モリのアサガオを読んでから死刑制度について考えるようになったのですが、死刑制度と切っても切り離せない問題が冤罪ですよね。この「デコちゃんが行く」は袴田巖さんのお姉さんの半生を描いた漫画です。ニュースで報道される袴田事件はどこか対岸の火事のように捉えてしまいますが、この漫画は中学生が読んでも理解できるくらい分かりやすいので、自分に起きた出来事のように考えるきっかけになりました。まず無実の罪で投獄されるなんてあってはならないことです。そして日本では死刑当日に本人に告知されることになっていて、そうした常に明日にも死ぬかもしれない状況下にいることで拘禁症状が出てしまった巖さんの悲痛を思うと胸が張り裂けそうになりました。しかしお姉さんは弟の無実を信じて行動を続けるのです。60年も。けれどもこの漫画を読んで感動したで終わらせてはいけません。もう二度とこんなことが起きないようにするにはどうすればいいかを一人一人が考えることが大事なんだと思いました。

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モリのアサガオ

死刑を執行する刑務官

モリのアサガオ
かしこ
かしこ

死刑という重いテーマと真正面から向き合った作品です。父親のコネで刑務官になり死刑囚と接することになった実直な性格の主人公・及川。凶悪殺人犯のことが怖いと感じるのは彼らのことを理解しようとしないからだ…という考えに至ってからは、積極的に彼らと関わり更生の道を一緒に模索するようになります。しかし心を入れ替えて自らの罪と向き合ってもすでに決まっている死刑からは逃れることは出来ません。いくら凶悪殺人犯とはいえ国が人を殺してしまう、命を持って罪を償うという死刑制度は本当に正しいのか、主人公は疑問に思うようになります。 登場する死刑囚たちの中でも渡瀬という男と主人公の物語を主軸に描かれていますが、個人的には食堂を経営していた家族を惨殺してしまった星山がメインの回が一番心に残りました。主人公が人形を手作りして家族というものを思い起こさせて自分の罪を認識させることに成功する訳ですが、改心してすぐに死刑が執行される展開にはなんとも言えなくなりました。そういう流れを組みながら親友と言えるまで深い仲になった渡瀬からの「死にたくない」という望みを主人公が却下したのには驚きです。最終的には疑問を持っていた死刑制度についても、死と向き合うことが自らの罪を反省するきっかけに繋がるんじゃないかという考えになっていました。 しかしモリのアサガオ2で、渡瀬の死に携わってから主人公が精神を病んだことが描かれていて、やはりこの問題は深い森の中にあるのだなと思いました。

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