家庭環境が悪すぎて、頭の中が、ぞわぞわする。
1巻読了後、知らない間に、眉間にしわが寄っていた…。
不協和音しか聞こえてこない家族に、近所に住んでいる人たちは、どういう風に対応しているんだろう。
引きこもりだと思っていたお兄ちゃんは、母親に頼まれたものをなるべく安く買えるスーパーを探して買い物に行き、残りのお金で1円でも安いポテチを買うために奔走し、更に毎日本屋にも立ち寄っている。
お父さんは、スーパーの休憩スペースでたばこを吸い、唾を吐く。
そして、嫌なことがあるとすごいジャンプ力で垂直飛びを繰り返す。
こんな親に教育何てできるはずもなく・・・。
末吉、よく帰ってきたなぁ。
これから、たくさん怖い事が起こる予感しかない。
怖いけど、気になるのが、すごい事なんだと思う。

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住みにごり

ギャグなのかホラーなのか漂う狂気に翻弄される

住みにごり たかたけし
六文銭
六文銭

引きこもりの兄、要介護の母、アル中の父、モラハラ気質でバツイチの姉。 そして、都落ちして絶賛失業中の主人公。 この時点で濃度マシマシな家族構成だが、主人公が実家に帰省したところから始まる本作。 田舎出身の自分的には、あながち非現実的とも言えないのが、興味をそそりました。 言葉は一切発しないが、謎の存在感がある兄を軸に物語は展開されるのですが、冒頭でその兄が通り魔殺人を犯している夢を主人公がみていて、それが全話通して、こびりついて離れないんですよね。 兄の容姿も、ちびまる子の永沢くん(玉ねぎ)みたいに一見ギャグっぽい感じなのですが、この最初の光景のせいで逆に狂気すら覚えます。 ところどころ、例えばキャベツを部屋で千切りしてたり(それに血がついていたり)、主人公の同級生(女性)の名札でいかがわしいことしたり、狂気じみたことをしているので、あながち間違いではないのですが、それ以上のことをしそうな雰囲気が、常にある。 引きこもりかつ無口ってのが、否が応でも、その手の妄想をかきたてます。 似たように、父親もヤバいし、唯一家族の中でまともだと思った母親も、意外とキレてやらかすから、もうザワつきっぱなしです。 家族からみたら当たり前だったことが、世間では当たり前じゃないことって少なからずあると思うのですが、それを実際にありそうな絶妙なラインで、まざまざと見せつけられている、そんな作品です。 家族を再構築していく話なのか、それとも崩壊していく話なのか、ぜひ見届けたいです。

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