禍々しいものを集めるのが好きな、勇者だったおじいさん。
若い頃は仲間に理解してもらえず、今も普通の人には理解しづらい趣味らしい。唯一理解してくれたのは魔王。
ちなみに、勇者の剣は魅力的じゃないので扱いがぞんざい。
魔法もうろ覚えになってきて、加齢によるボケを本人も感じてたおじいさん。
とはいえ、老いても勇者としても体力やらなんやら持つおじいさん。
こんな人が完全にボケて興奮して暴れた場合、いったいどうしたらいいんだろう。
若いうちに「魔王がいなくなった今、お前が一番危険なやつだ!」と処分するのはそのせいもあるんだろうか。
「ヒンメルなら…」みたいなセリフを言ってくれそうな仲間もいないので、勇者は人生をいつでも仕舞えるよう、終活することに。
まずは禍々しいコレクショングッズ(不用意に触るとえらいこっちゃ)の処分。
続いて、人間関係もフェードアウトでなく、きっちりおしまいにすることに。
勇者だけあって、めちゃくちゃなパワーがあるものの、根っこは良い人なんだなあ、と読んでいてしみじみ思った。
勇者が魔王を打ち倒し世界に平和が訪れてから数十年がたち、勇者は魔法の呪文がうろ覚えになるほどに老いていた。そんな勇者のもとに魔王軍の残党が襲い掛かったことがきっかけで、勇者は再び旅立つことを決意する。今度は世界を救う旅ではなく、人生を振り返る“終活の旅”に――。
勇者が魔王を打ち倒し世界に平和が訪れてから数十年がたち、勇者は魔法の呪文がうろ覚えになるほどに老いていた。そんな勇者のもとに魔王軍の残党が襲い掛かったことがきっかけで、勇者は再び旅立つことを決意する。今度は世界を救う旅ではなく、人生を振り返る“終活の旅”に――。