あらすじ

諏訪より松本に攻め込んだ武田晴信(後の信玄)を待っていたのは頑強な安曇武士だった。死闘の末、これを下した晴信は、次なる目標砥石城に向かう。しかし、長尾景虎(後の上杉謙信)の援助を受けた砥石城は想像以上に堅牢で、晴信は潰走してしまう……。
武田信玄(1) 骨肉の巻 

『三国志』『鉄人28号』などで知られる横山光輝が、『劒岳点の記』の新田次郎の名作『武田信玄』を原作とし、戦国の猛将・武田信玄を描く!殺さねば殺される、それが戦国のならい――。時は天文、武田晴信(後の信玄)は、実父である甲斐領主・武田信虎との確執に悩んでいた……。乱行をくりかえす信虎に見切りをつけた一部の家臣が晴信をけしかけるが……。風林火山の旗印を掲げ、戦国を駆け抜けた武田信玄の物語が始まる。

武田信玄(2) 戦国無情の巻

父を追いやり新しい領主となった武田晴信(後の信玄)を待っていたのは、愛妾・おここの死だった……。悲しみも癒えぬ間に、諏訪・小笠原連合軍が甲斐に侵入したとの知らせが入る。いそいで準備をととのえるべしと進言する家臣をよそに、晴信はその場にいたわずか100騎の手勢をひきつれ、大軍に挑みかかるが……。

武田信玄(3) 阿修羅の巻

領主となって僅か2年で諏訪・佐久・小県を手中に収め、順調に領地を拡大する武田晴信(後の信玄)。元奉行衆の今井兵部から甲斐に眠る金鉱脈の存在を報告され、日向三郎からは鉄砲製造の絵図面が届き、天下統一の夢はいよいよ具体的になっていく。

武田信玄(4) 越後の竜の巻

諏訪より松本に攻め込んだ武田晴信(後の信玄)を待っていたのは頑強な安曇武士だった。死闘の末、これを下した晴信は、次なる目標砥石城に向かう。しかし、長尾景虎(後の上杉謙信)の援助を受けた砥石城は想像以上に堅牢で、晴信は潰走してしまう……。

武田信玄(5) 竜虎の巻

北条軍と対峙する今川義元の要請を受け、武田晴信(後の信玄)は実弟・信繁を総大将とする援軍を派遣する。晴信自身が出陣していないことで、武田軍に攻める気がないものと思い込んだ北条軍は力攻めをかける!しかしそれは晴信の仕組んだ巧妙な罠だった……。

武田信玄(6) 霧の巻

仏門に入り信玄と名を改めた武田晴信は、国力を増大させるため、同盟国・駿河の安倍金山に目を付ける。折しも、駿河の今川義元は、敵対する織田領に攻め入ろうとしていた。武田軍の間者・山本勘助は、織田軍に今川義元の居場所を教え、奇襲を成功させようとするが……。運命の桶狭間の戦いが始まる!

武田信玄(7) 川中島の巻

時は永禄、場所は川中島。因縁の宿敵・上杉謙信との苛烈な戦いの幕が静かに上がる。信玄は、川中島を覆う濃霧に身を隠し、奇襲を図る!しかし謙信は武田信玄の策に勘づき、逆に罠を仕掛けていた……。それを知った信玄の家臣・山本勘助は、決死の覚悟で敵軍突破を図るが……。

武田信玄(8) 駿河争奪の巻

武田信玄の息子・勝頼の策により箕輪城は武田の手に落ちた。ついに関東にも勢力を伸ばした信玄だったが、時同じくして織田信長は第15代将軍・足利義昭を後ろ盾に上洛を果たす。信玄は一刻も早い上洛を目指し、混乱する駿河の国への侵攻を決める。

武田信玄(9) 関東三強の巻

関東で覇を争う、武田信玄、上杉謙信、北条氏康の3大名はお互いに決定打を欠いたまま、牽制しあっていた。駿河をその掌中におさめた信玄は、駿河湾を覆う巨大な水軍を興そうと考える。着実に天下統一への道を歩み始めた信玄ではあったが、その身体は、病魔に蝕まれつつあった……。

武田信玄(10) 巨星墜つの巻

大軍の準備は整い、織田信長包囲網も完成し、西上を目指す信玄の障害となるものは最、もはやなにもなかった。しかし信玄は、病に伏し立ち上がることも出来ずにいた。一時的に回復した身体で京を目指すが……。甲斐の虎と呼ばれ、天下を目前に逝った猛将・武田信玄の物語がここに完結!!

武田信玄

大河ドラマにもなった傑作

武田信玄 横山光輝 新田次郎
酒チャビン
酒チャビン

わたし加入している動画配信サービスがNHKオンデマンドだけという無類の大河ドラマ好きなのですが、当時大ヒットして最高視聴率となっていた「独眼竜政宗」の跡を受けて放映された「武田信玄」の原作小説(新田次郎先生)の横山光輝先生によるコミカライズ版です! 当然大河ドラマは全話見ましたし、小説版も読了済みです!!! こちらのコミカライズ版は、さすが横山先生というか、大河ドラマの中井貴一(武田信玄役)&柴田恭兵(上杉謙信役)による、ちょいトレンディ入りかけの、でもしっかりした歴史ドラマ感とは異なり、完全に横山ワールドです!「ジャーーン ジャーーン」という銅鑼が鳴り響けば気分は三国志なのですが、戦国時代の日本に銅鑼はなかったので、そうはなりません。 大河・小説・マンガと読んでみてわかったのですが、横山先生の話のまとめ方が異常なくらいすごいですね。ものすごくテンポ良く進むのですが、決して先を急いて端折ってる感じではなく、幹の部分と枝葉の部分をコントラストをつけて描かれているので、全10巻を読み終わったときは大河ドラマ50話見終わった際と同等の感慨がありました。 これは本当に奇跡的な筆力だと思います。