武田信玄の感想 #推しを3行で推すにコメントする
武田信玄
大河ドラマにもなった傑作
武田信玄 横山光輝 新田次郎
酒チャビン
酒チャビン
わたし加入している動画配信サービスがNHKオンデマンドだけという無類の大河ドラマ好きなのですが、当時大ヒットして最高視聴率となっていた「独眼竜政宗」の跡を受けて放映された「武田信玄」の原作小説(新田次郎先生)の横山光輝先生によるコミカライズ版です! 当然大河ドラマは全話見ましたし、小説版も読了済みです!!! こちらのコミカライズ版は、さすが横山先生というか、大河ドラマの中井貴一(武田信玄役)&柴田恭兵(上杉謙信役)による、ちょいトレンディ入りかけの、でもしっかりした歴史ドラマ感とは異なり、完全に横山ワールドです!「ジャーーン ジャーーン」という銅鑼が鳴り響けば気分は三国志なのですが、戦国時代の日本に銅鑼はなかったので、そうはなりません。 大河・小説・マンガと読んでみてわかったのですが、横山先生の話のまとめ方が異常なくらいすごいですね。ものすごくテンポ良く進むのですが、決して先を急いて端折ってる感じではなく、幹の部分と枝葉の部分をコントラストをつけて描かれているので、全10巻を読み終わったときは大河ドラマ50話見終わった際と同等の感慨がありました。 これは本当に奇跡的な筆力だと思います。
天国に生まれた僕らの話 石田ゆう短編集
今を生きる喘鳴が聞こえる短編集 #1巻応援
天国に生まれた僕らの話 石田ゆう短編集
兎来栄寿
兎来栄寿
『妄想フライデー』の石田ゆうさんが、これまで描いた短編5つを雑誌・出版社の垣根を越えて収録した短編集です。 「光のゆくえ」 やっと就職できて半年働くことを続けられたと思ったら、大規模な電波障害により街の人々と共にみんなスマホが使えなくなり途方に暮れているところで「ネットを使える場所を知っている」というバニーガールに出逢う一夜の話。 「美人は三日では飽きない。」 大学を中退し就活23連敗中の25歳フリーターで、美人にトラウマと嫌悪感を持つ青年が新たに美人と出逢う話。 第84回ちばてつや賞ヤング部門大賞。 「犬も喰わない僕」 8年ぶりに東京から帰ってきた地元で、昔馴染みの画家を目指す20歳の女の子に自分は今漫画家であると偽る天才になれないアシスタントの青年の話。 ヤングマガジン月刊賞入選作。 「彼女とわたし」 外国人のような風貌の転校生が、クラスのアイドル優子の一言をきっかけに不登校になり「魔女」と仇名されるようになって、本来カーストは下なのに優子のグループに属する主人公が同じ団地に住んでいる魔女とある契約を交わす話。 「ブルーブルースプリング」 高校卒業以来7年ぶりに学校の制服を着て遊んでいたら、夜の公園で女子高生と知り合うお話。 個人的には『コミックビーム』に載っていた「彼女とわたし」がとても好きで、去年読んだ読切の中でも特に印象的だった作品のひとつです。 かわいくて穏やかなのに端々から性格の悪さを感じさせる優子ちゃん。彼女を中心とするグループに必死にしがみつく主人公。学校生活における人間関係の息苦しさのリアルさ。脆い尊厳を容易く踏み躙られた悔しさや悲しさ。それでも、そこから始まるシスターフッドの美しさ。 写実的な画風で、全作品を通して背景や小物も緻密に描かれているのもリアルさを底上げしています。生きることに向いていなかったり自分や他人を受け入れられなかったり、それぞれに思い悩む現代の人間たち。おのおのの蟠りを煮詰めながらも、最後の「ブルーブルースプリング」と巻末のおまけで読後感はすっきりとしています。 若々しさ溢れる部分もあり、今後のさらなる活躍も楽しみになる1冊です。
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