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とんちで知られる一休宗純。その人生は波乱にみちたものであった。将軍、天皇、僧侶、侍、民衆…さまざまな身分の人間の思惑が混ざりあい、混乱を極める室町時代。高貴な身分でありながら出自を隠し、真剣に悟りを目指す一休宗純は迷いながら懸命に生きる。矛盾と不条理と苦しみに満ちた世間のなかで、どのように生き、そして死ぬのかを考えるきっかけとなる傑作。アングレーム国際漫画祭遺産賞を受賞し、世界からの評価が高まる坂口尚。その遺作となる本作は、日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した幻の作品。大判かつ高精細な印刷で、人生の指針を与えてくれる本作をお楽しみください。第1巻で描かれるのは、愛する母の引き離されて仏門に入ることとなった一休の幼少期から、青年となり師匠である謙翁宗為との出会いと別れ。
最終話での「争いを無くしたいなら平安も求めぬことだ 平安という夢を… 信仰を…!」「この世は夢と夢がぶつかり合っている…」という一休さんのセリフは、石の花を描いた人が言ってるんだと思うと尚更に重みがありますね…。
坂口尚作品をまだ全部読んでないけど共通のテーマとして「より善く生きるにはどうしたらいいか」があるような気がしていて、それに対してあっかんべェ一休は最大のアンサーだと思いました。私はこれを読んで新たな扉が開きました。今の世の中で「自分を疑う」ことが出来てる人はどれくらいいるのだろうか…。