アフタヌーンから同人へ
アフタヌーンでの契約解除がもう5年も前…当時このnoteを見ていたのを思い出した。 https://note.com/nagatarj/n/n443fb1ae8dd3 気づけば同人版をナンバーナインで電子出版し、各電子書店で買えるようになっている。読者としては投げ出さずに続きを描いてくれる以上に素晴らしいことなどないので先生に投げ銭(スパチャ)したいぐらいである。 研究者のおじさんオトと、その助手のような存在のハル。 この2人の掛け合いが良い、となるのは読み続けたらそうなってくんだけど、まずは短編的にこの2人が各地で出会って手助けしていく謎のキメラ病(というと安っぽいけど表現が難しい)と、それに悩まされる世界が面白い。 不思議な世界観の中で描かれる人情溢れる物語、だいぶ前に2巻まで読んだだけだったので3巻以降これから読む。
食費をうっかりお酒代にかえては、一緒に暮らすハルに叱られる生態操作師のおじさん・オト。
料理はすごく不味いらしい、射撃の腕はピカイチな若者・ハル。
人以外の遺伝子をもつ異形成キャリアと呼ばれる人たちがいる世界。
水没した街には何故か特に多く住んでいる。
この世界の法律では人以外の組織の割合が一定を超えた異形成キャリアは基準外キャリアと呼ばれ、人とはみなされない。
とはいえ、見捨てられた水没した街の人々は、他の生き物のパーツが体に発現するまで、自分が異形成キャリアであることすらわからない。
街に近い洋上で暮らすオトとハルは、国の定めた基準を超えてしまった異形成キャリアの人たちを、生体操作をして助けていく。
人以外の組織が1%でも超えたら人ではなくなるのは、おかしくないか。
服などで見えない部分が超えていたらわからないのに、人ではなくなるのか。
人間らしい思考を持っているのに?
じゃあ、人間らしい思考を持っていたら、あきらかに別の生物でも人なのか?
「人間と他の生物を分かつものは何か」
あらすじにあるこの問いを、「螺旋じかけの海」は様々な物語から問うている。
そして、めずらしい(より人のかたちに近い)異種形成キャリアは高値で取引されることが、問題を複雑にする。
作者の本職は医者とのこと。
色々悩みながら描かれているのかもしれない。
小難しい漫画に思えるが、食えない性格のオトとおだやかそうなハルの掛け合いがおもしろいので、さくさくと読める。
続刊があるのかないのかわからないけど、続くなら読みたいなと思う。
追記
11話の5巻でいったん終わりだと、単話11話前編として公開された電子書籍内に書かれていました。
追記の追記
5巻が発売されました