ネタバレ
えっちな名無し

手元に単行本揃ってないので当時の印象と記憶だよりで書くけど、竜騎士07原作という事で大々的に連載開始した作品。
謎の悪魔が自分の封印を解いてくれた主人公のアスナロをモテモテにしてあげると、数人のヒロインからモテモテの日々を過ごす…ように見えて、実はヒロインたちは悪魔に「アスナロを誘惑しないと死ぬ」呪いをかけられており、ヒロイン同士で出し抜くように設定されたルールのデスゲームの参加者であり、どうにかしてこのデスゲームを終わらせようと『真の主人公』セリカが頑張る話。

当時ハーレム物もデスゲームも存在したが、両方を組み合わせた作品は珍しく、自分の覚えてる、調べた範囲ではこの作品が初だったはず。
竜騎士07原作という事で期待もされていたが、デスゲーム部分は題材がハーレム物と言うだけでオーソドックスな解決というか、初期に一応貼られていた伏線だが、アッサリ気味で丸く収まって、最後は主催者以外オールハッピーで少年誌らしいと言えば少年誌らしいが、シリウスは比較的ぶっ飛んだ作品も多いだけに当時は拍子抜けした。
ただそもそもハーレムデスゲーム物自体が皆無だったわけで、そもそもが大変化球、ならば暴投しないようにコントロールして投げるた方が良いというのも今なら分かる。
ハーレム部分はヒロイン皆命掛かってるし、作画も上手いし、男一人誘惑するくらいと割り切ったり、悪魔の裏をかこうとしたり、悪魔の指令で誘惑したりと裏で様々な心理が絡み合い緊迫感ありつつ、いちゃいちゃでちょいエロ含んでて、それを第三者の立場で鑑賞できる読者としては結構楽しめるもので、ジャンルとしては結構な可能性を感じた。

実際この作品自体はそこまで人気だった実感は無いし、そこそこ面白いとは思うも、それだけで終わった作品だと思うのだが、この作品以降急速にハーレム+デスゲームな作品が増えた。
それも青年漫画で、それこそ悪魔が好きそうなドロドロ模様なタイプの作品が多く、お色気描写も青年漫画という事でパワーアップしまくってる。
ジャンルの始祖としては後発物に比べてやはり洗練されていないというか、普通過ぎて物足りない印象は当時から感じていただけに、余計物足りなく感じてしまうが、ハーレムデスゲームの始祖的存在としては注目すべき作品かもしれない。

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ハーレムデスゲームジャンルの開祖的存在にコメントする
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「弐瓶勉が描く迷宮探索ファンタジー」。 男はこういうのを渡しておけば喜ぶんだよフェルン、とフリーレンも言いそうな勢いの作品です。 私は制約と誓約によりここ数年ゲームを死ぬほど我慢し続けているのですが、家族がとても楽しそうに隣で『シレン6』をやり続けているのに遂に負けて3時間だけ遊んでしまいました。最初のダンジョンをクリアして、久々のゲームの″味″にカイジが労働明けに飲んだビールくらい犯罪的に脳に熱く沁みました。 ローグライクであれ、『ドルアーガの塔』であれ、『スペクトラルタワー』であれ、『煉獄』であれ、『メイドインアビス』であれ、未知と危険がひしめく迷宮を一階層ずつ踏破していくものは無条件で堪らなく大好きです。ましてや、それを『BLAME!』や『バイオメガ』の弐瓶勉さんが描くとなれば。 しかし、弐瓶ファンとしては読み始めてすぐに「あれ、画風が違う?」と違和感を抱きました。直近の『大雪海のカイナ』と比べても、主線が非常に太くラフになっています。もしかすると、多くの箇所が一発描きなのかなとも思わせられました。体調的な問題で無理なく描ける画風を模索しているのか、ページ数を描くために作画カロリーを下げているのか、世界観に合わせ敢えてこういう形を取っているのかは解りません。 本音としてはもっと本気で描き込まれていたら更に凄いものになるだろうなとは思いつつも、元々の画力が高いのでラフな画風でも十分に魅力的であることは確かです。そして、何しろ旧来のやや硬派で仄暗いファンタジーとの相性が抜群です。「竜の塔」が見開きでバーンと出てきたときに否応なく高まるテンション。言葉ではなく絵で世界観を叩きつけられるこの感じ、昂ります。 ボス級モンスターの造形なども流石で、それぞれの階層のボスの見開き登場シーンなども根源的な恐怖を呼び覚ますかのように悍ましく、それ故に魅力的です。亜人系のキャラクターの造形センスも流石で、弐瓶勉さんの良さが溢れ出しています。 『タワーダンジョン』という、シンプルでストレートで無骨なタイトル。そこに求められるものが間違いなく詰まっています。 元々ゲーム的な魅力もあった弐瓶さんが描く、ハードな世界観のファンタジー。読んでいる間は非日常的な空間へと誘ってくれます。弐瓶ファンにはもちろんのこと、強大な敵が跋扈するダンジョンでの冒険のワクワク感を味わいたい方にもお薦めです。
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昨年、電子書籍のみで発刊された百合オムニバスがこの度新装版となり再構成されて紙・電子で発売となりました。 1話だけ切り取ってみても相当に満足度の高い百合短編が、相互に絡み合う群像劇として連作短編で読めるこの幸福感。 嘉神さんへの好意がクラスメイトにバレてしまい本人にまで伝わって困惑する大宮さん。 隣の席にいる多賀さんが逆隣にいる諏訪さんに向ける強い視線に気づいている、大宮さんの友人の匙本さん。 同じ塾に通う1位と2位で、それぞれの学校では1位の「最強」を目指す澄海(すみ)と尊(みこと)。 おのおの異なるさまざまな関係性から生じるストーリーは、それぞれに魅力的で胸を高鳴らせてくれます。 個人的には傍観者としても当事者になった瞬間も完璧な匙本さん、好きです。 西大路かれんさんはもっと好きです。 最初は高校生同士として出逢って絆を育みだした彼女たちの、その先の物語が描かれるのも味わい深いところです。共に過ごした時が積み重なるからこそ生まれる酸いや甘い。感情や、振る舞いに凝縮されたものが百合好きを幸せにしてくれます。 帯を缶乃さんが書かれているのもむべなるかな。百合好きの方はマストバイです。
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