心優しき人狼
所謂「なろう系」という物を全く読まないまま生きてきたのですが、作画の瑚澄先生の前作(ディアエミリー)を読み、良かったので試しに買ってみました。 異世界転生物ですが、主人公は前世の人間のとしての知識(や考え方)と、現在の魔族としての立場を両立させ、魔王の副官として手腕を振るい、時に中間管理職としての悩みも見せます。 瑚澄先生の柔らかなタッチが、ファンタジーの世界を魅力的に描いている良作です。
1億4,000万PV超(2017年3月時点)の大人気転生ファンタジーを圧倒的画力で公式コミカライズ魔王軍第三師団、副師団長であるヴァイトは、人狼の魔術師に転生し、交易都市リューンハイトの占領・防衛にあたる。元々人間であり、現在魔族の彼は、両者の気持ちが理解できるがゆえに苦労が絶えない日々が続くのだが――。人狼、ヴァイトの魅力が詰まった転生ファンタジー。シリーズ累計 25万部突破! 「小説家になろう」年間ランキング第2位!!(2016年7月時点)原作者、漂月氏による書き下ろし小説も特別収録! !※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です。
表紙の女の子が主人公だと思っていました。
違いました。
主人公は、後ろの狼です。
転生して人間としての感覚を持つ魔族の主人公が、パワーゴリ押しが通常営業の魔族の中で、人はこうすると喜ぶとか、こうすると嫌がるとか、そういう点を細やかに気を止めながら、あれやこれや行い、成功を重ねていきます。
俺スゲー展開の亜種です。
でも、人間同士でも難しいことなので、実際スゲーと思います。
作画は、白と黒とトーン少々というパキッとした絵柄で、かっこよいです。
キャラクターの雰囲気は柔らかいのですが、魔王とか魔族とか戦闘とか、物語の雰囲気に、この色がパキッとした感じがとても合っています。
不思議だなと思ったのが、なろう小説によくある鈍感&人たらし主人公によるハーレム展開になのに、キャラクターの作画がほんわかとしているためか、あまりそう見えません。
かわいいかんじの女の子が得意な方なのかなと思いきや、狼やら魔族もとても怖くかっこよく描かれており、とても読みやすいです。