親権のためにあえて離婚しない男にコメントする
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離婚しない男

社会問題に斬り込む意欲作 #1巻応援

離婚しない男 大竹玲二
兎来栄寿
兎来栄寿

近年、「実子誘拐」が大きな問題になっています。もっと言えば、そうした人権にまつわる問題に関わる弁護士や政治家、官僚、NPO、活動家等に対して強い疑義が呈されるようになってきています。 「実子誘拐」という言葉を聞いたこともない、という方は以下のような記事を読むとその内容が解るかと思います。 「実子誘拐ビジネス」とは?共同親権問題、マスコミが報じない弁護士業界のリアル https://sakisiru.jp/37276 「実子誘拐ビジネス」の闇 人権派弁護士らのあくどい手口 https://findmyparent.org/ja/knowledge-base/「実子誘拐ビジネス」の闇 人権派弁護士らのあ/ 先日、そんなとんでもない助言を行なっていた弁護士と元妻を訴訟した裁判の2審判決が出て、子連れ別居を助言したことは違法とされました。 「子連れ別居を助言」は違法 元妻と弁護士2人、2審も敗訴 - 産経ニュース https://www.sankei.com/article/20230126-GDW6NAGO3FJF3N3YN3VUPZKFXA/ 何とか1審に続いて人倫に悖る判決が出なかったことに安堵しています。しかし、この件で助言をした弁護士のことを数十人もの弁護士が擁護しているのは異様です。子供を不幸にしながら、直接的にしろ間接的にしろ利益を得るなどということが断じてあってはいけません。 どうしてこんなことが起こってしまうのかは上記の記事にもある通りですが、何しろ母親の権利があまりに強く、仮に母親が子供を虐待していて父親の方が適切な子育てを行なっていたとしてもなお父親が親権を得るのが非常に難しく、またその勝ち目の薄い仕事を引き受ける弁護士も非常に少ないという現実があります。 そこに果敢に切り込んでいったのが、本作です。不貞を働くあまりに酷い母親から愛娘を引き離して暮らしたいものの、正当な方法で親権を得るために、法的な制約により離婚をすることすら許されない父親の重苦の戦いが描かれていきます。 娘を大事に育てたいという真っ当なその願いを、人間を守るはずの法が阻害するという矛盾。父親の怒り、悲しみ、憎しみ、無力感、やるせなさ……さまざまな感情が強く伝わってきます。 この物語を読めば、誰もが「こんなことが罷り通るのはおかしい」と思うことでしょう。でも、独身で興味がなくそんな法になっていることを知らなかったという人も多いと思います。それを知ることのできる作品として価値があります。 カバー下の描き下ろしでも、浮気調査の良い依頼の仕方や、離婚の時効が成立するための期間や始点についてなど詳しく解説されています。 既に他のクチコミも複数あり非常に盛り上がっていますが、1巻発売を機により注目されて多くの人に読まれて欲しい、そして不幸になる親や子供が1人でも減って欲しいと思い、書かせていただきました。

宝石の国

重さと軽さが同居する、命の話

宝石の国
アフリカ象とインド象
アフリカ象とインド象

大好きな漫画です。 学生の頃、この漫画に狂っていた時期がありました。 友人全員にこれを読めとしつこく勧めて、 読んだ人に対してはお前はこの漫画の何もわかってない!と浅い考察を語る最悪のオタクでした。黒歴史です。 つまり、人を狂わせるほど魅力ある漫画ということとも言えます。言えますね。 とはいえ、こちらは既に多方面で紹介され尽くした人気作でもあります。 今さら自分の稚拙な語彙でレビューしても読むに耐えませんので、 ネットの海に散乱した情報に少しだけ補足をして、読むことを迷っている方の壁を取り払えればと思います。 この漫画が話に上がる時についてくるのが、とんでもない鬱漫画だという話題。 これが読み手の1つのハードルになってしまっていると思います。もったいない! 大丈夫。救いはあります。怖くないです。 確かに取り扱うテーマは重く、展開に心が締め付けられることはありますが、この作品の魅力はそこだけではないです。 素晴らしいのは重厚な世界観の中に、ポップさのエッセンスを忘れず組み込んでいること。 (ここで言うポップさとは、いわゆる大衆に寄り添う心のこと) 会話のテンポ、 キャラの関わり、 かわいらしいジョークのセンス。 そういう要素の節々に、作者である市川春子氏の人柄を感じられます。 そしてその人柄から読み取れるのは、 この人は読者の心をズタズタにしたい訳ではないよ〜。 ということ。 きっと最後まで読み切った方なら共感してくれると思います。 苦しさの先に希望がある。 これは人間の話。命の話。生と死の話。愛の話。宇宙の話。 火の鳥超えてます。ガチ。

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