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転校生の卯月ちゃんは特別な子。特技はアイススケートでトリプルアクセルが飛べるみたいだし、超人気アイドル・KEENくんとは親戚らしい。私のこの気持ちがKEENくん本人に届くかも――!? でも・・・卯月ちゃんの話は、どこかつじつまが合わない。ウソをついてるとしたら、それって悪いことだよね? 私はいったい、どうしたらいいのか・・・。噂の転校生と夢見がちな少女、見栄と性欲に振り回される高校生、子育てを終えた女たち・・・。「第26回 手塚治虫文化賞」新生賞の谷口菜津子が描く、6つの”友情”をめぐる物語。
谷口菜津子センセーの描く女子は妙に色気と儚さと黒さを持っている。ように見える。
描き分けがわかりやすく出来てるんだなと感心してしまう。
で、本作は短編集。
ズッ友の生まれるパターンを描くのかなと思いきや、そうでもないのもあったりするので気を抜いてはいけない。
決して都合のいい話ばかりではないぞ、油断するとグサッとやられるのだ。
個人的には「砂糖と塩」が好きだった。
メジャーな作品になるとどんどん冊数が増えていってしまう昨今では(著者に還元するという意味で正しいと思っているし全く異論も否定もないけど)、短編集というものはマンガ読みにとってある種の休憩が出来るものだと思う。
もちろん、短編集だけを好んで読むタイプの人もいるとは思うけど、自分は割と気づいたら短編集を開くようになってきてしまったので、こういう良い短編集に出会えると幸せを感じられる。