読み切りにしては確実に長いけど、掲載号を分けずに前後編を一緒に載せてくれて助かります。ほのぼの系かと思って油断をしていると、ズシッときて読み終わりは余韻がしばらく残るような作風が特徴的な作者さんの新作ですが、今回のも長いだけありヘビーです。だからと言って読むのが大変なことは全くなく、淡々としてるのにページを捲る手は止まらないという感じです。主人公の境遇は正直自分と重なる部分は少ないですけど、自分の人生にまつわる何かを1から変えないとならない場合、一気に変わることを望まずに少しずつ着実に進めていくべきなんだなと気づけました。
はやく今までの読み切りをまとめた短編集を出してほしいです!
真摯に確実に胸を打つ、美しき人間讃歌。(月刊!スピリッツ2023年1月号)