押見修造先生の表現はどこまで進化するのか
押見修造先生の最新作。新たな代表作である「血の轍」も出身地の群馬県が舞台になっていて実体験がベースにあるような気がしましたが、今作「ひろみ」はよりそれを感じました。ペンタッチがいい意味で力が抜けているのも、頭の中の朧げな記憶をそのまま描き表したい意図があるように思えました。すでに「血の轍」の時点で、研ぎ澄まされた心理描写は誰も真似できない地点にありましたが、押見先生の表現がこれから更に進化することを予感させられますね。物語の展開としてもちろん後編が気になりますが、その前に子供である主人公に罪悪感を植え付けた女教師はマジ許すまじ…!
中村真理子が大化の改新に続いて卑弥呼の時代を自由な発想でダイナミックに描く。
もう誰も検証のしようがないから、いかに面白く卑弥呼を描けるかが勝負。今のところ、私は楽しく読んでます。
いまだに男性優位のこの国で、女性が頂点に立っていたのであるから、そこに至るまでの物語は想像を絶する出来事が多々あったことだろう。
権謀術数が入り乱れる古代日本を卑弥呼が切れ味鋭く突き進む姿は心地よい。
物語はまだまだ序章。これからの展開が楽しみ。