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封神演義

思わず自分語りしてしまうほど、絶大な影響

封神演義 藤崎竜
ゆゆゆ
ゆゆゆ

封神演義は中国のお話が原作なんだって! と友人から聞き、先のストーリーを知りたいと思った当時の私は図書館にあった「封神演義」に果敢にも挑戦、文字の多さにあえなく敗退した。 そして、漫画家という職業を尊敬すると同時に、毎週のジャンプを楽しみにする生活に戻った。 とはいえ、この漫画のお陰で中国に殷と周という時代があって、紂王と武王がいて、と簡単な中国史の始まりを知ることができ、歴史の授業でさらっと名称が出ればキャラクターの顔が思い浮かび、なんだか心浮き立つ気分を味わうこともできた。 四字熟語の「酒池肉林」も「封神演義」で知った。あれはなかなか衝撃的なビジュアルだった。 知らないことを自然と身につけることができる漫画のパワーって偉大だよなあと思う。 そして私が好きだったキャラクター・藤崎竜先生版の太公望といえば、ぐだぁっとしたマイペースな性格と、あのツノのような頭のかっこいい結び目、ほっぺたのカワイイZマーク。 イラストを描くときは真似してZをほっぺたに描くだけで、絵がものすごく下手な自分でも、カワイイ絵が描けた気がした。 さらに手足を大きくデフォルメして描く技を真似して、さらに上手になった気分を味わった。 周囲の絵が上手な友達は、先生が描くイラストの要素があった気がする。 他の方のレビューをみても、みんな思わず思い出すことがあれこれあるようで、絶大な影響を与えた作品だと思う。

封神演義

唯一無二「フジリュー」というセンス

封神演義 藤崎竜
六文銭
六文銭

まず、皆思うのが、巻数を重ねるごとに 「絵柄変わってない?」 ということだと思います。 最初のほうはシュッとしているのに、だんだん靴とかガンダムみたいになっていきます。 本題。 小さい頃どハマリして再読。 今でも、最後にかけて畳かける摩訶不思議な展開は、ドラッグやっているかのような中毒性があります。(ドラッグやったことないけど。) 中国の古典怪奇小説『封神演義』を原作としながら、作者の類稀なるセンスによって大胆にアレンジしたところが、本作の魅力だと思います。 SF、ファンタジー、ギャグ、バトルの要素を取り入れつつ、ちょいちょい美形キャラも出して…といった上質な少年漫画として仕上がってます。 自分自身、『史記』における『キングダム』同様、 有名原作を「忠実」に再現したから面白いわけではないと常々思っているんですね。 同じ題材でも、ストーリーの構成や演出、登場人物のキャラ付けなど、作家によって異なりますよね。 そこが、ポイントなのだとしたら、作者のもつ独創的発想と幻想的なデザインに、摩訶不思議な古典小説が、見事にマッチしたからでしょう。 本作がここまでヒットしたのは、そこにあると改めて思いました。 余談ですが、何年たってもスープーシャンは可愛いっすね。

不揃いの連理

タイトルから見る"伴侶"の形

不揃いの連理
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

ここではタイトル『不揃いの連理』の語義と内容をリンクさせながら、(6巻までで)四組の女性ペアの関係を追う本作の魅力を書いてみたいと思います。 「連理木(れんりぼく・れんりぎ)」というのは、隣りあった木々の接触した枝や幹が一つにくっつき、木目まで混ざり合った状態のこと。そこから「連理」という言葉は二人の深い契りを表すのだそうです。 幸せな予感のある「連理」という言葉。では「不揃いの」という言葉はどうでしょう? 登場するペアは、いずれも全然タイプの違う二人。そしてどちらか片方、もしくは両方とも「ダメな人」だったりもします。 まっとうな会社員×元不良は見た目に反して、ダメなのは会社員の方。いかにも悪そうな人と優等生のJKコンビは、優等生が意外と暴力的etc……。でもそんな二人が何故か寄り添う。 ではそこにどんな心があるのか。 ある人に惹かれる理由を、言葉で言い表すのは難しい。でも、なぜある人の側にいるかは、理由を言える場合もある。 この作品でそれが分かりやすいのは、ダメな漫画家に接する生真面目な編集者。彼女は恋愛的惹かれの他に、ダメな漫画家を支える動機としての「ある気持ち」を持っている。そして同じようなものは、他の三組にも見て取れる。「ある気持ち」はおそらく頼りない人に対する普遍的な心情なので、納得する人は多いと思います。 「ある気持ち」で支え合い、接するうち、彼女たちはいつのまにか離れ難くなっていく。そこには理屈ではなく、もはや必然として一つになった連理木が生まれている。 伴侶って、こういうことだよな……大きな安心感とエモーションが同居する感じ。実はかなり暴力描写・しんどい内容も多いのにそれはとても不思議な感覚で、いつまでもこの物語を追う動機となってゆくのです。 ダメな人に対する、共通する「ある気持ち」......どんなものか、ぜひ本作から探してみてください。 さあ、まだ不穏な堅物教師×生徒の物語はどうなるかな? (6巻までの感想) (追記:実はマンバ読書会でリアルタイムで書いたものから、細かく改稿しています。どんなふうに変化しているか、ぜひ配信と比較してみてください! https://www.youtube.com/watch?v=FgBPuVvUHFI) #マンバ読書会 #クチコミを書く回

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