ギュッと来る、ハートフルでコミカルなロスタイム
これは良い。すごく好き。 母子家庭で母が交通事故で逝去、残された中2の娘(ニコ)は母が縁を切っていた爺ちゃんと共に暮らすことに。 ニコの心情の描かれ方や表情がとても魅力的。 おじじを見ててイラッとする(自分がおじじ側だからだと思う)ところもありつつ、彼の考えや行動はすごく愛に溢れているなと感じて、読んでいてジワジワと温かくなってくるような作品。 スピリッツっぽい画風でもあるけど、展開とかテンポとか全体のまとまりが上手くて、講談社もこういうの求めてたんだなぁーって勝手に思いました。 まだ始まって2ヶ月の2025年ですが個人的TOP5には入りそうなぐらいイイです。 中庭ちゃんもすげえいいのよねえ…世界平和を目指してこ、みんなで。
唐突にやってきた母親の死。忌引すら嫌な顔をされるブラック企業に勤める主人公は、何年も会ってない母親の顔もパッと思い出せないほど、実感がわかない。葬式にも妹に「来ないと殺す」と言われて仕方なく出席する始末。
そんな感じでいかにも薄情な息子って感じなんですけど、妹は兄が不在の数年間、想像もできない思いを抱えながら母親と暮らしてきたことがわかるシーンは、それまで話が淡々と進んでいた分だけ爆発力がすごかった。そこから一気に主人公だったはずの兄よりも、妹のほうにこそ目を向けるべきだったのかなという気持ちになりました。
本編の前のコメントにもあるように、どういう家庭環境で生きてきたかによって読んだ感想は変わると思います。