとことでは表せない感情が渦巻く猫マンガは初めて読みました。 いや、もうハッキリ言おう。猫マンガって書いたけど猫じゃない。アイツ猫じゃないよ!でもいい子だしかわいいよね!!猫じゃなさすぎるから、名前を「ねこ」って付けちゃってるし。 キモくて怖いけど、それ以上に可愛いねこと、飼い主のイガイ。ふたりの間には、愛しかない。それは普通の猫と飼い主の間柄と何ひとつ変わらないです。 ねこのキモさを最大限表現したアニメーション作って欲しいです。
18世紀の清朝を舞台にした、科挙ならぬ”食挙”に挑む奇想天外な中国怪異譚マンガ。 先祖代々伝わる家宝「饕餮の干物」を食べてしまった主人公・乾貴道。科挙試験に落ちた後、異常に腹が減り出し、食べても食べても腹が減るからさあ大変。そこへ謎の少女・暗娘が現れ、紫禁城の中で人知れず行われている"食挙"(大食いトーナメントのようなもの)に招かれるところから話は始まります。 「で、饕餮(とうてつ)って何なの?」という方のために簡単に説明すると、饕餮とは、中国神話に登場する伝説の妖怪で、何もかも食い尽くす悪神としても知られている存在です。作品の世界観としては、古代中国からの道教の思想が反映されており、中国怪異小説を彷彿とさせる雰囲気と、日本漫画が見事に融合しています。 饕餮を取り込んでしまった主人公ですが、次から次へと規格外の大食い試験に挑まされては、人間離れした食欲でクリアしていきます。その姿はまさにモンスターのごとく、読んでいて怖くなるほどの迫力です。 単なるフードバトル漫画というわけでもなく、物語は摩訶不思議な謎に満ちています。あとはもう、絵そのものを見てもらわないコトには伝わらないでしょう。 まずは1話だけでも試し読みしてみてください。非常にアクの強い作品ですが、ハマる人は必ずハマると思いますよ。
主人公・ゆう子の生活はたしかに雑ではあるんですが、個人的には親しみがわきます。自分が快適に暮らすためにたどり着いた結果だと思えば、雑でも彼女が幸せならそれでいいんじゃない?という気持ちに。 友人の佐々木(雑じゃない)も、ゆう子の雑さに文句を言ったりもするけど、楽しそうに雑な生活を送るゆう子を全否定したりしないし、それなりに尊重しているバランスの良い関係が読んでいてほっこり。 ハロウィンの仮装で、何かしらのキャラになるだろうといってパーカーを雑に重ね着するアイデアは、普通にいいなと思いました。