『新線西部軌道』は傑作
初期作品を中心に、これまで単行本未収録で長らく入手困難となっていた読切ばかりで、伊藤悠ファンにとって待望の短編集でしょう。 中でも2008年ウルトラジャンプに掲載された『新線西武軌道』は、『皇国の守護者』連載終了後に描かれた傑作と言っていい読切ですので、ファンならずともぜひ読んでほしい一作です。 話のあらすじとしては、戦争によって東京の街が巨大な外郭で隔てられた世界を舞台に、荒廃した西東京から線路を復興し、未知の壁の中へ列車を走らせるという、もうロマンの塊みたいな鉄道ドラマです。ちなみに、この本の冒頭に収録されてますので、試し読みで途中まで読めますよ。
伊藤悠作品が好きで短編集買ったのですが放置していてようやっと読みました。
(紙で買うと積んでしまうのでダメですね)
グレーとベタの比率とgペンのタッチが好きなのでやはり絵ではダントツで伊藤悠作品が好きです。
正直綺麗に全て細密に書くことが絵がうまいことだとは思いません。
難しい!
>新線西武軌道
作者の「好き」が詰め込まれた感じがほんと良いなって思います。
メインは添乗員の女の子(武装済)なのですが実はちょっと太ってる社長が一番かっこいいというずるい話です。
題材的に無駄なことをズルズルと語りそうなのによくこんなかっこよくまとめ上げられているな、とほんと感嘆…。
私は短編のお決まり的なラストのセリフがすっごい嫌いなのですが、この話の「うちは社員随時募集中だからね」がすごいエモくて抜け感があってハマっています。うまく説明できませんが短編の〆の言葉なんてものはだいたい決まってくるのですよ。〆ようと思って構成しないと話なんてダラっとしたまま終わらないので。
でもこの話の〆も途中の盛り上がる話もどれもかっこよくハマっていると思うのです!
>黒白
日比谷で欠け桜でクーデターを起こす、ロマンですね…
もう色々細けぇことはどうでも良いんですよ、ただただかっこいい!
刃物を持った手を抑えたポースが花見の席の二人に重なるとか、悲しいけれども美しいじゃないですか…天才です。
>黒突
四人をベースに話が進みますが実はお里の存命をかけた戦いではなく恋愛ものだったりするところ、よくないですか?
蛾舞←孤雪 もう止められないし食い物になってしまっているけれどもそれでも想っている
この要素が一番この話で重要ですね…
戦いの裏には必ず結ばれない恋愛や葛藤があって欲しい!
>影猫
髪と血が美しい!日本画トリビュートな表現、好きです。
>影猫II
やはり伊藤悠作品は血が美しいです…
短いながらも見せたい部分を最大限魅力的に書かれているなと思うんですよね
どの話も好きでした。
やっぱり好きなものは変わらないな…紙で買ってよかったです。