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傷つけても傷ついても、やり直せるはず。人間は完璧な形をしていないから、間違えたり失敗したりするけれど、何度でもやり直せるはず。
どうか、そんな世界でありますように。
欠けていたり傷のあるひとたちが、風だったり空だったり周りのひとだったりをきっかけに再生していくお話が3つ収められています。
読んでいて心が苦しくなる瞬間はあるけれど、どれも優しい作品です。
作者と作品はある程度切り離して見るべきだと個人的には思っています。
でも、この3つのお話はどれも優しすぎて痛すぎて、郷田マモラ先生が過去に起こした事柄について思いを巡らせてしまいました。
人を傷つけてはいけないし、一度傷つけたり壊したものは完璧に元に戻ることはないです。傷ついたものも傷つけたものも、そのまま生きていくしかないのです。
ひとは変われるけど、起こしてしまったことは変わらない。罪も過去も変わらない。
それでも、人はやり直せるはず。切実な祈りが鳴り響くような作品でした。
間違いなく、優しい作品だと思います。
「色なき風、ふいた」大阪の山奥で牧場を営むアキオとシュンペイ。人面牛「くだん」が生まれた時、2人に何かが起こる。「赤い空の下」光化学スモッグが空を覆う下町でホームレスが死んだ。少女と5人のおっちゃんが繰り広げる喜悲劇。「僕らはみな、星のかけら」下町の工場でガラクタを集めて音を鳴らすモンクこと川上。その過去に横たわるものとは…? 郷田マモラの暖かくも鋭い視点が光る短編3本を収録。
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