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本日のバーガー

美しく上品なハンバーガーの世界

本日のバーガー 花形怜 才谷ウメタロウ
野愛
野愛

ハンバーガーというひとつの料理だけをテーマにした狭くてディープなグルメ漫画なのに、その広範な知識量と誰にでも受け入れられそうな上品な作風に心を掴まれました。 ハンバーガーの世界ってこんなに広いんだ…!こんなハンバーガーがあるんだ…!という月並みな感想を抱いてしまいました。神宮寺ばりの知識がある人以外は同じ感想を抱くでしょう。神宮寺のハンバーガーを食べた人も同じ感想を抱いたことでしょう。 グルメな客が訪れて無理難題をふっかける、大きな悩みを抱えた人間を料理で救う、超強力なライバル店との対決…グルメ漫画あるあるが繰り返し描かれ、その度に神宮寺は軽やかに上品にハードルを越えていきます。 肝心のハンバーガーもめちゃくちゃ美味しそうです。とんでもなく美味しそうです…!!シズル感もあるしアツい食レポももちろんあるけれど、やっぱり上品なんです。 ジャンクフード、ファストフードであると思われがちなハンバーガーだけど、さまざまな食文化を受け止める懐の深さ広さがあり、ひとつの料理として確立されたものなのだ…ということをこの漫画の上品さが示しているのかなと思いました。 ハギスバーガーとマカロニチーズバーガーが食べたいです。

宝石の国

重さと軽さが同居する、命の話

宝石の国
アフリカ象とインド象
アフリカ象とインド象

大好きな漫画です。 学生の頃、この漫画に狂っていた時期がありました。 友人全員にこれを読めとしつこく勧めて、 読んだ人に対してはお前はこの漫画の何もわかってない!と浅い考察を語る最悪のオタクでした。黒歴史です。 つまり、人を狂わせるほど魅力ある漫画ということとも言えます。言えますね。 とはいえ、こちらは既に多方面で紹介され尽くした人気作でもあります。 今さら自分の稚拙な語彙でレビューしても読むに耐えませんので、 ネットの海に散乱した情報に少しだけ補足をして、読むことを迷っている方の壁を取り払えればと思います。 この漫画が話に上がる時についてくるのが、とんでもない鬱漫画だという話題。 これが読み手の1つのハードルになってしまっていると思います。もったいない! 大丈夫。救いはあります。怖くないです。 確かに取り扱うテーマは重く、展開に心が締め付けられることはありますが、この作品の魅力はそこだけではないです。 素晴らしいのは重厚な世界観の中に、ポップさのエッセンスを忘れず組み込んでいること。 (ここで言うポップさとは、いわゆる大衆に寄り添う心のこと) 会話のテンポ、 キャラの関わり、 かわいらしいジョークのセンス。 そういう要素の節々に、作者である市川春子氏の人柄を感じられます。 そしてその人柄から読み取れるのは、 この人は読者の心をズタズタにしたい訳ではないよ〜。 ということ。 きっと最後まで読み切った方なら共感してくれると思います。 苦しさの先に希望がある。 これは人間の話。命の話。生と死の話。愛の話。宇宙の話。 火の鳥超えてます。ガチ。

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