押切蓮介氏って多才だと思うんですよね。
現時点で代表作である『ハイスコアガール』のような青春群像劇、『でろでろ』のようなホラー✕ギャグを融合させた作品、『ミスミソウ』のような復讐劇、『焔の眼』のようなファンタジーバトル。
などなど。
ギャグベースからシリアスまで、本当に色んなジャンルの作品を世に出し続けておりますが、本作はその中の1つ、『ピコピコ少年』と同系統の自伝的なエッセイ作品。

漫画家になる前に、バイト先やら私生活やら何やっても報われなかった日々をシニカルたっぷりに描いております。

本作で著者がよく使う「俺クオリティ」という表現が出てきます。

不幸な出来事が、まるで自分にだけ頻繁に起きてしまうように感じ、
心のカンシャクを起こす状態のことをさします。

例えば、文化祭の日に限って熱を出すとか。
皆できるのに一人だけできないとか。

なんとなく共感できてしまうのが悲しい。

しかし、そんな陰惨な気持ちをふっとばすのが、著者の「母」の存在。
容姿こそパンチパーマで気合入ってますが、いざという時、作者の支えになっている感じがとても暖かい。

作者の母ですが、まるで自分の母親のような、
否、皆の母ちゃんな感じがします。

タイトルも母の言葉のようで、人生は辛く苦しいことは多いのですが、それを糧に前を向いてシャンとしたくなるそんな1冊です。

自伝的作品ですが、ただの著者のファンアイテムではなく、
人生にちょっと疲れた方に読んでみてほしいです。

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だれでも抱けるキミが好き

ただのエロかと思ったら

だれでも抱けるキミが好き
六文銭
六文銭

童貞地味男のゴトウとビッチなギャル・アガワさん。 冒頭からアガワさんのビッチさ全開の姿を見せつけられ、ゴトウくんはカルチャーショックをうける。 と、いうのも普段は委員会が一緒で、ギャル特有のフランクさに童貞のゴトウくんは秒でやられて、アガワさんが気になる存在になっていただけに、生々しいビッチさにショックをうけてしまった、、という流れ。 そこで童貞特有の女性に対する幻想に、第3者的に苦しむだけかと思ったら、そんな葛藤も一瞬で、ゴトウくんもアガワさんとやることをやってしまう。 そこが、ひと味違い個人的に面白いと感じました。 ゴトウくんもアガワさんのセフレの1人に成り下がってしまったことで、どこか自分だけは他の男子と違うとか思っていただけに、その落胆さと、身の程をわきまえ始める感じが、哀愁漂います。 ピュアな気持ちなど、最初からなかったのか?と。 アガワさんも掴みどころなく、ポンポン相手を代えるから、またすごい。 そんな姿にゴトウくんが嫉妬で狂いそうになって、今後どう動くのだろうか。 そして、それにアガワさんはどう反応するのかな? アガワさんがヒキ気味だと現実味があって面白いと思ってます。

ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ

嘘か真実か陰謀論

ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ
六文銭
六文銭

自分が何かと恵まれていないのは、何か大きな陰謀によるものではないか?という、ネットではびこる「陰謀論」がテーマの本作。 主人公は、いわゆる社会的に弱者の部類で、それでも自分にも特別な何か(人生大逆転できるようなものが)あるんじゃないかと日夜怪しいセミナーに通いながら過ごす。 そんな中、偶然出会った大学生の女性に恋してしまう。 関係を深めていくなかで、彼女につきまとうFACTという謎の組織の存在を知り、彼女を守るために接触。 そこは、陰謀論に染まった集団で、自分の境遇の悪さも、彼女と出会ったのも全てが大きな陰謀だったと諭され、気づくと彼もまたその思想に染まりはじめてしまう・・。という展開。 社会的な問題を扱う重そうな感じもあれば、コミカルなヌケ感もある。 現実を描いた漫画だから明らかに嘘っぽくも感じつつも、これ実はファンタジー漫画なのでは?と思うと真実のように感じてしまう。 ついつい、陰謀も本当のように感じてしまう。(ちょっと調べればわかるんですけどね) そんな感じで嘘か真実かわからないながら、自分なんかは読んでいたのでめちゃくちゃ楽しめた。 特に2巻。 主人公が上述した恋心を抱いている女性に、付け焼き刃的な稚拙な持論を展開し、一瞬で論破される様は読んでいてホント痛々しく、ゾクゾクした。 共感性羞恥をこれほど感じたシーンはないと思う。 4巻で最終巻らしいけど、どうオチをつけるか気になる。

珍遊記2~夢の印税生活編~

奇跡の続編

珍遊記2~夢の印税生活編~
六文銭
六文銭

小さい頃、色んな意味でトラウマを植え付けられた珍遊記。 当時、絵を見るのも怖くて、だけどドラゴンボールは読みたいから、珍遊記のページにはいかないよう恐る恐るめくっていたのも、今となっては良い思い出です。 本作というか、著者を語る上でもはや絵柄に触れないのは無理なのですが、とにかく子供がみたら泣き出すような絵の濃さ。 特に婆さんキャラのシワがえぐい。 下品な下ネタも満載で絵柄と相まって、初見の方は気分悪くなると思うんですが、、、 著者が、現在、子供向けの絵本作家としても活躍しているというから驚きしかない。 謎に時代を感じる。 さて、本作の内容だか、前作珍遊記の続編という立ち位置だが、前作をなぞりながら、その裏で起きていたことを描きながら始まる。 もう一つの怪作、漫遊記とも繋がっているので両方知っているとより面白いのだが、正直、何も知らなくても大丈夫だと思う。 著者の作品を知ってる人ならわかると思うが、ストーリーはあってないようなもので、とにかく勢いが魅力。 そこは本作も健在で十二分にある。 映画化もした作品だが、玄人受けとか言うつもりもないが、毒にも薬にもならない作品と異なり、モノづくりに携わる人間に、何らかのインパクトを残す作品なんだろうってことは理解できる一作です。

猫背を伸ばして

ねこぜをのばしてしんそうばん
著者:押切蓮介
ジャンル:エッセイ
最新刊:
2017/03/24
ねこぜをのばしてしんそうばん
猫背を伸ばして 新装版
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俺より弱いやつに会いに行く

俺より弱いやつに会いに行く

2023年6月2日、全世界待望の「ストリートファイター6」発売! これをやらないわけがない、押切蓮介こと神崎良太(本名)──! 原稿の締め切り? 編集者からの電話?んなもんガン無視、楽しんだもん勝ち! 「ハイスコアガール」のハルオと大野も登場する癇癪全開奮闘記をご覧あれ…!! ※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※

アカイロフラグ

アカイロフラグ

押切蓮介が描く、純愛・コメディ・ミステリーなど春夏秋冬の恋物語4編。【収録作品】『アカイロフラグ -Summer-』心霊スポットで食事することが日課の、孤独な少年のもとに現れたのは……?『アカイロフラグ -Autumn-』戦時中に広島から疎開してきた少年は、異国の血をひく少女と出会ってーー。『アカイロフラグ -Winter-』兄を慕う、流行のモダン服に身を包んだ少女には、何か秘密がありそうで……。『アカイロフラグ -Spring-』エッチな本を求めて少年少女が工場地帯を冒険……のはずが!?その他、雑誌掲載時のカラーイラストや作中のキャラが登場する描き下ろし漫画を収録した、ファン必読の一冊です。

サユリ 完全版

サユリ 完全版

【映画化決定! 2024年夏全国公開。監督 白石晃士】 ようやく念願の一戸建てに引っ越した神木家。だが、引っ越し直後に父親が心臓発作で死んでしまう。それを皮切りに次々と怪異に襲われ、姿を消してゆく家族。残された長男・則雄と祖母は、家族を次々と殺した「霊」に復讐を誓うが…。※本作品は「サユリ」全2巻に描き下ろしエピソードを加え再編集したものです。作品内容が重複する箇所がございますので、ご注意下さい。

ピコピコ少年SUPER

ピコピコ少年SUPER

いつだって、ゲームがあった。大定番ノスタルジック青春グラフィティ、渾身の最新シリーズ完成。 ●MMORPGの恋人とリアルで会う恐怖の瞬間「MMO少年」●今日は俺たちがゲームの主人公になる…!! 「川下りだ少年」●コミケ後はみんなでドリキャス、のはずが…「アウェイ少年」●ゲームに負けたら好きな人の名前を女子の前で告白「純愛少年」……そうです、みんな実話です!!

試し読み
ピコピコ少年TURBO

ピコピコ少年TURBO

あの頃、ゲームが宝石に見えた。大好評ノスタルジック青春グラフィティ、待望の新シリーズ登場!/風邪で学校休んだら家でゲームやり放題「病欠少年」/ゲームしすぎて帰り道の交通費がなくなる「出張プレイ少年」/遊園地に男女10人で行ったのに1人ゲームコーナー状態「今日は華のある日だ少年」/因縁のクラス女子とぷよぷよ対決「愛しさと切なさと憎たらしさと少年」/18歳はゲーセン仲間の輪が一人ずつ減っていくお年頃「失楽園少年」......やっぱりみんな実話です!!

代原ちゃん

代原ちゃん

ほぼノンフィクション! 『ジーニアース』の鬼才・押切先生の緊急読み切り12P‼『吸血鬼すぐ死ぬ』の休載告知に忍び寄る影は一体…?(週刊少年チャンピオン2022年51号)

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押切蓮介劇場 マサシ!!うしろだ!!

押切蓮介劇場 マサシ!!うしろだ!!

世界の清水崇監督 大推薦図書!! 一家に1冊!「オモシロコワイ」本、置いとくれ。 1998年の衝撃的なデビュー作『マサシ!!うしろだ!!』から、今や世界的な映画監督となった清水崇氏によって映像化された『トイレまで4メートル』、伝説のホラーストーリーギャグ2大傑作連載『カースダイアリー』『悪霊ドリル』まで、『でろでろ』に至る押切ホラーギャグの軌跡を1冊に収録!! 蓮介ホラーギャグの集大成!!

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ジーニアース

ジーニアース

近年、人類の中で千人に一人に突然遺伝子が発生し、これまでの人類とはかけ離れた能力を持つ人種が生まれた。選ばれた者たちは自らを「ジーニアス」と呼び始めた。ある時、ジーニアスである不破勝は一般市民を劣った種として駆逐するため国家転覆を始めたのを皮切りに他のジーニアスが力を開放し始めた! 自称一般人だがなにやら不思議な雰囲気を持つ鈴木ハジメのもとに集まるジーニアスたちと国家の壮大な戦いが始まる…!! 徹頭徹尾バイオレンスアクションが炸裂!!

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