ムチャチョ―ある少年の革命―の感想 #推しを3行で推す
・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ ニカラグアというよく知られていない国での革命、同性愛、ガブリエルの 成長といった様々なテーマを高レベルでまとめられていると思った。 ・特に好きなところは? ガブリエルの成長と彼の心情に合わせて色彩が変わっていくところ。 エマニュエル・ルパージュは絵の上手さだけでなく色彩の使い方にも 長けているなと感心した。 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! ストーリーもそれほど難しくないのでバンドデシネ入門として 読む価値は充分にある。同作者の「チェルノブイリの春」もおススメ。
1巻の表紙が素敵で買ってみたバンド・デシネ作品。WWII中のドイツ占領下のパリを舞台に、密告によって拘留されてしまった女性レジスタンス・ジャンヌがこそ泥・フランソワと出会いともに逃亡。妹と再会するため奔走する物語。
1巻は2人が転がり込んだ場所、友人・ルネ一家がパリ市内の河に浮かべる自家用船・ヒマラヤ号にドイツ軍がやってくるものすごく良いところで終わっていて、思わず下巻を買ってしまった。
最近のバンド・デシネは日本で売るときにもとは1冊の作品を複数巻に分けてマンガみたいにして売るパターンが増えてきているみたいですが、これもそれかもしれない。
正直116ページ、1320円だったら絶対買ってない(笑)
1巻が58ページだと気づかずに、普通のマンガと同じ価格の660円だったから買ったんだよね。
まあこのページ数・価格は同人誌だと思えば普通のことなので特に不満はないです。
水彩の色使いが美しくて圧倒されたし、ドイツ占領下のパリというのが、自分はあまり触れたことのない時代・舞台設定だったので人々の暮らしぶりや考え方がすごく面白かった。
何より全2巻でストーリーが見事にまとまってて、読み終わったあと心に切なさが残るところが作品としてすごく良い。
今まで自分は「バンド・デシネというのは絵はものすごく美しいけれど(何が起きているのかわかりにくいし、テーマは難しいし、いかにも「翻訳してます」みたいな言い回しがわかりにくいし)、ハッキリ言って読みにくい」と思っていたのだけれど、その固定観念が覆される素晴らしい作品でした。