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she is beautiful

今後の展開に期待しかない#1巻応援

she is beautiful 凸ノ高秀 江坂純
六文銭
六文銭

久々に興奮しました。 SFっぽくもあるのですが、ミステリっぽくもある本作。 その内容ですが、、 謎の研究施設・箱庭(ファミリエ)で暮らす少女たち。 彼女たちは10歳になると成績にならって「組み分け」という将来の進路がきまってしまう。 それぞれ「芸術」「学術」「生産」「労働」の4つ。 芸術・学術はまだわかりますが、「生産」は子供を数年おきに産まされる、「労働」は何らかの実験の被検体となる可能性もあるという、なかなかエグい設定。 主人公は、そのファミリエで暮らし、幼なじみで憧れの存在・光里(ひかり)と同じく「芸術」への組み分けを目指す少女・くるみ。 光里と同じ進路にいけるように日夜努力していたが、10歳になる直前、目を覚ますと14年の月日が流れてしまっていた。 傍らにいたのは、ファミリエでくるみに対していつも嫌味を言ってきた成績優秀の清香(さやか)。 なんでも10歳の誕生日直前にファミリエで事故が起き、その衝撃でくるみは眠るたびに記憶がリセットされてしまうのだという。 つまり1日しか記憶がもたない状態。 清香が言うには、上記のファミリエの事故のせいで行われるはずだった「組み分け」が免除されて、ファミリエから出て外の世界で暮らすことが許されたのだという。 戸惑うくるみに、清香が寄り添う。 かつて何かと突っかかってきた姿はそこにはなく、1日で記憶がなくなるわけですから、14年もの間毎日毎日、同じ質問に同じ回答で献身的にくるみに接してきたという。 そこに何か違和感を感じたくるみ。 夜に、飲まされそうになったクスリを飲むフリで飲まなかったら、記憶がなくならなかったことに気づく。 そこから徐々に清香に不信感をいだき、過去の自分が書いたであろうメモ 「清香を信じるな」 と、庭の木の下にあった謎の白骨死体。 清香の真意が何かわからず恐怖し、その家から出ていこうとする、くるみ。 しかし、「組み分け」が免除されたと言われていたはずだが、くるみは、外の世界ではおたずねもので、一般市民から狙われることに・・・という怒涛の展開。(長い) こんな感じで、最初は、ファミリエという強制子育て施設みたいなSFっぽい話かなとおもったら、一気に年数が過ぎて、そこから清香の謎の言動からミステリっぽくなり・・・次から次へと驚く展開に、読む手がとまらなかったです。 今後の展開が全く予想つかない、1巻の終わりもいい。 記憶が都度なくなるループをやっていくのかな? また、タイトルや最初の女性だけの世界に百合っぽさを期待しましたが、その点は現状あまりなかったので、ご留意ください。 何にせよ、SFミステリが好きな人にはおすすめしたい作品です。

COBRA THE SPACE PIRATE

夢と呼ぶにはあまりに厳しく余りに哀しい影に向かってのオデッセイ

COBRA THE SPACE PIRATE
阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)
阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)

著者のライフワークなので一言で括れない幅がある作品で、私は 1.手塚治虫的なタッチが残り奇想展開なアイディアの楽しい「少年ジャンプ初期」(「コブラ復活」~「ラグボール」) 2.線がややソリッドになりシニカルな描写の増えた「少年ジャンプ中期」(「二人の軍曹」~「黄金の扉」) 3.ヒロイックな描写の光る「少年ジャンプ後期」(「神の瞳」~「リターンコブラ」) 4.「聖なる騎士伝説」 5.CGフルカラー期 で分けている。どの期間も見るべき所のある漫画であるが、4.の「聖なる騎士伝説」について書きたい。  「聖なる騎士伝説」は青年誌に掲載された長編で他の話より暗く、いつもよりシリアスでアダルトな展開や描写が多い異色のエピソード(何てったって、レディーさえ出てこない) だ。ここでは新世界の興奮は悪鬼に蹂躙され、コブラのいつもの剽軽な態度やヒロイックな勇気は鳴りを潜め、笑みは嘗て見られなかった暗い影を忍ばせている。絵の線もどの辺よりも細く、陰影もまた濃く、混沌とした悪意蔓延る世界をこれでもかと描き出す。筋も宝や冒険ではなく悪鬼の暗殺と言う剣呑な代物で、終盤に明かされる種も周到に張られた伏線もあり陰惨な世界観を補強する。  今までのスペースオペラと比べると余りにもノワールであり、退廃的でもあるが、それだけに強烈であり、私はこのエピソードが一番好きだ。けだし、このノワールが単なる露悪に終わらず、コブラが常に世を儚むようなニヒルな皮肉を呟きながら銃をぶっ放しながらもどこか善や正義を諦めきれていないからではないかと思う。有名なコマでもある様にコブラは終盤、実際には何の利益を齎さなかった教会を批判し「神か……最初に罪を考え出したつまらん男さ」と呟いてみせたが、これはやはり神や正義についてどこか夢を持っている証拠に他ならないと思う。さもなくばこんなセリフは決して言わないだろう。  コブラの海賊としてのアウトローな性格や享楽主義は上記の理想主義的な思想やストイックさに支えられている。寺沢武一は彼の初期作品を「思弁的」と批評していた記憶があるが、そういった性格が彼の作品から消えた事は一度も無かったことは確かだろう、そしてそれこそがこの漫画をいつまでも輝かせているのだろう。海賊と言う自由とギルドに対抗する高潔な戦士の顔を持つあの男のとこしえの旅に祝福を。

しーいずびゅーてぃふる
she is beautiful(1)【ebookjapan限定特典付】
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