「ジョージ・ルーカスの生い立ち」と「『スター・ウォーズ』誕生までの舞台裏」を描く 壮大な一大叙事詩がこの1 冊に! 昨年秋、フランスで発売されるやいなや、初版5 万部が即日完売!! 『スター・ウォーズ』ファンが⾧く待ち続けた待望の1 冊!! ##解説 いまや映画業界における伝説ともなっている、ルーカスの生い立ちから、無名時代におけるスタジオとの戦い、『スター・ウォーズ』が誕生するまでの数々の苦悩と挑戦、そしてそれを支えてきた当時の妻や友人たちとのエピソードが、本書でついに明らかにされる!? これまで封印されてきた泥臭い人間模様から、既に忘れ去られている細かな出来事まですべて網羅して構成された本書は、公式本では絶対出てこない話ばかり。また、このルーカスの成功物語は、それ自体が壮大な一大叙事詩ともいえる内容で、ファンはもちろんのこと、現代に生きるすべての人の心に強く響く。本国フランスでは5 万部が即日完売。ジョージ・ルーカスと夢を諦めずにいるすべての人たちに捧げられた、フランス版コミック翻訳本の決定版。 ##内容 1977年に公開され(日本公開は78年)、映画史に残る大ヒットを記録した『スター・ウォーズ』。その舞台裏には、波乱に満ちた出来事が日夜繰り広げられていた!? 本書はルーカスの幼少期から、反抗的でカーレースに明け暮れていた青春時代までさかのぼる。死の淵をさまよう大事故に見舞われ、九死に一生を得たルーカスが人生を考え直して進んだのは映画製作の道。注目された学生時代、スピルバーグやコッポラとの出会い、スタジオに評価されなかった無名時代、『スター・ウォーズ』の構想から製作、次々と降りかかる災難、最後の最後までルーカスの才能に懐疑的だったスタジオ、そして大成功を収めるまでの激動かつ苦難の日々が描かれる。
ジョージ・ルーカスの半生、とりわけ『スター・ウォーズ』第1作のメイキングから完成に至るまでに尺を割いて描いたノンフィクションです。
お化け屋敷を営んで創造性を発揮する一面もありながら基本的には控えめな少年だったころ。命の危険にも晒され、人生の転機が訪れたティーンズ時代。コッポラやスピルバーグに出逢った若かりしころ。
登場するたくさんのビッグネームは、『スター・ウォーズ』を観ていない人でも楽しめます。
オーディションに来るのはまだ今のように有名ではなかったころのジョディ・フォスター、ジョン・トラヴォルタ、トミー・リー・ジョーンズなどなど錚々たる顔ぶれ。
ハリソン・フォードもまだ俳優業だけでは食べられず、他のバイトもしながら食い繋いでいたという時代で、撮影の際の裏話などもたくさん登場します。
スポンサー・配給会社とのタフな交渉に、現場の壮絶なマネジメント。多くの人が面白さを理解できず、SFなんてヒットするわけがないと言われていた時代に途轍もない記録を生み出した『スター・ウォーズ』第1作目ができるまで。
そんなの間違いなく面白いに決まってますし、帯文で山崎貴監督が言うようにこれ自体を映画として出したらそれも大ヒットしそうです。フランスでこちらが出版された際には5万部が即日完売したというのも頷けます。
今現在存命中の世界的に知名度のある偉人・有名人の中でも、こうした形で物語って面白い人物を考えたときにジョージ・ルーカス以上にうってつけの人はなかなか思いつきません。
映画を作るのが並大抵ではない苦労を伴うのは素人でも想像がつきますし、ましてや1000人規模の現場を回すに当たっては紙幅に収まらない辛いこともたくさんあったでしょう。1作目の段階で倒れるほど体調を壊してしまうのも仕方ないと思います。
しかし、いち『スター・ウォーズ』ファンからするとインダストリアル・ライト&マジック社を立ち上げてなしえた原初のSFXであったり、R2-D2やC-3POにまつわる舞台裏などは読んでいて楽しくて仕方ありません。
特に心に残ったのは『スター・ウォーズ』の最後のピースとなる音楽が最終段階でも決まっていなかったところで、契約に漕ぎ着けられたのは『ジョーズ』などでもお馴染みのジョン・ウィリアムズ。僅か3週間で90分分のオリジナル・サウンドトラックを完成させたという彼の曲を初めて最終的な形でルーカスが聴くことになる場面。
思わず私にもあの『スター・ウォーズ』のテーマ曲が脳内に鳴り響くと共に、感動と興奮が伝わってきてブワッと泣けてきました。その後、ルーカス氏はその素晴らしさを30分にわたって電話で熱弁したそうですが、それはそうでしょう! と。
音楽というものもまた、単体でも何十年経っても記憶に残るもの。特に『スター・ウォーズ』のあの曲は、あの字幕と共に脳裏に焼き付いています。
また、本書を読んで『スター・ウォーズ』を語る際にあまり出てこないもののとても重要な人物だと感じたのが、何度も何度も20世紀フォックスの上層部からストップがかけられるもののルーカスの映画に心酔して粘り強く説得し、最後には自分のクビまでかけて制作費の拠出がストップすることを凌いだアラン・ラッド・ジュニア。
本気の本気で行われたもの・創られたものはたとえ大半の人には理解されなかったとしても深々と刺さる人がいるもので、ジョージ・ルーカスが作ったものの本質的な部分がアランに伝わり、最初の熱狂へと繋がっていったことは胸が熱くなります。
ある意味でビジネスなどとも通ずるものがあり、iPhoneのように世界を革命する真に斬新なものというのは最初はその良さや凄さが真には理解されないものなんですよね。多くの人が反対し、そんなもの上手くいくわけがない、価値がないというものこそ断行する意義がある。アランがいなければ『スター・ウォーズ』も世に出ていなかったかも知れないと考えると、たとえ自分ひとりだけでも心が最高だと思ったものを、しっかりと最高なのだと推し続けることがいかに大事かとも思います。
『スター・ウォーズ』ファンはもちろんのこと、世界最高の映画がどのようにして作られたのかというドラマはファンでなくとも一見の価値があります。人類史における営みというマクロな視点で見ても、普遍的な価値をいくつも発見できるでしょう。