江戸川治センセイの作品の中でも、心にグッと来る話を集めた短編集。

胸を打つ、という表現が公式解説にあるとおりなのだけど、下手にこじらせておしゃれぶったりせずまっすぐに響かせようとしてくる作風はとても魅力的である。

絵柄も後半になるにつれ上手くなっていくのだが、漫画としての表現の幅の成長を感じ取れる1冊。

最近の作品との出会い方は仕込まれているかのようなパーソナライズレコメンドによるものが多い中、本作も最後の「マザー」をTwitterで公開されていた事で手に取ることが出来た。
本屋でうんうん唸って出会う珠玉の逸品はもちろん格別だったけれど、時代が変わった事に感謝できるほどサクサクと出会える今の時代もまたありがたいなぁと感じますね。

江戸川治センセイの作品の中でも、心にグッと来る話を集めた短編集。

胸を打つ、という表現が...
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BLUE GIANT SUPREME

ジャズは深くて難しくてカッコいい

BLUE GIANT SUPREME
さいろく
さいろく

まず主人公のダイはすごくすごく熱がある。 周りのメンバーもそれぞれ真っ直ぐで、熱量が高い。 で、出会うその他のジャズやる人達も同様に熱い。 向き先は少し違えども、ジャズに対する熱量の高い人達を描いているんだけど、やり続けるとどういう葛藤があるのか想像もつかない。 ※もちろんコレだけが正解じゃないし特殊なんだけど 前作「ブルージャイアント」で感動と、落胆に近い憤りとを感じた人がほとんどだと思う。シュプリームではさすがに同じことにはならないと信じたい(今でもアレは本当にハッキリ憶えてるぐらいツラく、「ふざけんなーー」と口に出たぐらい熱中というか没入していた) 前作からそうだけど、途中途中で後にダイのことを語る人々(恐らくインタビューを受けている)が出てくる。 そこからは当然、未来がある程度想像できるワードがいくつも含まれており、それを踏まえて読む事でまた口角が上がってしまうのを抑えきれずに先を楽しみにして待とうと思えるそんな漫画。 ジャズが苦手であろうとわからなかろうとそんな事はどうでもいいぐらいに、五感を揺さぶってくるすごい漫画なので絶対読んだほうがいいし出来ればネタバレは見ないほうがいい。 ググると「ブルージャイアント ひどい」が一番上にサジェストされて笑ったけど、シュプリームがなかったら本当にただひどかったかもしれない。 ただ、ひどかった(と私含む多くの読者が思っている)のは本当に後半の、割と最後の方の展開の一部でしかなく、それは本当に衝撃的だったけど、その衝撃が大きい人ほどこの作品をちゃんと読んだ人であるのは間違いない。 大好きなので是非多くの人に読んでもらいたい。

マザー

まざーびーむこみっくす
著者:江戸川治
最新刊:
2020/02/12
まざーびーむこみっくす
マザー
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●合本版●事故物件交渉人

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寒風吹きすさぶような厳しい社会で唯一心が安らぐ場所、マイホーム。もし、それが悪~~い幽霊に支配されたとしたら……? 我が家を脅かす恐怖から住人たちを人知れず救う男が一人、名は南無夢人(なむ・ゆめひと)。持ち前の機転と詭弁を武器に、依頼を解決に導く彼を人はこう呼ぶ――事故物件交渉人、と。【本作品は『事故物件交渉人』第1巻~第6巻を収録した合本版です】

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