自分に嘘をついてはいけない。
ひょんなことから自分の作品(自分では作品とさえ思ってない)が独り歩きして、やりたいこととずれたり周囲から過剰に期待されたりして、ドタバタする話。 嘘は心を殺します、のようなセリフがあり、ほんとにそうだよなと共感しました。仮病や忖度なんて誰しもしたことあると思いますが、人に対して嘘をつくと、その後の自分も引きずるし、嘘をついた相手の顔をまともに見れなくなるし、心は死に、孤独になっていくよなと。 が、本作の本質はそういう罪悪感的なことじゃないんだと最後まで読んで気付きました。むしろ自分に対して嘘をついている状態の方が苦しいということなのかなと。 沁みました。再読すると思います。 ネタバレにならないよう抽象的な物言いになりましたが、ぜひ読んで欲しいマンガです。
前作「ア・ピリオド・イン・ウィンター」もすごかった記憶がありますが、今作も読み終わったあとにちょっとぼーっとする時間を要するような、とても良い読み切りでした。よくある自分を見つめ直すというやつに近いですが、いまの自分の生活や人間関係を振り返って、自分が一番幸せで居心地がいい"在り方"って何だろうと改めて考えてみるのって必要なのかなと思います。でもたぶんそれって1人でただただ考えるよりも、やっぱり誰かしらとコミュニケーションを取ることで見えてくるもののような気がします。そういう存在がいない人でも、この読切を読むとちょっとは楽になるかもしれません。