没入感が半端なかった
一日中フリージアを読んでたら脳が疲れた…。でも途中でスーパーに行っても世界観が頭から離れなくて、現実でも敵討ち法が適用されている気がしながら夕飯を買ってました。一度読んだくらいじゃストーリーを把握できないけど、没入感は半端なかったです。主人公の叶ヒロシがすごくいいキャラクターだったから、幽霊殺しの時みたいなカッコいい戦闘シーンがもっと見たかったけど、そこはストーリーの本質ではないということなんでしょうね…。ケイコのこととオチには上手くハメられました。面白かったです!!
戦時下の日本で生まれた「敵討ち法」に基づき、敵討ち執行代理人となった叶ヒロシ。己を“弱者”と自覚することで、危険を察知する能力を身に付けた青年が、いま犯罪被害者に代わって“復讐”を果たす!!厳しい不況のさなか、ヒロシは都内にある法律事務所の面接を受けることに。カフェでそのことを嬉しそうに女性に語るヒロシだったが、それは幻想であり、周囲からはただ独り言をしゃべる男としか映っていなかった。翌日事務所を訪れたヒロシは、彼の就職を推薦したヒグチという女性と出会う。その女は、幻想の彼女と瓜二つで…。
この作品は愚かな社会システムにより生み出され、気が狂った国民同士による争いを、合法化された復讐という社会システムで抹消するという負の循環によって成り立っている。
そんな世界で認知症の母を抱え、統合失調症を患う主人公のヒロシは生き延びる為、徹底的に他者にも社会問題にも不干渉を貫こうとする。
そんな中、復讐代行の職についた主人公は不干渉を極めた為に、暗殺の際に姿をくらます特技を覚えたのだろう。
狂ってしまった世界を表現する為にボールペンで描いた様な揺ら揺らと不安定な歪んだ線がこちらを刺激するのだ。背景やカット割りがかなり上手い。序盤コマ割りが多く読みづらいが、後半になるにつれどんどん上手くなる。5巻の見開きはついハッとさせられてしまった。
ヒロシは統合失調症を患っていたんですか?電波系の物言いをするキャラクターだと思っていましたが…
電波系とは基本的に統合失調症の蔑称だと思います。統合失調症に罹った人間がよくこの手の発言をするので…さらにイマジナリーフレンドがいたり精神の安定を保つ為か他者に干渉されるのを嫌います。溝口も最終的に精神科医にかかるほど狂っていきますし。