この作品は表題作『グッド・ナイト・フィールド』など10編を集めた短編集です。
多くの作品に共通するのは、鬼や人に化ける狐といった人ならざる者が登場し、他者との関わりの中で数奇な運命をたどっていくという点です。
個々の短編は長くて30ページほどですが、それぞれの物語は読者の心に深々と余韻を残し、1編ごとにページをめくる手を止めてその余韻をゆっくりと噛み締めたくなる作品です
また、短編の中でも冒頭と中盤、最後の物語で共通して語られるのが、常冬の山に棲む雪女と彼女と巡り合った吸血鬼の男の物語です。
1冊の中で序盤・中盤・終盤と語られることで、永遠の時を生きる彼らの時間の流れを感じることができて、より作品全体に深みが生まれる1冊になっています。
吸血鬼に雪女、鬼の子に狼の兄妹。人間とは遠く離れた場所にいる彼らの、普通ではない普通の暮らし。生きるということ、誰かを愛するということ。悠久の時を生きる彼らの、一瞬の輝きを真摯に描く連作短編集。
吸血鬼に雪女、鬼の子に狼の兄妹。人間とは遠く離れた場所にいる彼らの、普通ではない普通の暮らし。生きるということ、誰かを愛するということ。悠久の時を生きる彼らの、一瞬の輝きを真摯に描く連作短編集。