世界の終わりの魔法使いⅢの原稿が魔法のように消えてしまったという事件のドキュメンタリー漫画。
トラブルをおもしろおかしく描いたものでもなければ、原稿を紛失してしまった出版社を告発するようなものでもない。
原稿紛失事故をきっかけに、漫画ってなんだろうという根源的な問い、消えたことによって新たに生み出されることとなったせかまほⅢ、ゆるやかな人と人との繋がり、それらすべてがどことなく世界の終わりの魔法使いとリンクしている。
失われたせかまほⅢは影の世界みたいにどこかで完璧に世界を繰り返しているのだろうか。それも読んでみたかったように思うけど、今読むことのできるせかまほⅢが好きだからこれでよかったのかな。
具体的な保証金額など生々しいお話も出てくるし、実際にはここに描かれた以上の悲しみや怒りがあったはず。それでもこの困難を乗り越えて世界の終わりの魔法使いⅢが出版されたことに感謝しかない。
魔法なんて信じないけど、サン・フェアリー・アンの愛の魔法なのかもしれない。プー。
これ読んだらとりあえず世界の終わりの魔法使い読みましょう。読む前でもよいです!!
描き下ろしマンガ原稿が出版直前に67ページまるまる紛失!! 『世界の終わりの魔法使い』に実際に起こった魔法のような原稿紛失事故を、作者自身がドキュメンタリー・マンガ化。原稿とは? 複製とは? そしてマンガ表現とは? 気鋭の批評家・大谷能生氏による論考も完全収録。
描き下ろしマンガ原稿が出版直前に67ページまるまる紛失!! 『世界の終わりの魔法使い』に実際に起こった魔法のような原稿紛失事故を、作者自身がドキュメンタリー・マンガ化。原稿とは? 複製とは? そしてマンガ表現とは? 気鋭の批評家・大谷能生氏による論考も完全収録。