どの話にも心に傷を持った女性が登場します。その傷は簡単に癒えることはありません。もしかしたら一生そのままかもしれません。やまじえびね先生の作品を通して見るとまるで血の流れないサスペンスのようです。そうして尚更に彼女達の痛みを感じることが出来ます。中でも表題作の「I'M NOT HERE」は重みのある話です。主人公は心理カウンセラーですが彼女自身も幼少期に兄から性的いたずらをされ、母に打ち明けても取り合ってもらえなかったことを悩み続けカウンセリングに通っています。優しい恋人と身体の関係を持つことはありますが、いつも行為の途中で意識が飛んでしまうのです。実は数年前に事業の失敗で兄は失踪しており、その心労が重なった為に母が急死します。全ての苦しみから解放されたように思われましたが、恋人との行為の時の症状は治ることはなく、タイトル通りの悲しくてシリアスな結末に終わります。シンプルなようでいて絵にもストーリーにも深みがあります。どちらがきっかけでも構わないので気になった方はぜひ読んでみて下さい。
どの話にも心に傷を持った女性が登場します。その傷は簡単に癒えることはありません。もしかしたら一生そのままかもしれません。やまじえびね先生の作品を通して見るとまるで血の流れないサスペンスのようです。そうして尚更に彼女達の痛みを感じることが出来ます。中でも表題作の「I'M NOT HERE」は重みのある話です。主人公は心理カウンセラーですが彼女自身も幼少期に兄から性的いたずらをされ、母に打ち明けても取り合ってもらえなかったことを悩み続けカウンセリングに通っています。優しい恋人と身体の関係を持つことはありますが、いつも行為の途中で意識が飛んでしまうのです。実は数年前に事業の失敗で兄は失踪しており、その心労が重なった為に母が急死します。全ての苦しみから解放されたように思われましたが、恋人との行為の時の症状は治ることはなく、タイトル通りの悲しくてシリアスな結末に終わります。シンプルなようでいて絵にもストーリーにも深みがあります。どちらがきっかけでも構わないので気になった方はぜひ読んでみて下さい。