原作未読でも、お笑いファンでなくとも入り込める
原作・又吉直樹氏の「火花」のコミカライズ作品。話題作だけど未読、という人は結構多いんじゃないでしょうか。私もその一人です。まず原作を誤解してた所があって、芸能に関心がある、お笑いファン向けの作品だと勝手に勘違いしてました。決してそんなことはなく、人間は誰しも漫才師である、という言葉の通り、お笑い好きに限らず広く開かれた物語でした。 読めば純粋に面白い作品で、作画の武富健治氏の絵の力によって、ページをめくる毎に物語に引き込まれていきます。原作未読ながら、小説とは別の魅力を存分に引き出されている…と思えてしまうほど、心に迫るものがあります。 芸人の現実を描く一方で、神谷のように才能がありながら、袋小路に向かってしまう人間に対して、厳しくも優しい眼差しを作品全体から感じました。 物語の中心人物である徳永か神谷、どちらに感情移入するかは読む人によって異なると思いますが、下巻で徳永が神谷に投げかけた一連の言葉がすべてのように自分には感じられました。 上下巻で長さも丁度良いです。原作未読でも、お笑いファンでなくてもおすすめです。
思ったより怖い感じの絵で漫画化するんだなと思いましたが、意外とすんなり物語に入り込めました。
最初の熱海のシーンが好きです。