あやのさんが分からな…
あやのさんが分からないながらも、流さずに自分の気持ちに向き合って一歩踏み出そうともがいている姿が素直で、とても丁寧に見えた。 思ってても口にせずに、表に出すのは不適切だろうと空気を読んで仕舞い込んで、自分でも気付かぬうちに無かったことにしてたこととか、その曖昧な中間地点とか、そんな細かな感情の機微を、言葉にして掬い取ってくれる懐の深さが志村さんの漫画にはあるような気がします。 良い面も、悪い面も、どちらも同じ温度感で描かれてある気がして心地が良いというか。 他の本でも何度か思ったのですが、お話の始まりが分かりにくくて、何度か繰り返し読んで気づくことも多く、そのたびにこういうことかなって考えさせられるのが逆に味わい深くて好きです。