待望の新作は異世界ものにコメントする
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冒険者絶対殺すダンジョン

ダンジョンが熱い今だからこそ #1巻応援

冒険者絶対殺すダンジョン 道満晴明
兎来栄寿
兎来栄寿

『ダンジョン飯』や『葬送のフリーレン』や『俺だけレベルアップな件』といった大人気作品のアニメ版でダンジョン攻略が現在絶賛放映中で、先日は弐瓶勉さんの最新作『タワーダンジョン』も1巻が発売し、いまだにTLでは『シレン6』が盛り上がっている世間がダンジョンに湧く今、最高のタイミングで満を持して発売されたこの『冒険者絶対殺すダンジョン』。 昔テクモの『刻命館』というゲームのシリーズが好きでした。普通のゲームは冒険者としていろいろな場所を旅するのですが、『刻命館』シリーズはそうした冒険者のような者たちを含めて侵入者を罠に嵌めて殺していくゲームです。罠によるコンボを作るのが非常に楽しかったですね(第1作はメモリーカードを9ブロックも使うので大変でしたが)。 本作は、まさにそんな『刻命館』シリーズのような楽しみを味わえる道満晴明さんの最新作です。 トラック事故で死ぬと冒険所に、落ちてきた飛行機のエンジンに潰されるとダンジョンのフロアスタッフに転生するという世界で、見事に飛行機のエンジンに潰されてしまったナハトとアイネのふたりが主役となり、毎回さまざまな方法で冒険者を待ち受けたり逆に自分たちが死んで復活(リスポン)したりする物語です。 道満晴明さんらしい、あっけらかんとした下ネタ(サキュバスに前立腺の位置を教えてもらったり、MM号が出てきたり)やメタさ(冒険者がエリクサー症候群で使わなかったエリクサーを回収して保管していたり、「ここだけSNSに拡散されたらやべえ奴〜〜」というセリフだったり)が随所に出てくるのも流石で好きです。マンドラゴラの描き方や設定ひとつとっても、これぞ道満晴明さんと膝を打ちます。 また、特に6話や14話などは短編で設定を活かしながら巧く落とすのが得意な美点もよく出ています。最後にブレイバーンのような最新のネタまで放り込んでくる辺りも流石です。 かわいい絵柄でありながらそこそこエロスとバイオレンスが盛られていますが、その辺り込みで美味しく食べられる方にはお薦めです。

宝石の国

重さと軽さが同居する、命の話

宝石の国
アフリカ象とインド象
アフリカ象とインド象

大好きな漫画です。 学生の頃、この漫画に狂っていた時期がありました。 友人全員にこれを読めとしつこく勧めて、 読んだ人に対してはお前はこの漫画の何もわかってない!と浅い考察を語る最悪のオタクでした。黒歴史です。 つまり、人を狂わせるほど魅力ある漫画ということとも言えます。言えますね。 とはいえ、こちらは既に多方面で紹介され尽くした人気作でもあります。 今さら自分の稚拙な語彙でレビューしても読むに耐えませんので、 ネットの海に散乱した情報に少しだけ補足をして、読むことを迷っている方の壁を取り払えればと思います。 この漫画が話に上がる時についてくるのが、とんでもない鬱漫画だという話題。 これが読み手の1つのハードルになってしまっていると思います。もったいない! 大丈夫。救いはあります。怖くないです。 確かに取り扱うテーマは重く、展開に心が締め付けられることはありますが、この作品の魅力はそこだけではないです。 素晴らしいのは重厚な世界観の中に、ポップさのエッセンスを忘れず組み込んでいること。 (ここで言うポップさとは、いわゆる大衆に寄り添う心のこと) 会話のテンポ、 キャラの関わり、 かわいらしいジョークのセンス。 そういう要素の節々に、作者である市川春子氏の人柄を感じられます。 そしてその人柄から読み取れるのは、 この人は読者の心をズタズタにしたい訳ではないよ〜。 ということ。 きっと最後まで読み切った方なら共感してくれると思います。 苦しさの先に希望がある。 これは人間の話。命の話。生と死の話。愛の話。宇宙の話。 火の鳥超えてます。ガチ。

ぼうけんしゃぜったいころすだんじょん
冒険者絶対殺すダンジョン 1
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