吉川きっちょむ(芸人)1年以上前編集岡田索雲先生の妖怪読切シリーズの新作。 今回のお話も、現代社会の一場面を切り取ったような話を妖怪に語らせていて社会批判とユーモアを合わせたような作りになっていてすっごくよかったです。 「病欠」のもじりで、社会に傷つけられ無遠慮な言葉をかけられて引きこもる猫又で「猫欠」。 周囲はどこまでいっても無責任に声をかけ、かき乱し、期待し、勝手に失望し、あまつさえ罵倒し、ときに狼狽え、去っていく。 度々出てくる腕の傷が痛々しく映る。 本人が動き出せるまで静観し、ただ寄り添うことの難しさ。 かの喜劇王チャップリンは言った。 「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ」 箱の中の猫に深く共感して読めば悲劇で、最後はどんな形であれ一歩踏み出しているという点で希望が差してくる。 しかしすこし引いて見れば、最後のシーンまで「箱から出ない」ということを引っ張って引っ張って、前の場面で暗い中から一瞬顔を覗かせ「箱から」一歩踏み出すかと思ったら、踏み出したけど思ってたのと違う形、というきれいなオチをつけていて、意図的な笑いの型を作っているので思わず笑ってしまう。 いや一歩踏み出すのは素晴らしいことだけど箱ごとなんかい!!出てはこないんかい! とツッコミたくなる。 メッセージ性とユーモアを高度に同居させている岡田索雲先生は素晴らしいです。 現代社会で起こりうる個人の問題に寄り添ってくれる優しい話ではあるんですけど、最後のそうじゃねえだろっていうシーンで全部持ってかれて笑っちゃいました。『猫欠』岡田索雲https://t.co/ye0ESPiWUP— 吉川きっちょむ┋マンガ大好き芸人 (@kittyomz) October 8, 2021 3わかるfavoriteわかるreply返信report通報
岡田索雲先生の妖怪読切シリーズの新作。
今回のお話も、現代社会の一場面を切り取ったような話を妖怪に語らせていて社会批判とユーモアを合わせたような作りになっていてすっごくよかったです。
「病欠」のもじりで、社会に傷つけられ無遠慮な言葉をかけられて引きこもる猫又で「猫欠」。
周囲はどこまでいっても無責任に声をかけ、かき乱し、期待し、勝手に失望し、あまつさえ罵倒し、ときに狼狽え、去っていく。
度々出てくる腕の傷が痛々しく映る。
本人が動き出せるまで静観し、ただ寄り添うことの難しさ。
かの喜劇王チャップリンは言った。
「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ」
箱の中の猫に深く共感して読めば悲劇で、最後はどんな形であれ一歩踏み出しているという点で希望が差してくる。
しかしすこし引いて見れば、最後のシーンまで「箱から出ない」ということを引っ張って引っ張って、前の場面で暗い中から一瞬顔を覗かせ「箱から」一歩踏み出すかと思ったら、踏み出したけど思ってたのと違う形、というきれいなオチをつけていて、意図的な笑いの型を作っているので思わず笑ってしまう。
いや一歩踏み出すのは素晴らしいことだけど箱ごとなんかい!!出てはこないんかい!
とツッコミたくなる。
メッセージ性とユーモアを高度に同居させている岡田索雲先生は素晴らしいです。