sinkで出来ていたことが出来ていない
漫画家としての作者の実力はここで記述するまでも無い程に圧倒的なのは周知の事実である。しかし、この作品においては、その実力を発揮しきれていない。サスペンスにも関わらずコマ割りが細かくテンポ良く進むため、サスペンスが必要な箇所でなんてこと無い日常の様に進んでいってしまう。ましてや大ゴマにする必要の無い箇所で大ゴマにしてしまっている。絵の造形も不気味な雰囲気が失われギャグのキャラ造形になっている為、ここでもサスペンスが失われる。sinkで出来ていたことが何故出来ていないのだろうか?
課長島耕作に繋がる大事なエピソードであり、人呼んで「最後のマスターピース」こと係長島耕作。まだ相談役島耕作が連載中なので完全に終わった訳ではありませんが、サラリーマン島耕作物語の終わりなきフィナーレという感じで、全シリーズの中で最も感動的な最終回でした。これは課長島耕作を読み始める人は係長島耕作を最後に読むだろうという配慮なのかな。
【係長期】
神戸営業所から庭さんが赴任して島耕作の上司になる。若い頃にレディースの頭をしていた奥さんが上司の水野取締役と不倫をして、庭課長が部署移動して部長に出世した。庭さんって課長時代にも登場するけど全く記憶にない。
取締役になると決まってからの宇佐美さんは急に仕事が出来る人になった!
ヤング島耕作 主任編からメガネをかけた地味な部下の女の子が登場するけど、この子って課長時代に詐欺師みたいな男と結婚する人かな…。
京都主張中に舞妓時代のかつ子が出てきた。めっちゃ可愛い。
妻の希望で埼玉県鶴瀬に一軒家を購入。妻の不倫相手の電報堂の奥本も登場。家庭は上手くいってないなぁ…。
会社の先輩に社内購入券を譲ってしまい会社にバレて始末書を書かされ、課長研修が遠のく…。
島耕作が担当した本社のクリスマスイルミネーションを吉原会長にダメ出しされたが、直接交渉して認めてもらうことに成功する。宇佐美取締役に相談しなかったので怒らせてしまい、課長研修が遠のく…。
他のシリーズには一度も登場していない銀座のクラブのママから出世哲学を伝授され、10年前に常連だったという吉原会長の未開封サイン入りボトルをもらう。島耕作が「自分が会社を辞める時に開けることにした」と言っていたので、このボトルを開ける時が本当の最終回なのかな…と思った。ちなみにこの銀座のママは島耕作がこれからモテ始めることも言い当てた。
係長時代の島耕作は仕事も家庭も上手くいっていなかったけど、それが逆に新鮮で面白かった。次の課長島耕作の初期オフィスラブコメ展開に繋がっても違和感はないと思う。