再婚したら幸せになれると思った
一筋縄ではいかないようで。 最後の話だけ、広海視点になっている。 一人称が僕、性別は女、9歳。 タイトルとあらすじを考えると、彼女が主人公だったんだろう。 母がご飯を作らない宣言をしたシーンはとても好きだ。 互いに子連れ再婚して、お金は折半しているのに、家事は折半していない。 偏食の義娘、文句は言わないけど辛辣な感想を言う夫。 心が狭くなっていることを自覚して、ストレスを減らす方向に向かったんだなと思った。見習いたい。 子連れ再婚した夫妻の生活は、要所要所に、ドロドロしたものが覗き、それを覆い隠すように日常が続いていく。 描きたいことを描きつつ、一巻完結になるようにされたなら、突然の大団円に思えても仕方ないのかもしれない。 渦巻いたドロドロは横において、それぞれ幸せなこともあるよと分かったほうが、読んでいる方も後味が良いから。 とはいえ、漫画の端々から覗くドロドロは、嫌いではなかった。
互いに子供がいる同士で再婚し、同居している家族の話。血が繋がっている同士とそうでない側で起こる些細なすれ違いや、元婚約者との関係、親戚付き合いなど、「普通」だったら悩むことのなかったような問題が次々と起こる。
本当ならこんな大変な状況で元気に生きているだけで100点、それで十分なのにも関わらず、「普通」がとんでもない暴力となって襲いかかってくる。
他人には見えづらく、想像もしにくい悩みの連鎖がとても丁寧に描かれていて、近い経験をした人には「ここに理解者がいる!」という気持ちになるのではないだろうか。誰もが何らかのマイノリティ。
終わり方はご都合主義的だけど、これくらいの救いはあっていい。